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機関紙「住団連」
  • 『住宅と家庭の幸福への夢』
  • 函館大学学長  河村 博旨
  • ホテルや結婚式場の披露宴会場では「江藤家・佐藤家御両家」という掲示をよく見かけます。家庭も家族も「家」という文字が使用されています。転勤で単身赴任すると、「札チョン」とか「福チョン」と呼ばれます、札幌や福岡に住んでいる主人(夫)も家族の一員で家族の本拠地としている場所に帰るべき「家」があるから、「家族」と私たちは頭脳の中で考えているようです。土地付きの一戸建ての家(住宅)を所有することが、我々サラリーマンの大きな夢の一つと考えられています。
  • 阪神大震災のような地震で倒壊したり、大きな亀裂の入ったりした住宅などをテレビなどの画面で見ると、地震に強くて、火災にも強い住宅を求めたくなります。しかし、鉄筋コンクリートの家ではなくて、木肌や木目が美しく香りも新鮮な木造の住宅をもとめたくなります。さらには、狭い庭でも庭に植木もあり、四季折々に花が咲く花壇もある土地付きの家で住みたいという願望があります。可能ならば、床の間もあり、そこには掛け軸の一本もあり、時折は生花も生けられている和室の一つも欲しいと想像し、願望するのが、我々日本人の一般的傾向のようです。こういう狭くても庭付きの一戸建ての家を所有し、四季折々には庭木や花の手入れもして子供や孫の訪問してくれる休日や日曜日をたのしみに待ち、親子孫の三代が集まって楽しい夕食を共にする。想い出や将来の計画や夢、他愛無いことなどに話題は飛び、笑顔が弾む一家団欒の一時を過し、息子や娘やその伴侶も、孫も二階の客間で泊まる。
  • こういう一時こそ幸福感に満ちた一時。こういう想像を現実のものとするためにも住宅が欲しい。家が欲しいと願うのは私一人ではないと思います。
  • そして、可能ならば、もう少し広い敷地で、同一の敷地内に建て増しをして、息子夫婦や娘夫婦と孫たちと一緒に暮らしたい、と夢や願望は広がっていく、仏間に仏壇もあり、近くの墓地にお墓もあり、お彼岸やお盆には、親子孫三代でお墓参りやお寺参りをして、帰りには、おしるこや天婦羅蕎麦でも家族一緒に食べて帰る。
  • 親戚縁者が来訪しても、落ち着いて泊まることのできる客間もあるこういう住宅に、大都会の人々総べてが望めば住める。こういう時代が来るのを夢見ることは、所詮無理でしょうか。客を歓迎できる応接間や書斎や書庫もある家。そして、老後には回顧録や趣味の俳句や短歌などの本の一冊でも自費出版できるほどの心にも余裕のある生活。そして、これらの出版物を英訳したりあるいは、すきな詩を創作し、曲を嫁につけてもらって、歌の一つも孫のピアノ伴奏で歌ってみる。
  • こんな家庭生活も、夢のまた夢かも知れません。しかし、夢が現実となる日を期待して、今日も明日も満員電車やバスにゆられて通勤している。夢と希望や期待こそ活力の源泉、幸福な精神状態を維持できる源泉です。多分そうです。夢の実現を祈りつつ…

 

 

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