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機関紙「住団連」
  • 『なぜ7年周期説が妥当してきたか』
  • 筑波大学教授  宮尾 尊弘
  • このところ消費税導入の影響もあって、住宅市場の落ち込みが心配されている。しかし、いずれにせよ過去4〜5年に渡る「新築マンションブーム」の反動が出ておかしくない時期に当たっていたことも確かであろう。
  • 振り返ってみると、以前いわれた「7年周期説」がいまだに成立しているようにもみえる。もともと73年ころの列島改造ブーム、80年ころのマンションブーム、87年ころの東京の再開発ブーム、そして94年ころから顕著になった新築マンションブームと、7年ほどの間隔で山のピークがあり、その狭間には厳しい住宅・不動産不況がやはり7年ほどの周期で襲ってきている。この順番でいくと、次のブームは21世紀まで待たなければならない計算になってしまう。
  • いったい何が7年周期を作り出しているのだろうか。それは明らかに、住宅・土地政策そのものが周期的に変わってきたからである。
  • そもそも列島改造ブームから始まり、その後の不況を乗り越えるための財政出動、また80年代中盤には超低金利政策が、さらに90年代には公庫などを通じた一次取得者向けの住宅金融の膨張といった政策的なプッシュが、およそ7年ごとに住宅・土地市場に大きな影響を与えてきたと考えられる。
  • そして、そのようなブームをつぶしてきたのも、また金融、税制、規制などの強化という政策的な要因だったのである。その意味で、今回消費税の引き上げが住宅ブームに水をかけるという状況は、これまでのパターンの繰り返しにすぎない。
  • しかし、このような政策(ポリティカル)サイクルに住宅市場が振り回される状況からは、そろそろ脱却しなければならない。またそうならざるをえない時代がやってきているのだ。
  • 私たちの住宅が極端な政策変更によって振り回されないようにするためには、何といっても「市場主導の住宅・土地政策」という不動の原則を確立すことが先決である。それは具体的には以下のような柱から成るであろう。
  • 第一は、民間ができることから公共部門は手を引くこと。住都公団廃止の方向が打ち出されているが、住宅金融公庫も根本的に見直し、税制面で必要な支援を行う方式に切り替えるべきである。
  • 第二は、住宅税制全体について市場をより効率的にする観点から改革することが急務である。特に、取り引きや、買い換え、住み替えにとって阻害要因となるような税は撤廃する必要がある。
  • 第三は、市場全体の足を引っ張っている不良資産や不良債権の問題についても、市場レベルで解決できるものから手をつける。例えば、証券化の手法を早急に整備して、それに容積率の移転のような規制緩和や税制の改革を組み合わせ、動きやすいものから動かしていけばよい。
  • このような政策面での抜本的な方向転換ができれば、市場は自ら成長と安定を同時に達成していくメカニズムを発揮できるのである。

 

 

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