住宅すまいWEB
ホーム / 長期優良住宅 / 住宅の長寿命化を実現するための提言 / 長寿化による便益
住宅の長寿命化を実現するための提言
長寿化による便益
  • 直接的効果
  • 1.住宅ストック資産価値の向上(家計資産及び国富の実質的増加)
  • 住宅を長寿命化することにより、住宅投資のもつ長期的な便益、社会に与える良い影響も浮かび上がります。住宅の資産価値が長期に亘ってそれほど減価しないということは、資産として運用する場合の価値も大きくなります。長寿命化は、将来の便益に寄与する家計資産を増加させるとともに、消費、貯蓄、住宅投資のバランスの良い発展をもたらします。
    長寿命な住宅では、永住する場合には建て替え費用の軽減となり、将来に売却したり貸す場合には、高い収入が期待できることになります。その分だけ、貯蓄する必要がなく、消費を刺激することになります。家計資産の増加は、国全体の正味資産(実物資産+対外純資産の合計)である国富の実質的増加につながります。
(参考)国富の構成 日  本; 住宅8%、土地 60%、施設 30%
  アメリカ; 住宅 30%、土地 30%、施設 30%

 

イラスト

 

次へ

  • 2.既存住宅市場の熟成による、まちなみ環境の安定性と居住の流動性の実現
  • 住宅の長寿命化により、既存住宅市場は活性化し、住宅ストックは使用可能年数を基準に更新と修繕が促進されます。良質な住宅ストックの飛躍的増加は、まちなみ環境の安定性を増し、住み替え・買い換えが活発化することになります。

次へ

  • 波及効果―民生の安定・生活にかかわる安心・安全の確保
  • 1.少子高齢社会の支えとなる若い世代の
                  マイホームの選択肢増大(新築+既存住宅)
  • 住宅の長寿命化により、既存住宅市場において良質な住宅が増え、良質でない住宅が淘汰されてくると、若い世代のマイホーム取得が新築一辺倒から既存住宅へも目を向けることができるようになります。
    選択肢がグーンと拡がります。子育て世帯にとっては、住宅取得費用負担の制約が減少し、労働時間の縮減や育児休暇の取得等の時間的・費用的ゆとりが生じ、子育て環境が整えられる効果が増大します。

次へ

  • 2.高齢者の居住・生活の安定
  • 高齢者にあっては、長寿命な住宅は40年50年経っても使用価値が減じていないので、それを売却したり、賃貸にしたりすることで、生活資金を得ることができるようになり、老後の生活設計にゆとりができます。また、リバースモーゲージが普及すればそのまま居住し続けても、住宅担保で必要な資金を得ることができます。長寿命な住宅は高齢者の居住と生活の安定に寄与します。
  • (参考)内閣府「国民生活に関する世論調査」2006.10-11
    「老後の生活設計に不安」 67.7%(前回より1.2%増)

次へ

  • 3.内需主導の経済成長への条件がととのうこと
  • 住宅投資は、内需主導の経済成長の大きなファクターです。直接的な住宅投資以外に、住み替えに伴う耐久消費財の購入、点検・維持管理サービス、リモデル投資の促進など、経済波及効果は大きいものがあります。
    さらに、長寿命な住宅にあっては、長期に亘って住宅が使用されますので、家計において住居費負担が軽減し、その分生活を豊かにする支出を増加させるゆとりが生まれることになります。まさに持続的な内需主導の経済成長への条件がととのうことになります。

次へ

  • 4.安全性にかける住宅ストックの更新・改修の促進
  • 住宅の長寿命化を契機に、個々の住宅のもつ性能や安全性に、国民の目が向けられるようになります。耐震性をはじめとする住宅性能の向上へ向けてのストックの更新・改修が行われるようになります。耐震性に欠ける住宅(1150万戸)の建て替え・耐震改修も促進されます。何故なら、安全性に欠ける住宅は、たとえ賃貸でもましてや持ち家では、急激に使用価値が減少することになります。
    また、ライフスタイルにあわせた適切なリモデルの実施により、生活の質の向上が図られます。

次へ

  • 5.まちなみの熟成を含む住生活水準の向上に寄与
  • 長寿命な住宅は、当然ながらまちなみ・街区づくりに積極的に寄与するものとなります。まちなみを良くすることで、その住宅価値が保たれますし、増加したりするからです。まちなみと住宅資産価値が直結することにより、敷地の細分化や“場違い”建築が抑制されることになります。その地域のまちなみの熟成を通じて、住生活水準が向上していくことになります。

次へ

  • 6.住宅金融の発展
  • 日本の住宅金融は、アメリカ、イギリスに比べても、まだまだ発展する可能性を秘めています。日本の住宅ローン市場規模は新規貸し付けが主とはいえ、GDP比率でみるとイギリス、アメリカが23%水準であるのに対し、日本は4.7%でしかありません。
    また、住宅金融市場の規模としてみても、イギリスは日本の2.4倍、アメリカは13.5倍という水準にあるのは、主として既存住宅市場が低水準であるので、アメリカなみにGDP比23%までだと、あと90兆円が住宅金融に融資できることになります。
    長寿命な住宅の建設が展開され、アメリカ・イギリスなみの使用可能年数に住宅ストック全体が移行すれば、可能となる数字です。住宅の資産価値の適正な評価をベースに、住宅金融が大きく成長していくものと展望されます。

(参考)住宅ローン融資の対GDP比(2005年)

  日本(億円) アメリカ(億ドル) イギリス(億ポンド)
住宅ローン新規融資(1) 236,896 29,080 2,880
GDP(各国通貨建て)(2) 5,033,668 124,558 12,253
期中平均為替レート(円換算) 110.22 200.40
住宅金融市場規模(日本=100)

100 1,353 244
対GDP比 @/A 4.7% 23.3% 23.5%

(注)アメリカとイギリスのデータには新規貸付に加えて借換え分を含む


次へ

  • 7.地球環境改善への貢献
  • (住宅にかかわる産業廃棄物の排出量の減少)
  • 住宅の長寿命化を推進することは、Reduce(リデユース)、Reuse(リユース)、Recycle(リサイクル)のリデユース(ごみをださない)に該当し、廃棄物の発生、排出の削減をするということにつながります。3つのRの中で、最も効果的で重要なのがこのリデユースです。30年サイクルでの建替えが60年、90年、120年と延びるにしたがい、住宅建設時ならびに解体時に排出される産業廃棄物の総量は、1/2、1/3、1/4となります。したがって、住宅の長寿命化は環境負荷の低減に大きな貢献をします。
  • (持続可能な国内人工林の実現)
  • 木造軸組構法の柱材として多用されるスギやヒノキは、120cm×120cmの正角材がとれるようになるまで、スギで35〜40年、ヒノキで45~50年、地域によってはおよそ50〜60年かかります。国産材において、適時に適切な伐採と植林を行うことによって、若木のもつCO2吸収力を維持しつつ、国内森林における資源再生産を実現し、住宅の長寿命化に対応した供給が、持続可能になります。

 

 

長寿命化を阻む障壁

長寿命化のための基本戦略

 

 

このページの先頭へ