創立30周年にあたって

豊かな住生活の実現に向けて

一般社団法人住宅生産団体連合会 会長 芳井 敬一 一般社団法人住宅生産団体連合会
会長 芳井 敬一

 住宅生産団体連合会は、本年6月3日に創立30周年を迎えました。
これもひとえに、これまで様々なかたちで支えてくださった関係議員や国土交通省をはじめ関係省庁の皆様のおかげであり、厚く御礼申し上げます。そして、当連合会の活動を活発に継続して頂いている会員団体・企業の皆様に感謝申し上げます。
 当連合会は、1992年6月に工法・構造別に組織されていた住宅関連7団体により、業界全体の総合的な活動を行う社団法人として設立されました。以来、住生活基本法や長期優良住宅法などの施行によるストック型社会への住宅政策の転換や、脱炭素・カーボンニュートラルの実現に向けた地球環境貢献の取り組みの強化、あるいは数度にわたる消費税率の引き上げに際しての住宅取得時の負担軽減策など、その時々の社会情勢や経済環境の変化などを踏まえて、さまざまな政策要望・提言活動などを行ってまいりました。また、阪神・淡路大震災や東日本大震災をはじめとする自然災害の発生時においては、住宅業界が一丸となって応急仮設住宅の供給など被災地の復旧・復興に努めてまいりました。
 一方、住宅業界の将来を展望しますと、新型コロナウイルス感染症や地球環境問題への対応、耐震性・省エネ性の劣る大量の住宅ストックの存在、空き家や所有者不明土地の増加、建築技術者の激減など様々な課題が山積しています。
 また、南海トラフ地震や首都直下地震等の発生も危惧され、豪雨などの自然災害も年々深刻さを増してきております。さらには本年2月に始まったロシアによるウクライナへの侵攻は、我が国のエネルギーや資材にまで影響を及ぼし、住宅産業界においてもその影響は避けられなくなっております。
 このように激変し続ける時代においても、住宅は「生きる」場所として生活の基盤であり、環境・防災・まちなみ・まちづくりにおける重要な社会資本であります。また、住宅投資は経済波及効果も大きく、内需の柱として我が国経済のけん引役として期待されています。
 当連合会では本年3月に、2030年に暮らしたいまち・住まいの姿や、ポストコロナ時代に相応しい質の高い住生活を実現するための住生活産業の課題と役割などを整理した「住生活産業ビジョンVer.2021」を策定し公表しました。また、住宅業界の一層のDXの取り組みを進めるため「DX推進計画策定ガイドライン」を作成し公表しました。
 当連合会では、30年にわたる諸先輩方の活動をしっかりと受け継ぎ、次の10年に向けて、今後も更に豊かな住生活の実現に向けて様々な取り組みを推進し、経済の活性化につながる政策要望・提言活動などを積極的に行ってまいります。
 関係の皆様には、改めて30年間の御礼を申し上げますとともに、今後ともなお一層のご指導・ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。

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