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住宅と消費税

住宅の長寿命化の時代と消費税

  • 住生活基本法の誕生と自由民主党「200年住宅ビジョン」
  • 2006年6月、豊かな住生活を目指す「住生活基本法」が誕生しました。さらに、2007年5月自由民主党住宅土地調査会より「200年住宅ビジョン」が提言された。そこでは「良い住宅をつくり、きちんと手入れし、長く大切に使っていく」ことが提唱されています。日本のこれからの社会と住宅・住環境の価値が議論され始めたといえます。新しい住宅政策への転換点です。
  • 住宅は長寿命化の時代へ
  • 日本人の平均寿命は1955年〜60年には64才でしたが、2004年には82才 (女性85才、男性79才) と世界一の長寿国となりました。大量消費社会の“作っては壊し”の住宅の時代は終り、ライフスタイルに合わせて住宅の長寿命化が図られねばなりません。
    住宅は、「30年耐久消費財」から「100年超の社会的資産」へ転換されます。そこでは、住宅という個人の資産形成が、社会のストックとして利用循環されることで、広く国民にゆとりある豊かな住生活をもたらすことができます。
    さらに、住宅の長寿命化の便益は大きい。長期に亘って減価しない住宅においては、住宅の資産価値をベースとした住宅金融 (リバースモーゲージ、ホームエクイテイローンなど) を発展させ、老後の生活支援となります。また、売却や賃貸にだしても、高い収益を得られます。良質な住宅ストックの構築は、既存住宅流通市場を発展させ、国民に住の豊かな選択肢を提供します。
    こうした長寿命な住宅づくりの障壁が、住宅にかかる消費税です。
  • 住宅の消費税引き上げに国民の85%は疑問
  • 今年5〜6月住団連で行った消費者アンケート調査では、住宅の消費税引き上げについて、「そもそも住宅取得にかかるのはおかしい」が48%、「住宅取得は特別で現行の5%のままのよい」が37%と、85%の人が反対という結果でした。「他の財と同じで住宅取得についても税率を上げてよい」は5%と1割にも満たない。消費税引き上げ議論では、率とか時期とかのみでなく、住宅への消費税のあり方を議論してほしい。
  • 政策的配慮のある各国の消費税
  • 消費税 (付加価値税) において、住宅取得に関し欧米各国では政策上の配慮がみられます。イギリスはゼロ税率、イタリア・スペインは軽減税率、カナダでは税還付があります。「幸福の国」スイスや「福祉の国」スエーデンは非課税など、多くの国で非課税扱いとなっています。そして、既存住宅の取得には、大部分の国が非課税です。日本の一律課税の方が非常識なのだ。
  • 住宅の消費税の抜本見直しを
  • 長寿命な住宅づくりにふさわしい税体系の確立が必要です。少なくとも5〜6世代に亘って住み継がれていく前提にたてば、住宅の税も、取得時負担から保有時負担へ重点を移行すべきです。取得時に過重な負担を求める現行の、一時払い住宅消費税は弊害の方が大きい。
    住宅の長寿命化の時代では、スケルトン (躯体) とインフイル (設備・内装) に区分し、数世代に亘って使用されるスケルトン部分は課税免除とする方式も検討されて良い。
    当面する消費税引き上げにおいては、現行での据え置き等の特例措置を図るべきだと考えます。
  • (社)住宅生産団体連合会会長 和田 勇

 

 

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