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住団連からのお知らせ
  • 「住宅は社会性をもった財」研究報告書要約
  • 生活者・行政者・学識者への3つのアンケート
  • 研究会では平成8年9月から11月にかけて、3種類のアンケートを実施した。生活者に対するアンケートでは「住宅の寿命」「住宅の評価」「街なみ・景観」などの諸要素について、生活者個人の意識・認識度の把握を試みた。
    行政者アンケートでは、全国の都道府県・政令市及び建設省等の行政者に対して住宅の社会性に関するキーワードの選択と自由な意見をいただいた。学識者からは、「住宅の耐久年数」と「美しい街なみ・景観づくり」と「住宅は社会性をもった財」について客観的に高い見地から意見をいただいた。
    そして、生活者334、行政者152、学識者13、合計499の回答及び意見を基礎として、「住宅は社会性をもった財」の現状認識の分析を試みた。
  • 住宅の社会性についての総括的考察
  • 上記の3つの調査結果から、住宅の社会性の柱となるキーワードは次の5つに要約される。
  •   1) 街なみ・景観
      2) 防災・防火
      3) 社会的インフラ
      4) 文化・習慣
      5) 長期耐久性
  • その各々について現状認識と問題点を整理した。
    総括的考察としては次のとおり。
  • 1.「住宅は社会性をもった財」という時の「社会性」については次の意識・視点で考えられている。
    個々人が勝手に思いのままでやっていたのでは困る部分/ある程度規制や統一を図るべき事項/生命や財産の保持など市民生活に与える影響の大きいもの/都市やまちに与える影響の大きいもの/超高齢社会など社会経済情勢の変化に対する役割の大きいもの/その時代時代に対応しながら後世に長く伝えられるもの/等
  • 2.「住宅は社会性をもった財」という時の「社会性」については次の意識・視点で考えられている。
    個々人が勝手に思いのままでやっていたのでは困る部分/ある程度規制や統一を図るべき事項/生命や財産の保持など市民生活に与える影響の大きいもの/都市やまちに与える影響の大きいもの/超高齢社会など社会経済情勢の変化に対する役割の大きいもの/その時代時代に対応しながら後世に長く伝えられるもの/等
  • 3.「住宅は個人の財ではあるが社会性をもった財である」とする考え方は基本的な共通認識として大多数の方々から支持されている。何らかの意味で住宅は「社会性」をもつといえる。(行政者へのアンケートでは9割が賛成)
  • 4.住宅の「社会性」の大きな要素としては、「街なみ・景観」「社会的インフラ」「防災・防火」「文化・習慣」「長期耐久性」があげられる。その要素はその時代、時代の社会の変化・社会のニーズにより、変ってくるものといえる。
  • 5.住宅に期待される耐久年数は、50年以上であるべきだとの意見が多い。
    (生活者へのアンケートでは過半数の人々が50年以上であり、学識者の意見でも大多数を占める)
  • 6.住宅に対して長く保全し大切に使う意識や「街なみ・景観」に配慮し、住んで楽しいようなまちづくり・住まいづくりをするには、1人1人が主体的に地域に関わっていくという意識をもつことが重要である。
  • 7.「住宅は社会性をもった財」との考え方を実現していくためには、“どのような街に住みたいか”を軸として生活者・行政者・住宅生産者の役割についての社会的合意の形成が重要である。これからの成熟社会での住宅のありよう、地域特性に応じた住宅のありようについての3者の意見や情報交換が必要となる。
  • 8.社会性をもった財の形成と規制との関係については、規制すべき点と規制を緩和すべき点とを明瞭にし、良質な住宅ストックをつくるという目的に合致したものにすべきとの指摘があった。
  • 9.住宅のありようは土地のあり方と密接な関連があり、現行の土地政策中心の税制・金融政策から住宅中心の政策への転換がのぞまれると指摘された。住宅の利用価値重視の考え方が住宅の社会性にとって重要な要件である。
  • 10.今後の住まいづくりにおいて、住まいづくりに携わる人々の間で住宅に求められる「社会性」を明らかにして、重要な要素として認識される必要がある。
  • 住宅生産者の今後のあり方
  • 「街なみ・景観づくり」では住宅生産者の役割を中心として生活者・行政者のあり方を明らかにし、「長寿命の住宅づくり」では50年以上の寿命を担保する仕組みづくりに言及し、「住宅の地域性」の実現も住宅生産者のとり組むべき課題とした。
  • 「住宅は社会性をもった財」であるとの考え方はあいまい漠然とした形でとらえるのではなくて、具体的な住宅をめぐる諸課題の中で明確化されるといえる。「住宅は社会性をもった財」の考え方が大きなうねりとなって大多数の人々の認めるところとなる時、住宅生産者においては今迄以上に良質な住宅を供給する責任が求められるであろう。また生活者も住宅づくりを視る眼は今迄以上に厳しくなり、住宅のありようへのルールの存在を、いやむしろ新しいコミュニティルールがつくられることを期待したい。行政は規制すべきものと優遇すべきものとの明確な判断と具体的施策と、そのもとになる長期的ビジョンを求められることとなろう。
  • 課題の解決のため、次の具体的提案がなされている。
  • 1.街なみ・景観づくりや防災・防火などの諸問題について、住宅生産者は生活者と行政との橋渡し役が期待されており、コンセンサスづくりにつとめる。
  • 2.住宅のつくり手の立場から街なみ・景観づくりのアドバイザーを育成し、地域コミュニティと行政と連携し、街なみ・景観づくりを支える人々のネットワーク化を図る。
  • 3.長寿命の住宅づくりを目指すとともに、社会の変化に対応できるよう、住宅の可変性に関する技術開発・技術革新に努力する。
  • 4.住宅の維持管理について生活者自らが意識をもっていただけるように、住宅の長期の維持管理計画を提案し、必要な時に必要な点検を実施する。また記録の保存も大切である。
  • 5.長寿命の住宅づくりの仕組みとして例えば「30年目耐震等安全性チェック」等のルール化や仲介時のインスペクター制度の導入等も今後検討されていくべきだろう。
  • 以上
  • 「住宅は社会性をもった財」研究報告まとまる

 

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