平成25年7月度 『景況判断指数からみた傾向』
- 平成25年7月度 『景況判断指数からみた傾向』
- 総計
- -実績-
平成25年度第1四半期(平成25年4~6月)実績の景況判断指数は前年同期比で、総受注戸数プラス87ポイント・総受注金額プラス93ポイントと、受注戸数は9期連続、受注金額は14期連続してプラスという結果であった(前4月度総受注戸数プラス67・総受注金額プラス78)。全部門が前年比大幅増で、プラス幅がさらに拡大している。
この実績に対するコメントでは、「消費増税前の駆け込みは、検討の契機とはなっていると見られるが、まだはっきりとした動きとは認識できていない」としながらも、「市場の好転により、融資金利等の上昇気配が後押しとなった。消費税の増税影響も建築動機の要因となっている」、「新商品発売や販促キャンペーン、金利の先高観により受注が堅調に推移。戸建の受注単価も上昇傾向」、「景況感の改善や金利・物価の先高観を背景に、来展を中心に集客が増えるなど住宅を検討する顧客は多い」、「第1四半期過去最高を達成し好調」、「市場は全体的に上向き始めている。単価も高水準を維持。金利先高観、株価上昇に見られる景気浮揚に対する期待感が住宅受注の後押し要因となっている。また、消費税増税による駆け込み需要も顕在化している」、「好景気により全体活性化」、「良化傾向」、「ユーザーの動き活発になり受注促進」など、プラス基調が鮮明なコメントが多く見られた。
- -見通し-
平成25年度第2四半期(平成25年7~9月)見通しの景況判断指数は、総受注戸数プラス97ポイント・総受注金額プラス93ポイントと、受注戸数・金額ともに引き続き大幅なプラスの見通しとなった(前4月度総受注戸数プラス81・総受注金額プラス78)。
この見通しについてのコメントは、「消費税アップの指定日(9月末)に向け、市場全体が大きく動く気配」、「新商品発売、販促キャンペーンや金利先高観に加え、増税前の需要増により受注が堅調に推移すると予測」、「上期については、このまま好況が続く可能性が高い」、「9月までは全体的に好調が続くと見ている」、「消費税増税前の駆け込み需要により大幅に受注が伸びる。単価も前期に引き続き環境機器搭載率の増加により上昇する」、「戸建注文住宅の消費税増税駆け込み需要の影響が大」、「良化傾向」、「全体的に上昇基調を見込む」と、消費増税の駆け込み需要も含め、増加傾向が継続するとの声が多く聞かれ、各部門ともほとんどの企業が10%以上良くなりそうと回答しており、全体としてもプラス基調が継続・拡大するとの見通しを立てている。
- (戸建注文住宅)
- -実績-
平成25年度第1四半期(平成25年4~6月)実績の景況判断指数は、受注戸数プラス78ポイント・受注金額プラス84ポイントと、受注戸数・金額ともに大幅なプラスが継続している(前4月度受注戸数プラス53・受注金額プラス69)。
コメントでは、「5月までプラス10%程度できていたが、6月のずれ込みにより前年並みで終了」、「来場活性化しているが、契約に戸惑い感」との若干弱気な声もあるが、「ゼロエネルギー住宅が好調で前年比10%強の増加を維持」、「新商品発売や販促キャンペーン等で堅調に推移」、「レベルの高かった対前年を超え好調」、「消費税増税前の駆け込みの影響により受注戸数が増加。環境機器搭載率の上昇により受注金額が増加」、「展示場・イベントの集客アップ。好調をキープ」、「好調(新商品投入等の効果が寄与)」など、全体的にプラス基調が継続しているとの声が多く、指数としても戸数・金額ともに大幅なプラスになった。
- -見通し-
平成25年度第2四半期(平成25年7~9月)見通しの景況判断指数は、受注戸数プラス97ポイント・受注金額プラス91ポイントと、戸数・金額ともにさらにプラスが継続・拡大するとの見通しとなった(前4月度受注戸数プラス81・受注金額プラス78)。
コメントでは、「消費税増税前の駆け込み需要が本格的になり受注戸数は大幅増加。受注金額は昨年同様、環境機器搭載物件が多くなり、高水準を維持する」、「消費税増税前の駆け込みや、金利の上昇傾向もあり、棟数・金額ともに伸びると思われる」、「消費税アップの駆け込みにより、大幅増の予定」、「新商品発売や販促キャンペーン等で堅調なトレンドが継続する見通し」、「6月からのずれ込みの確保と増税前の駆け込み需要の取り込みでプラス10%程度を見込む。また、顧客の顕在化が各エリアで見られる」、「9月までは好調要が続くと予想」、「参院選、消費税増税確定により急速展開」、「各種施策、駆け込み重要等により好調」、「駆け込み需要による押し上げ期待」、「棟数・金額ともにプラス」といった新商品、イベントの開催等、受注の増大に向けた動きを活発化しており、金利上昇傾向、消費税増税前の駆け込み需要など、ほとんどの企業が10%以上良くなりそうと回答しており、当面プラス基調が継続・拡大するとの見通しを立てている。
- (戸建分譲住宅)
- -実績-
平成25年度第1四半期(平成25年4~6月)実績の景況判断指数は、受注戸数プラス58ポイント・受注金額プラス67ポイントと、受注戸数・金額ともに5期継続してプラスとなった(前4月度受注戸数プラス42・受注金額プラス38)。
コメントでは、「積極的な土地仕入れ、建売分譲建築により受注増」、「棟数・金額ともにプラス」、「堅調」という声と、「建売の在庫整理につき前年比減」などバラツキもあるが、実績的には前年比10%以上良い企業が回答社の67%以上あり、指数としてもプラスが継続・拡大という結果になった。
- -見通し-
平成25年度第2四半期(平成25年7~9月)見通しの景況判断指数は、受注戸数・受注金額ともにプラス63ポイントと、大幅なプラスが継続する見通しである(前4月度受注戸数プラス58・受注金額プラス54)。
コメントでは、「新規案件の売り出し前のため、7~9月は在庫整理で現状維持」という声もあるが、「消費税増税前の駆け込みや、金利の上昇傾向もあり、棟数・金額ともに伸びると思われる」、「積極的な土地仕入れ、建売分譲建築による受注増のトレンドが継続する見通し」、「堅調から好調へ」など、積極的に土地の仕入れを図り、金利上昇傾向、消費税増税前の駆け込み需要などを睨んで、全体としても、プラスが継続・拡大するとの見通しである。
- (低層賃貸住宅)
- -実績-
平成25年度第1四半期(平成25年4~6月)実績の景況判断指数は、受注戸数・受注金額ともにプラス71ポイントと、戸数・金額ともに11期連続してプラスという結果となった(前4月度受注戸数プラス79・受注金額プラス83)。
コメントでは、「アパート減少、高齢者介護施設へシフト。結論に時間か」という声もあるが、「資産家の投資意欲の高まり、及び金利上昇気配が起因し大幅増」、「特に、首都圏での受注が牽引し好調」、「防犯配慮型仕様が引き続き好調」、「首都圏を中心に増加の傾向」、「土地所有者の資産承継を動機とした土地活用ニーズは底堅い」、「堅調」、など、プラス基調を感じさせる声がほとんどで、受注戸数・金額ともに10%以上良い企業が回答社の75%以上という実績で、戸数・金額ともに大幅なプラスが継続する結果となった。
- -見通し-
平成25年度第2四半期(平成25年7~9月)見通しの景況判断指数は、受注戸数・受注金額ともにプラス71ポイントと、戸数・金額ともに大幅なプラスが継続するとの見通しとなった(前4月度受注戸数・受注金額ともにプラス71)。
コメントでは、「消費税アップと各種イベントの開催により、大幅増の予定」、「消費税増税前の駆け込み需要が始まりつつあり、前年比で金額・戸数ともに増加が見込まれる」、「首都圏での受注が牽引し好調なトレンドが継続する見通し」、「首都圏を中心に増加傾向」、「堅調から好調へ」、「高齢者介護施設の受注促進を図る」といった、前向きなコメントが多く聞かれ、消費税増税前の駆け込み需要もあり、受注拡大にむけた意欲・期待感が強く表われており、大幅増の見通しである。
- (リフォーム)
- -実績-
平成25年度第1四半期(平成25年4~6月)実績の景況判断指数は受注金額がプラス73ポイントと前期比大幅増が継続・拡大している(前4月度受注金額プラス93)。
コメントでは、「太陽光に加え、建物リフォームも順調」、「太陽光発電など創エネリフォームが堅調」、「リフォーム需要は堅調で、60歳代の世帯主の家屋に顕著であった。省エネ・高効率設備機器の取り付け・取替も伸びている」、「対前年同月比アップを更新中」、「市場の拡大により金額も上昇」、「株価上昇影響と耐震アピール効果」、「シナジー効果で好調」、「太陽光の受注堅調」と、好調なコメントが多く見られ、特に太陽光発電関連の好調さが継続している。
- -見通し-
平成25年度第2四半期(平成25年7~9月)見通しの景況判断指数は受注金額がプラス80ポイントと、更に大幅増が継続するという見通しである(前4月度受注金額プラス93)。
コメントでは、「消費税アップの駆け込みにより、大幅増の予定」、「太陽光発電など創エネリフォームが堅調のトレンドが継続する見通し」、「太陽光の受注安定推移を見込む」、「消費税増税を見据えた大規模リフォームの商談が増加すると予測される。8月以降に打ち出される平成25年度の補助金等諸制度に伴い続伸が見込まれる」、「消費税増税の影響が出始める」、「好調が続くと思われる」、「引き続き上昇」、「グループのシナジー効果の更なる発揮」と、消費税増税前の駆け込み需要もあり、太陽光発電関連やリフォーム工事の大型化など、大幅なプラスが継続する見通しである。
- 新設住宅着工戸数の予測アンケート結果
- 平成25年度の新設住宅着工戸数の予測については、回答した17社の予測平均値が、総戸数93.3万戸(前4月度92.1万戸)で前回より微増の予測結果となった。
利用関係別では、持家が34.3万戸(前4月度34.1万戸)、分譲住宅26.1万戸(同25.7万戸)、賃貸住宅32.5万戸(同32.1万戸)となっている。
- 平成25年度の新設住宅着工総戸数の予測アンケート結果
―回答数―17社―
【単位:万戸】
|
総戸数 |
持 家 |
分譲住宅 |
賃貸住宅 |
平成23年度実績 |
84 |
32 |
23 |
29 |
平成24年度実績 |
88 |
32 |
25 |
30 |
平成25年度予測 |
A社 |
102 |
36 |
27 |
38 |
B社 |
94 |
34 |
26 |
33 |
C社 |
94.1 |
33.9 |
25.6 |
34.1 |
D社 |
96.3 |
35 |
27.5 |
33 |
E社 |
94.7 |
34.8 |
25 |
33.8 |
F社 |
93 |
34.5 |
26 |
32 |
G社 |
90 |
32 |
25 |
32 |
H社 |
95 |
34 |
26.4 |
34 |
I社 |
91 |
35 |
26 |
30 |
J社 |
93 |
33 |
26.3 |
33.4 |
K社 |
94.4 |
36.1 |
27.6 |
31.5 |
L社 |
90 |
35 |
30 |
24.5 |
M社 |
96 |
34 |
27 |
34 |
N社 |
92 |
35.5 |
25.5 |
30 |
O社 |
記載なし |
記載なし |
記載なし |
記載なし |
P社 |
88.1 |
30.8 |
26.2 |
30.5 |
Q社 |
93 |
33.5 |
25 |
34 |
R社 |
93 |
35 |
25 |
32 |
平 均 |
93.3 |
34.3 |
26.1 |
32.5 |
- 向こう6ヶ月の住宅市場に関する指標について、各社の経営者にアンケートを行なった。
その結果は次のとおりである。
- 詳細グラフはこちら
|
上がる |
変わらず |
下がる |
所得の伸び |
4 ( 1 ) |
13 ( 16 ) |
0 ( 0 ) |
家賃の動向 |
3 ( 0 ) |
14 ( 17 ) |
0 ( 0 ) |
金利の動向(市中金利) |
12 ( 10 ) |
5 ( 6 ) |
0 ( 1 ) |
資材価格の動き |
14 ( 7 ) |
3 ( 11 ) |
0 ( 0 ) |
建築の手間賃 |
14 ( 9 ) |
3 ( 9 ) |
0 ( 0 ) |
|
上がる |
安定化 |
下がる |
地価の動向(住宅地) |
7 ( 4 ) |
10 ( 14 ) |
0 ( 0 ) |
|
増える |
変わらず |
減る |
展示場来場者数 |
14 ( 14 ) |
2 ( 3 ) |
0 ( 0 ) |
|
過剰 |
充足 |
不足 |
技能職人数(大工) |
0 ( 0 ) |
3 ( 7 ) |
14 ( 11 ) |
( )内は、平成25年1月度調査時の数値である。
- 指標の動向について
- 1) 「所得の伸び」では、4社が「上がる」と回答し、若干上昇の傾向が表れている。
- 2) 「家賃の動向」では、3社が「上がる」と回答し、若干上昇の傾向が表れている。
- 3) 金利の動向」では、「上がる」が12社と増加し、「変わらず」が5社あるが、金利先高観の傾向が表れている。
- 4) 「資材価格の動き」では、「上がる」が14社と大きく増え、「変わらず」は3社と減少、資材価格は上昇基調が見られる。
- 5) 「建築の手間賃」は、「上がる」が14社と大幅に増加し、「変わらず」は3社と減少した。手間賃は上昇傾向が明確に表れている。
- 6) 「地価の動向」では、「上がる」7社と増加し、「安定化」は10社と減少した。地価は上昇傾向が見られる。
- 7) 「展示場来場者数」は、14社が「増える」と回答しており、全国的には、増加傾向が継続している。
- 8) 「技能者人数(大工)」では、「不足」が14社と大幅に増加し、「充足」は3社と減っており、職人数不足の傾向が顕著になってきた。