調査結果の公表

  • 平成19年1月度 『景況判断指数※からみた傾向』
  • (戸建注文・分譲住宅と低層賃貸住宅の総計)
  • -実績-
    平成18年度第3四半期 (平成18年10~12月) 実績の景況判断指数は前年同期比で、総受注戸数マイナス23ポイント、総受注金額マイナス17ポイントとなった。総受注戸数・金額ともに5四半期ぶりにマイナスに転落し、前期と比べても大きく落ち込んだ。(前10月度総受注戸数プラス7・金額プラス20)
    総受注戸数では、平成17年度第3四半期のプラス回復後連続して堅持していたが、前10月期に、市場の牽引役であった賃貸住宅が1年ぶりにマイナスに転落し今期も浮上せず、また主力の戸建注文住宅が大幅に落ち込み、戸建分譲住宅もマイナス転落と、全部門がマイナスポイントの結果となり、全体としても大きなマイナスポイントとなった。総受注金額でも、戸建分譲住宅が引き続きプラスを確保、賃貸住宅はプラス・マイナス0であったが、戸建注文住宅の落ち込みの影響もあり、全体としてマイナスに転落した。
    この実績に対するコメントは、「戸建分譲住宅の好調」、「ほぼ前年並みの受注確保」との声もあるが、「戸建住宅のマイナスが全体の足を引っ張った」、「一昨年程度の水準まで落ち込み」、と、マイナス基調の企業が多く、厳しい状況であるとの判断である。
    企業業績の好調さによる日本経済の回復基調が、個人の家計所得にまで行き渡っていないことが推察される。
  • -見通し-
    平成18年度第4四半期 (平成19年1~3月) 見通しの景況判断指数は、総受注戸数プラス37・金額プラス33と、前年比大幅なプラスを見込んでいる。(前10月度総受注戸数プラス33・金額プラス37)
    この見通しについてのコメントは、「好調な状況が継続する」、「事業環境としては悪くない状況と思われるので、建替え需要が顕在化する事を期待」、「前年比5%以上の受注獲得を目指したい」、「今年の数字はあまり高くないので上回りたい」と、各社とも、受注増に向けての積極的な意欲・期待を見せている。来年度を占う意味でも、今回の状況が一時的な停滞なのかどうか、1~3月の受注動向が注目される。
  • (戸建注文住宅)
  • -実績-
    平成18年度第3四半期実績の景況判断指数は、受注戸数マイナス38ポイント、受注金額マイナス28ポイントと、受注戸数が5四半期ぶり、受注金額も6四半期ぶりにマイナスに転落し、大きく落ち込んだ。(前10月度受注戸数プラス6・金額プラス22)
    コメントでは、「前年同期比は受注戸数・金額共に増加」、「キャンペーンの実施等により、堅調に推移した」、「モデルハウス稼働により対前年比上昇」、「10~11月の不振を12月でカバー、新商品の販売が好調に推移」との声もあるが、「好調な状況が一段落」、「金利先高一服感により、お客様じっくり検討」、「建替え層中心に注力しているが厳しい状況」、「戸建分譲に押されて秋商戦盛り上がらず。長期金利低下で、金利先高感希薄。税制面でも目玉となる材料無し。」などのマイナス基調の企業が多く、受注環境が厳しくなっているとの判断である。また、「高額化が進んでいる」のコメントがある様に、昨年1月度からの受注単価の上昇傾向が継続している。
  • -見通し-
    平成18年度第4四半期の見通しは、受注戸数プラス25・金額プラス22と、受注戸数・金額とも、プラス回復を目指す。(前10月度受注戸数・金額ともにプラス41)
    戸建注文住宅の見通しでは、各企業とも、「営業体制の強化により、前年比増を見込む」、「引き続き営業力・提案力を強化し建替え層の掘り起こしを図る」、「主力商品を新商品に移行、1月以降キャンペーンにより集客力の強化を図る」、「新商品投入の効果等により、前年を上回る受注を確保したい」、「昨秋及び新春のキャンペーンからの見込み客のクロージングに注力」、「モデルハウス稼働により上昇」、「正月集客20%増で、春以降に光明あり」と、新商品、キャンペーン等、受注の増大に向けた積極的な販売戦略や意欲・期待が感じられる。
  • (戸建分譲住宅)
  • -実績-
    平成18年度第3四半期実績の景況判断指数は、受注戸数マイナス3・受注金額プラス7であった。受注戸数は、直前の2期から大きく落ち込み、マイナスに転落したが、受注金額は第1四半期から引き続きプラスを堅持した。(前10月度受注戸数プラス20、受注金額プラス23)
    コメントでは、「全国キャンペーンの影響により、大幅増となった」、「若干だが前年より良い」との声もあるが、「前年同期比は、受注戸数はほぼ横ばい・金額は増加」、「好調な状況がやや一段落」、「戸数の絶対数が少ないが、前年同月比大幅減」、「手持ち物件の処分売りが中心」と、全体的にはやや一服感が表れているとの判断である。
  • -見通し-
    平成18年度第4四半期の見通しは、受注戸数プラス23・金額プラス20と、プラス回復を見込んでいる。(前10月度受注戸数・金額ともにプラス17)
    コメントでは、「販売体制の強化により引き続き前年比増を見込む」、「2月に分譲住宅キャンペーンを行い、販売強化を図る」、「手持ち物件の販売に注力する」など、受注増大に向けて、引き続き旺盛な意欲・期待を見せている。
  • (低層賃貸住宅)
  • -実績-
    平成18年度第3四半期実績の景況判断指数は、受注戸数マイナス4・受注金額プラス・マイナス0となった。受注戸数は前期のマイナス転落から足踏み状態、受注金額もプラス・マイナス0と、ともに平成17年度第1四半期を底に、大きく受注を伸ばし住宅の牽引役を担ってきたが、一服感が継続という結果となった。(前10月度受注戸数マイナス4、金額プラス・マイナス0)
    この実績に対するコメントは、「好調な状況がやや一段落」、「関東・中部近畿地区が好調」、「若干だが前年より良い」、「前年水準が比較的高かったが、同程度のレベルを維持」など、ほぼ現状持続の企業が多く、全体の判断指数はマイナスとなっており、前期の足踏み感からの脱却が図られなかった。
  • -見通し-
    平成18年度第4四半期の見通しの景況判断指数は受注戸数・金額ともにプラス12と、過去の見通しと比べやや弱気ではあるが回復基調でのプラスを見込む。(前10月度受注戸数・金額ともにプラス21)
    コメントでは、「営業体制の強化により、前年比増を見込む」、「順調に推移すると予想される」、「競争激化しているので、戸建注文と同じく提案力が重要」、「地域によっての格差が生じてくる」と、営業力のアップやエリア戦略の構築等を図り、全体的にプラス基調に回復するという見通しである。
  • 新設住宅着工戸数の予測アンケート結果
  • 平成19年度新設住宅着工戸数の見通しは総戸数126.7万戸で、持家35.8万戸、分譲住宅37.2万戸、賃貸住宅52.8万戸である
    平成18年度の新設住宅着工戸数については、回答16社の予測平均値が、127.7万戸となった。前10月度調査時予測の、126.9万戸と比べ、0.8万戸の増加である。
    利用関係別では、持家が35.8万戸 (前10月度35.9万戸)、分譲住宅37.5万戸 (同37.1万戸)、賃貸住宅53.5万戸 (同52.3万戸) としている。
  • 住宅市場について
  • 向こう6ケ月間の住宅メーカーの経営指標となる下記の項目について、各社の経営者にアンケートを行った。その結果は次の通りである。
  増やす 変わらず 減らす
所得の伸び 4 ( 9) 11( 8) 1 ( 0)
家賃の動向 5 ( 4) 11(12) 0 ( 0)

金利の動向

(市中金利)

10(16) 6 (1) 0 ( 0)
資材価格の動き 10(16) 5 (1) 0 ( 0)
建築の手間賃 4 ( 4) 12(13) 0 ( 0)
  上がる 安定化 下がる

地価の動向

(住宅地)

6 ( 6) 8 (11) 2 ( 0)
  増える 変わらず 減る
展示場来場者数 4 ( 4) 9 (11) 3 ( 2)
  過剰 充足 不足

技能職人数

(大工)

0 ( 0) 12(14) 4 ( 3)

( )内は、平成18年7月度調査時の数値。

  • 指標の動向について
  • 1)「所得の伸び」では、「上がる」が4社に減り、11社が「変わらず」との判断で、頭打ちの傾向が表れた。
  • 2)「家賃の動向」は、回答16社のうち11社が「変わらず」5社が「上がる」と回答、家賃は前回からの上昇傾向が続いている。
  • 3)「金利の動向」では、回答16社のうち10社が「上がる」だが、「変わらず」が6社と増えた。金融政策での、政府と日銀の思惑の違いが影響している模様だ。
  • 4)「資材価格の動き」では、回答16社中11社が「上がる」と予測している。
  • 5)「建築の手間賃」は、「変わらず」が12社と大勢を占めるが、「上がる」との判断も4社あり、若干上昇傾向にある。
  • 6)「地価の動向」では、「上がる」の回答が6社と前回調査と同じで、「安定化」は8社と減り、上昇傾向が継続している。
  • 7)「展示場来場者数」は、「増える」が4社、「変わらず」が9社としており、全国的には、第一四半期に引き続き、やや足踏み状態。
  • 8)「技能者人数 (大工)」では、多くの企業は「充足」(12社) であり、「不足」の回答は4社と前回から微増した。
  •  
  • ※景況判断指数: 「良い」との回答割合から「悪い」との回答割合を差し引いた数値
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