平成25年4月度 『景況判断指数からみた傾向』
- 平成25年4月度 『景況判断指数からみた傾向』
- 総計
- -実績-
平成24年度第4四半期(平成25年1~3月)実績の景況判断指数は前年同期比で、総受注戸数プラス67ポイント・総受注金額プラス78ポイントと、受注戸数は8期連続、受注金額は13期連続してプラスという結果であった(前1月度総受注戸数・総受注金額ともにプラス64)。全部門で前年比大幅増で、プラス幅がさらに拡大している。
この実績に対するコメントでは、「情報収集でユーザーの動き活発になるが、まだ様子見」、「政権交代を機に景気先行き不安が後退し、顧客マインドが改善している。展示場来場者も増え、スムーズに決断に至るケースが増えているが消費増税前の駆け込みの本格化はまだ見えない」という声もあるが、「税制大綱公表後、消費税増税・住宅ローン控除等による来場・受注に影響が顕在化しつつある」、「新商品発売や販促キャンペーンのほか、金利先高感により受注が堅調に推移」、「通年では過去最高を達成し好調」、「市場は全体的に上向き始めている。受注単価も高水準を維持。消費税増税による駆け込み需要や、住宅ローンの金利の低さ及び金利の先高観が後押し要因になっている」、「アベノミクス景気による活性化」、「良化傾向」など、全体的には市場のプラス基調が継続しているとのコメントが多く見られた。 - -見通し-
平成25年度第1四半期(平成25年4~6月)見通しの景況判断指数は、総受注戸数プラス81ポイント・総受注金額プラス78ポイントと、受注戸数・金額ともに引き続き大幅なプラスの見通しとなった(前1月度総受注戸数プラス67・総受注金額プラス64)。
この見通しについてのコメントは、「金利、物価の先高観から購入決断を急ぐ顧客も一定数あるだろうが、まだ駆け込みの動きは大きく起こらないと想定している」、「消費税の駆け込みも好調要因の一つと思われるが、引き続き続くかは見通しがつけにくい」との声もあるが、「消費税増税の指定日に向け、駆け込み需要が活性化」、「新商品発売や販促キャンペーン展開のほか、増税前の需要増により受注が堅調に推移すると予測」、「戸数・単価共に上昇傾向となる。特に戸数は消費税増税による駆け込み需要の本格化・木材利用ポイント制度の開始・日銀の金融緩和策による住宅ローン低金利水準が後押しとなり、さらに増加すると見込まれる」、「好景気による活 性化継続」、「良化傾向」、「全体的に上昇基調を見込む」と、消費増税の駆け込み需要も含め、増加傾向が継続するとの声が多く聞かれ、各部門ともほとんどの企業が5%以上良くなりそうと回答しており、全体としてもプラス基調が継続・拡大するとの見通しを立てている。 - (戸建注文住宅)
- -実績-
平成24年度第4四半期(平成25年1~3月)実績の景況判断指数は、受注戸数プラス53ポイント・受注金額プラス69ポイントと、受注戸数は14期連続してプラスが継続している(前1月度受注戸数・受注金額ともにプラス66)。
コメントでは、「消費者は動き出しているが決め切れず」、「前年比棟数マイナス・金額プラス、前期比は棟数・金額ともに増加」との若干弱気な声もあるが、「展示場・イベント来場好調。各月とも概ね前年比10%アップ」、「新商品発売や販促キャンペーン等で堅調に推移」、「対前年増を達成し好調」、「環境機器搭載率の上昇により受注金額が増加」、「1月以降顧客動向活性化、円安・株価上昇影響」、「特建物件等が寄与し堅調に推移」、「年度前半からの好調基調をキープ」など、全体的にはプラス基調が継続しているとの声が多く、指数としても戸数・金額ともに大幅なプラスになった。 - -見通し-
平成25年度第1四半期(平成25年4~6月)見通しの景況判断指数は、受注戸数プラス81ポイント・受注金額プラス78ポイントと、戸数・金額ともにさらにプラスが継続・拡大するとの見通しとなった(前1月度受注戸数プラス69・受注金額プラス66)。
コメントでは、「やや上向き」、「好調は続くと思われるが、前年レベルが非常に高いため、対前年を大きく超えられるかどうか分からない」との慎重な声もあるが、「消費税UPの駆け込み需要が活発化」、「新商品発売や販促キャンペーン等で堅調に推移する見通し」、「株高、円安の傾向が続いており、景気は上向き傾向にあることから棟数・金額共に伸びると考える」、「消費税増税前の駆け込みの影響及び住宅ローンの低金利水準により受注戸数が増加。受注金額は昨年同様、環境機器搭載物件が多くなり高水準を維持する」、「消費税増税駆け込み需要よりは好景気影響が大」、「各種施策、一部駆け込み重要等により好調」、「3月までのずれ込みと新規の増税前の駆け込み需要の取り込みで前年比プラス」、「情報収集を行うユーザーとのマッチングイベント実施」といった新商品、イベントの開催等、受注の増大に向けた動きを活発化しており、景気上昇傾向、消費税増税前の影響などでほとんどの企業が5%以上良くなりそうと回答しており、当面プラス基調が継続・拡大するとの見通しを立てている。 - (戸建分譲住宅)
- -実績-
平成24年度第4四半期(平成25年1~3月)実績の景況判断指数は、受注戸数プラス42・受注金額プラス38ポイントと、受注戸数・金額ともに4期継続してプラスとなった(前1月度受注戸数プラス18・受注金額プラス32)。
コメントでは、「積極的な土地仕入れ、建売分譲建築により受注増」、「前年比、前期比で棟数・金額ともに増加」という声と「スケジュールに一部遅延」、「建売の在庫整理につき前年比減」などの声があり、実績的には二極化しているが、前年比10%以上良い企業が回答社の半分以上あり、指数もプラスが継続・拡大という結果になった。 - -見通し-
平成25年度第1四半期(平成25年4~6月)見通しの景況判断指数は、受注戸数プラス58ポイント・受注金額プラス54ポイントと、大幅なプラスが継続する見通しである(前1月度受注戸数・受注金額ともにプラス55)。
コメントでは、「新規仕入れ案件の回転が始まる」、「積極的な土地仕入れ、建売分譲建築による受注増が継続」、「スケジュール遅延の改善により堅調」、など、来年4月に実施される予定の消費税率の引き上げを睨んで、積極的に土地の仕入れを図るコメントの企業が多く見られ、全体としても、プラスが継続・拡大するとの見通しである。 - (低層賃貸住宅)
- -実績-
平成24年度第4四半期(平成25年1~3月)実績の景況判断指数は、受注戸数プラス79ポイント・受注金額プラス83ポイントと、戸数・金額ともに10期連続し、大幅なプラスという結果となった(前1月度受注戸数・受注金額ともにプラス75)。
コメントでは、「イベント来場好調。各月とも概ね前年比25%アップ」、「首都圏での受注が牽引し好調」、「防犯配慮仕様が好調。現場見学会が受注の後押しに」、「首都圏を中心に増加の傾向」、「新商品投入等の効果が寄与し好調」、「アパートから高齢者向き賃貸住宅、介護施設のニーズ高い」、「土地所有者の資産承継を動機とした土地活用ニーズは底堅い」など、プラス基調を感じさせる声がほとんどで、受注戸数・金額ともに10%以上良い企業が回答社の67%以上という実績で、戸数・金額ともにプラスが継続・拡大する結果となった。 - -見通し-
平成25年度第1四半期(平成25年4~6月)見通しの景況判断指数は、受注戸数・受注金額ともにプラス71ポイントと、戸数・金額ともに大幅なプラスが継続するとの見通しとなった(前1月度受注戸数・受注金額ともにプラス71)。
コメントでは、「消費税・相続税UP対策の建築が堅調に推移」、「首都圏での受注が牽引し好調の見通し」、「6月に経営セミナーを開催予定」、「首都圏を中心に増加傾向」、「販売体制の整備、徹底により好調」、「サービス付き高齢者賃貸住宅の需要ますます高まる」といった、前向きなコメントが多く聞かれ、受注拡大にむけた意欲・期待感が強く表われており、大幅増の見通しである。 - (リフォーム)
- -実績-
平成24年度第4四半期(平成25年1~3月)実績の景況判断指数は受注金額がプラス93ポイントと前期比大幅増が継続・拡大している(前1月度受注金額プラス64)。
コメントでは、「太陽光のリフォームが好調」、「太陽光発電など創エネリフォームが堅調」、「集合住宅の太陽光発電装置の設置が補助事業の影響で拡大、戸建住宅の外装・内装リフォームも堅調」、「対前年同月比を27カ月連続更新中」、「リフォーム市場の拡大により金額も上昇」、「耐震・太陽光が好調」、「シナジー効果で好調」、「太陽光、耐震関連の受注堅調」と、好調なコメントが多く見られ、特に太陽光発電関連が好調だという状況である。 - -見通し-
平成25年度第1四半期(平成25年4~6月)見通しの景況判断指数は受注金額がプラス93ポイントと、更に大幅増が継続するという見通しである(前1月度受注金額プラス64)。
コメントでは、「全体的に上向き」、「固定買い取り価格減だが、影響少なく太陽光リフォームが堅調」、「太陽光発電など創エネリフォームが堅調」、「消費税率アップの前のリフォーム工事の駆け込み需要はまだ分からないが、潜在需要の顕在化やアベノミクスによる好況感が需要を創造すると考える」、「改装系工事を中心に増加見込み」、「引き続き上昇」、「消費税増税駆け込み需要は、短工期のため次期期待。新規参入等競争激化」、「グループのシナジー効果の更なる発揮」「太陽光、耐震診断の受注安定推移」など、太陽光発電関連の支援制度の効果やリフォーム工事の大型化を期待する声も聞かれ、大幅なプラスが継続する見通しである。 - 新設住宅着工戸数の予測アンケート結果
- 平成25年度の新設住宅着工戸数の予測については、回答した17社の予測平均値が、総戸数92.1万戸(前1月度91.4万戸)という予測結果となった。
利用関係別では、持家が34.1万戸(前1月度34.3万戸)、分譲住宅25.7万戸(同25.7万戸)、賃貸住宅32.1万戸(同31.3万戸)となっている。
- 平成25年度の新設住宅着工総戸数の予測アンケート結果
―回答数―16社―
【単位:万戸】
【単位:万戸】
総戸数 | 持 家 | 分譲住宅 | 賃貸住宅 | |
平成23年度実績 | 84 | 32 | 23 | 29 |
平成24年度実績 (H24.4~H25.2) |
82.2 | 29.2 | 22.9 | 29.5 |
平成25年度予測 | ||||
A社 | 102 | 36 | 27 | 38 |
B社 | 93 | 36 | 27 | 29 |
C社 | 94 | 34 | 26 | 34 |
D社 | 90.3 | 33 | 24.5 | 32 |
E社 | 94.7 | 34.8 | 25 | 33.8 |
F社 | 93 | 35 | 25 | 32 |
G社 | 90 | 32 | 25 | 32 |
H社 | 95 | 34 | 26.4 | 34 |
I社 | 92 | 35 | 26 | 31 |
J社 | 91.4 | 34.3 | 25.7 | 31.3 |
K社 | 回答なし | 回答なし | 回答なし | 回答なし |
L社 | 85.3 | 35 | 30 | 20 |
M社 | 96 | 34 | 27 | 34 |
N社 | 90 | 34 | 25 | 30 |
O社 | 94 | 35 | 26.5 | 32 |
P社 | 89.6 | 31.8 | 25 | 32.1 |
Q社 | 87.5 | 31 | 24 | 32 |
R社 | 91 | 33 | 25 | 32 |
平 均 | 92.1 | 34.1 | 25.7 | 32.1 |
- 住宅メーカーの経営指標について
- 向こう6カ月間の住宅メーカーの経営指標となる下記の項目について、各社の経営者にアンケートを行なった。その結果は次の通りである。
- 詳細グラフはこちら
増やす | 変わらず | 減らす | |
拠点展開 (展示場含む) |
9 (7) | 9 (10) | 0 (0) |
生産設備 (工場を含む) |
3 (2) | 15 (15) | 0 (0) |
新商品開発 | 7 (8) | 11 (9) | 0 (0) |
販売用土地 (分譲住宅用地含む) |
10 (11) | 7 (4) | 1 (0) |
新規採用人数 (18年度下半期採用数) |
10 (10) | 8 (7) | 0 (0) |
広告宣伝費 | 5 (4) | 13 (13) | 0 (0) |
( )内は、平成24年10月度調査時の数値である。
- 指標の動向について
- 1)「拠点展開」は、「増やす」が9社に増え、「変わらず」が9社と前回よりやや減少したが、拠点展開は積極性が表れている。
- 2)「生産設備」は、「増やす」が3社と微増だが、前回と同じく15社が「変わらず」と回答しており、設備投資については、現状維持の姿勢。
- 3)「新商品開発」は、「増やす」が7社と微減、「変わらず」が11社と微増だが、新商品開発の意欲は前向きの傾向である。
- 4)「販売用土地」は、下期に向けて「増やす」が10社と微減だが、消費増税対策も睨んで、分譲住宅供給に向けた土地取得意欲は継続している。
- 5)「新規採用人員」は、18社のうち「増やす」10社、「変わらず」が8社と人員体制は、増加傾向が継続している。
- 6)「広告宣伝費」については、「増やす」が5社と微増、「変わらず」は前回と同じく13社、販売支援体制はやや前向き傾向が表れている。