調査結果の公表

  • 令和5年10~12月(令和5年度第3四半期)の受注実績と令和6年1~3月(令和5年度第4四半期)受注見通しについて
  • 総数
  • -実績-
    令和5年度第3四半期の受注実績は、受注戸数で▲55ポイント、受注金額で+15ポイントとなり、戸数は10期連続マイナスとなったが、金額は2期連続でプラスとなった。

    コメントは「戸建は前年並みも賃貸が堅調で受注金額はトータル増」、「戸建減少傾向は継続しているが、分譲住宅と賃貸で踏ん張っており前年増」、「集客が回復せずに戸建住宅の受注棟数が伸び悩んだことで全体の受注棟数は前年比マイナスだったもの、賃貸住宅とリフォームが牽引し、受注金額は前年と同等の金額となった」など前期に引き続き、戸建住宅のマイナスを賃貸・リフォーム部門で補っている状況が伺えるものが多く見られた。
  • -見通し-
    令和5年度第4四半期の受注見通しは、受注戸数▲10ポイント、受注金額+25ポイントとなり、受注戸数は3期ぶりのマイナス、受注金額は3期連続でプラスの見通しとなった。

    コメントは、「戸建減少傾向は継続している」など特に戸建住宅について不安感を示すものが見られたが、「住宅取得支援策を活用しつつ、ZEH推進など高付加価値提案により前年越えを目指す」といった前向きなコメントも見られた。全般的に「分譲住宅の増が見込め受注戸数は前年並み」、「賃貸の好調で受注金額は前年増」など前期に引き続き戸建注文住宅を他部門でカバーするというコメントが見られた。
  • (戸建注文住宅)
  • -実績-
    令和5年度第3半期の受注実績は、受注戸数▲31ポイント、受注金額▲17ポイントとなり、金額・戸数ともに9期連続のマイナスとなった。

    コメントは、「子育てエコホーム支援事業等の国の施策やフラット35金利引き下げなど新たな後押し材料はあるが、物価高や実質賃金低下、景気の先行き不安から集客減が長引いており、受注戸数は減少」のようなマイナス面が多かったが、「エネルギー価格高騰と災害頻発化を背景にZEH・蓄電池搭載率は引き続き高水準」、「棟数が減った分を1棟単価の上昇でカバー」、「集客(来場、資料請求)がプラスで受注につながった」といったような前向きなコメントもあった。また、「大型化や特殊物件の受注割合が多くなってきており、受注単価は上昇傾向」というコメントもあった。
  • -見通し-
    令和5年度第4四半期の受注見通しは、受注戸数▲4ポイント、受注金額+17ポイントとなり、戸数は2期連続でマイナスの見通しとなった。受注金額はプラスの見通しとなった。

    コメントは、「子育てエコすまい支援事業等の施策により住宅購入に前向きな気配は生まれたが、依然として景気の先行き不透明な状況は払拭出来ておらず顧客の様子見状態は続く」、「資材高が続き、引き続き厳しい状況」、「日銀の金利政策次第では、変動金利の上昇も懸念される」など依然として厳しい見通しや懸念材料が多く見られた。また、「部資材価格高騰の継続的な影響、また受注戸数は年々減少傾向にあり戸数マイナスも1棟単価アップもあり受注金額は変わらずと予測」(他同様のコメント2社)といった内容のコメントが見られた。
    一方で「エリア別商品戦略と体感型施設の活用により、契約効率の向上を図る」、「好調な受注を維持すべく引き続き各種補助金を積極的に訴求したい」などの前向きな見通しも見られた。
  • (戸建分譲住宅)
  • -実績-
    令和5年度第3四半期の実績は、受注戸数▲6ポイント、受注金額+25となり、受注戸数は前回のプラスから再びマイナスとなった。金額は前回に続きプラスの実績となった。

    コメントは、「分譲住宅の拡大に取り組んでおり、受注棟数が増加、受注金額も前年を上回った」、「土地無のお客様の動きは活発で分譲地実績は前年超えが続いており、分譲住宅もその波にのった」といった好調さを伺えるコメントが多かったが、「販売価格の上昇による一次取得層の購買意欲低下が見られることに加え、各社の競争も激化」、「立地によって新規発売プロジェクトの勢いに差があり、首都圏エリアを中心に昨年同期を大きく下回った」といったようなマイナスのコメントも見られた。
  • -見通し-
    令和5年度第4四半期の受注見通しは、受注戸数±0ポイント、受注金額+19ポイントとなり、金額は3期連続でプラスの見通しとなった。

    コメントは、「分譲実績の好調は継続することが予想され、1棟単価上昇も顕著」、「高付加化価値分譲地ブランドの拡販に傾注し、他社差別化を図る」など、好調な状況が続くことを示すコメントが多くあった。
  • (低層賃貸住宅)
  • -実績-
    令和5年度第3半期の受注実績は、受注戸数+32ポイント、受注金額+59ポイントとなった。
    前回調査時の見通しは戸数+42ポイント、金額+54ポイントであったが、戸数は見通しを下回り、金額は見通しを上回った。戸数・金額とも2期連続のプラスとなった。

    コメントは、「市場は概ね活況、特に戸建賃貸や大型物件が好調」、「物件の大型化、高付加化価値提案の浸透及び商品戦略の変更により受注増」、「ZEH対応商品の拡販により単価アップ」など大型化・高付加価値化による単価アップを好調要因に挙げるコメントが多かった。また、「分譲賃貸住宅の販売が好調」といったコメントも見られた。
    一方で、「融資環境は厳しい状況」、「価格上昇によって提案する利回りへの影響が大きい」といったマイナスのコメントもあった。
  • -見通し-
    令和5年度第4四半期の受注見通しは、受注戸数+18ポイント、受注金額+36ポイントとなった。好調さの中で伸びにやや鈍化が見られた。

    コメントは、「活況な賃貸住宅市場は継続すると思われ、ZEH-M化などの差別化を推進し受注拡大を図る」、「高付加価値提案や大型物件の受注に注力」といった前向きなコメントが多く見られた。
    一方で、「CVケーブル不足・能登半島地震の影響など先行きが不透明なものも多く、見通しが立てづらい状況」などの慎重なコメントも見られた。
  • (リフォーム)
  • -実績-
    令和5年度第3四半期の実績は、受注金額+17ポイントとなった。

    コメントは、「補助事業の効果もあり堅調に推移」、「顧客接点の回復と補助金の後押しにより、活発な動きが継続」、「電力価格高騰などを背景にレジリエンス商材が伸長」などの好調要因を挙げるコメントが多く見られた。
    一方で、「集客数は増えたものの、資材高騰・景況感悪化などにより横ばい」、「補助事業の効果もあり堅調に推移しているが、件数・単価ともにほぼ前年並みの実績」といった前年並みの実績となっている状況も見られた。
  • -見通し-
    令和5年度第4四半期の受注見通しは、受注金額+46ポイントとなり、見通しとしては12期連続のプラスとなった。

    コメントは、「定期診断からの商談化とレジリエンス訴求に注力するとともに断熱リフォームを推進」、「暮らしの価値提案にて大型受注の推進と住宅省エネキャンペーンを活用」、「中大規模工事の受注拡大に努め、引き続き好調な受注を維持」などの前向きなコメントが多くみられた。
  •  
  • 令和5年度 新設住宅着工戸数の予測
  •   R5.10調査 R6.1調査 増減
    持  家 24.1万戸 23.6万戸 -0.5万戸
    分譲住宅 24.9万戸 24.5万戸 -0.4万戸
    賃貸住宅 34.5万戸 34.3万戸 -0.2万戸
    給与住宅 0.5万戸 0.5万戸 ±0
    合  計 84.4万戸 83.1万戸 -1.3万戸
  • (参考)令和5年度の新設住宅着工総戸数の予測アンケート結果
―回答数―14社―
【単位:万戸】
  総戸数 持 家 分譲住宅 賃貸住宅 給与住宅
令和3年度実績 86.5 28.1 24.8 33.0 0.5
令和4年度実績 86.0 24.8 25.9 34.7 0.5
令和5年度予測 84.9 24.5 25.3 34.5 0.5
令和5年度予測
A社 83.0 23.5 24.0 34.0 0.5
B社 85.0 25.0 25.0 34.0 0.5
C社 81.0 22.0 24.0 34.5 0.5
D社 83.4 24.0 24.8 34.0 0.6
E社 80.5 23.0 22.9 34.1 0.5
F社 85.5 24.5 25.0 35.5 0.5
G社 85.6 25.2 24.9 35.4 0.4
H社 81.4 22.3 23.9 34.7 0.5
L社 84.0 23.5 25.5 34.5 0.5
M社 80.0 22.5 23.0 34.0 0.5
N社 83.0 23.5 25.0 34.0 0.5
Q社 80.2 21.8 23.8 34.0 0.5
R社 86.5 25.0 26.0 36.0 0.5
S社 84.0 24.5 25.0 34.0 0.5
平 均 83.1 23.6 24.5 34.3 0.5

※ 平均は、各セグメントの最大値、最小値各1つずつを外して算出。

 

  • 住宅市場の動向
  • 住宅メーカーの経営指標となる下記の市場項目について、向こう6ヶ月間の動向予測のアンケートを行った。その結果は次の通りである。
  上がる 変わらず 下がる
所得の伸び 11( 7 ) 3 ( 8 ) 0( 0 )
家賃の動向 7( 6 ) 7 ( 9 ) 0 ( 0 )
金利の動向 10( 2 ) 4 ( 13 ) 0 ( 0 )
資材価格 9( 9 ) 5 ( 6 ) 0 ( 0 )
建築の手間賃 11( 7 ) 3 ( 8 ) 0 ( 0 )
       
  上がる 安定化 下がる
地価の動向 8 ( 5 ) 6 ( 10 ) 0 ( 0 )
       
  増える 変わらず 減る
展示場来場者数 1 ( 1 ) 6 ( 6 ) 6 ( 8 )
       
  過剰 充足 不足
技能職人(大工) 0 ( 0 ) 3 ( 6 ) 11 ( 9 )

(  )内は、令和5年7月度調査数値である。

  • イ)「所得の伸び」では、「上がる」の回答が11社に増え、「変わらず」の回答が3社と減った。
  • ロ)「家賃の動向」では、「上がる」の回答が7社に増え、「変わらず」の回答と同数となった。
  • ハ)「金利の動向」では、「上がる」の回答が10社と大幅に増え、「変わらず」の回答が4社となった。
  • ニ)「資材価格」では、「上がる」の回答が9社と変わらなかった。
  • ホ)「建築の手間賃」では、「上がる」の回答が11社に増え、「変わらず」の回答が3社と減った。
  • ヘ)「地価の動向」の回答傾向は、「上がる」の回答が8社に増え、「安定化」の回答が6社と減った。
  • ト)「展示場来場者数」では、「増える」と「変わらず」の回答に変化は無く、「減る」の回答が6社に減った。
  • チ)「技能職人数(大工)」では、「充足」が6社から3社に減り、「不足」が9社から11社に増えた。
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