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住宅と消費税

豊かな住生活の実現と住宅の消費税問題

  • 住生活基本法の誕生
  • 2006年6月、豊かな住生活を目指す「住生活基本法」が誕生しました。緑あふれるコンパクトシテイ、散歩したくなる絵になる街、いつまでも住み続けたくなる活き活きとした街など。多くの人々が夢見てきた住宅・住環境づくりへの新しい出発です。
    まず最初に、地震に強い国づくりに取り組みたい。新耐震基準を満たしていない住宅ストック1,150万戸(国土交通省推計)の解消が早急な課題です。安全安心なまちづくりの実現のために、耐震改修のみならず「耐震建替え促進税制」を創設すべきです。
  • 未解決の住宅の消費税問題
  • 住宅の消費税が引き上げになると、次の3つの大きな影響があります。
    第一は、若い子育てフアミリーのマイホームの夢が遠のくということです。今日の住宅市場の回復の主役は、30才代の若い世代の持ち家取得です。現在でも2500万円の住宅で125万円の消費税負担です。消費税8%になれば200万円の税負担です。その分住宅の広さが狭くなり、立地が悪くなり、設備や構造体もより安価なものにせざるをえなくなります。あるいは、持家をあきらめさせ、狭い賃貸住宅(80・以上は賃貸ストックの6%しかない)に向かわせるという、住宅市場での歪みを拡大することになります。
    第二は、住宅投資が減退し、内需主導の経済成長の足を引っ張ることになります。住宅建設は、裾野が広くあらゆる産業への経済波及効果が高く、林業・セメント・鉄鋼・金融・家電・家具など他産業への影響も大きい。特に、地方経済や中小企業への影響も深刻です。
    第三は、「住生活基本法」の目指す豊かな住生活の実現が困難となるという点です。国民の住生活水準の向上は、既存ストックのリフオーム・質的向上のみでは達成できません。フローの水準の高い良質な住宅の供給があって、市場機能が働き、選択肢の広い豊かな住宅市場が構築されていきます。
  • アンケートでは住宅の消費税引き上げには8割超が反対
  • 今年7月住団連で行った総合住宅展示場でのアンケート調査では、住宅の消費税引き上げについて、「そもそも住宅取得にかけるのはおかしい」が51%、「住宅取得は特別で現行5%のままの方がよい」が35%8割超が反対という結果です。
  • 欧米各国の付加価値税では住宅取得には政策的配慮
  • 消費税(付加価値税)において、住宅取得に関し欧米各国では住宅政策上の配慮がみられます。イギリスはゼロ税率、イタリア・スペインは軽減税率で、カナダでは一次取得者へ税の還付があります。特に、「幸福の国」スイスや「福祉の国」スエーデンで非課税扱いとなっています。
  • 転換点に立つ日本の住宅政策
  • 今回想定される消費税引き上げ時期は、金利上昇期と重複します。これからの住宅取得層にとっては、“前門の虎、後門の狼”ともいわれる事態です。住宅取得は、個人の生涯所得の中で最大の投資であり、住宅は誰もが必要不可欠な生活基盤です。住宅は明日への活力と創造の源です。
    高齢者の年金財政の確立と若い世代の住宅取得という2つの課題は、両立させるべきです。住宅の消費税のあり方について、真摯に議論し叡智を結集し、国民合意を得るべきと考えます。21世紀に、日本が「住みやすさで世界に誇れる国」になれるかどうか、転換点に立っています。
  • (社)住宅生産団体連合会会長 和田 勇

 

 

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