調査結果の公表

  • 平成30年4月度 『景況判断指数からみた傾向』
  • 総計
  • -実績-
    平成29年度第4四半期(平成30年1~3月)実績の景況判断指数は、対前年同期比で、前1月度予測(総受注戸数 +19ポイント、総受注金額 +23ポイント)に対し、
    総受注戸数は ±0ポイント、総受注金額は +27ポイント となり、金額に関しては、2四半期連続でプラスとなった。(平成29年度第2四半期まで、戸数は6四半期連続、金額は3四半期連続のマイナスであった。)
    (前10~12月度実績 総受注戸数 +4、総受注金額 +8)

    コメントでは、
    「新築・リフォームともに伸長しプラスとなった。」
    「受注件数が上昇傾向にあった。」
    「大型物件の受注で金額がアップした。」
    「17年度下期から回復してきた。」
    「前年マイナスだが、1棟(戸)単価の向上により、金額の落込みは5%程度に留まる。」
    「厳しい状況は変わっていない。顧客が住宅購入及びリフォームに踏み切る決め手に欠け、商談の長期化が続いた。」
    「賃貸住宅以外は受注回復度が弱い。」
    など。
    戸数においては、10%良い~10%悪いまでの回答が混在した。金額は、単価の上昇により持ち直したとのコメントが6社ありプラスとなった。
  • -見通し-
    平成30年度第1四半期(平成30年4~6月)見通しの景況判断指数は、
    総受注戸数は +25ポイント、総受注金額 +15ポイント となっている。

    コメントでは、
    「個人消費の持ち直しの動きがみられ、戸建住宅は緩やかな回復基調。」
    「低調だった昨年との比較でプラスを予想。」
    「17年度下期からの回復傾向が継続と推測する。」
    「積極的な販売促進策によってニーズの掘り起こしを続けていく。」
    「増税による受注喚起は限定的と想定。」
    「社会情勢や市況に特段の変化がないため、一定水準の受注で推移すると見込む。」
    など。
     低調であった昨年との比較でプラスとなってはいるが、「±0%変わらず」の回答が最多
    (戸数で8社、金額で7社)を占めている。
  • (戸建注文住宅)
  • -実績-
    平成29年度第4四半期(平成30年1~3月)実績の景況判断指数は、対前年同期比で前1月度予測(受注戸数 +25ポイント、受注金額 +32ポイント)に対し、
    受注戸数 +18ポイント、受注金額 +13ポイント となった。戸数に関しては3四半期連続で上昇し、2年ぶりにプラスに転じた。金額に関しては2四半期連続でプラスとなった。
    (前10~12月度実績 受注戸数 ±0、受注金額 +14)

    コメントでは、
    「棟当たりの受注金額がアップした。」
    「17年度下期から回復してきた。単価アップ。」
    「市場環境に変化は感じられない。棟数は前年比減だが、ZEH等の訴求が奏功し金額は上回った。」
    「高額商品が好調。」
    「キャンペーン等を背景に今年はプラスとなった。」
    「1、2月は前年並み、3月の追い込みで上積みできた。東日本エリアが回復基調。」
    「引き合い件数が減少してきた。」
    「3月実績が棟数・金額ともに対前年比大幅ダウン。」
    など。
     戸数、金額ともに、10%良い~10%悪いまで回答は混在したが、指数が底であった昨年との比較でプラスと回答する企業がマイナスを上回った。ここ1年程多かった「商談の長期化」コメントは無かった。
  • -見通し-
    平成30年度第1四半期(平成30年4~6月)見通しの景況判断指数は、
    受注戸数 +24ポイント、受注金額 +22ポイント となっている。

    コメントでは、
    「受注は回復見込み。4月からのZEH補助金が寄与。新技術要素による提案力で訴求。」
    「ZEH促進や新商品訴求を継続。消費税率引き上げ前の動きが徐々に出てくる可能性がある。」
    「低調だった昨年と比較しプラスを予想。」
    「17年度下期からの回復傾向が継続と推測する。」
    「社会情勢や市況に特段の変化がないため、一定水準の受注で推移すると見込む。」
    「第1四半期は消費税UPによるプラス要素は見込めない。」
    など。
     大手各社ではZEH仕様の新商品を投入しており、新年度の補助事業を活用し受注増を見込むコメントが増えた。低金利のコメントは無くなり、刺激策として意識されていない。
  • (戸建分譲住宅)
  • -実績-
    平成29年度第4四半期(平成30年1~3月)実績の景況判断指数は、対前年同期比で、前1月度予測(受注戸数 +6ポイント、受注金額 +6ポイント)に対し、
    受注戸数 +10ポイント、受注金額は +10ポイント となった。
    (前10~12月度実績 受注戸数 △33、受注金額 △25 )

    コメントでは、
    「17年度は順調に推移。」
    「3月の受注が落ち込み、戸数・金額ともに前年を下回った。」
    「売れ筋の分譲地が一巡したためマイナス。」
    など。
     各社の販売在庫の保有状況が影響するため、今回の回答もばらつきがあった。
  • -見通し-
    平成30年度第1四半期(平成30年4月~6月)見通しの景況判断指数は、
    受注戸数 +5ポイント、受注金額 ±0ポイント となっている。

    コメントでは、
    「順調に推移と推測する。」
    「全国一斉イベント(4月)による受注を見込む。一次取得者層からの需要増に期待。」
    「社会情勢や市況に特段の変化がないため、一定水準の受注で推移すると見込む。」
    など。
     他のセグメントと比較し、戸建分譲住宅の見通し指数は、ここ1年半程下降しており、安定供給のための仕入れに苦慮していることが伺える。
  • (低層賃貸住宅)
  • -実績-
    平成29年度第4四半期(平成30年1~3月)実績の景況判断指数は、対前年同期比で、前1月度予測(受注戸数 △4ポイント、受注金額 ±0ポイント)に対し
    受注戸数 △29ポイント、 受注金額 △8ポイント となり、どちらも6四半期連続で対前年同期比マイナスとなった。
    (前10~12月度実績 受注戸数 △33ポイント、受注金額は △18)。

    コメントでは、
    「棟数は減少したが、大型受注により金額ベースでは大幅増。」
    「付加価値型賃貸を中心にプラスとなった。」
    「賃貸住宅投資に対するネガティブ報道の影響から、金融機関の融資姿勢の変化もみられ、前年の高いハードルは超えられず。」
    「供給過剰の報道もあり、16年度比で減少した。」
    「メディアによるサブリース問題の報道などにより、賃貸経営に関して不安に思われる案件が続いた。」
    「3月実績が棟数・金額とも対前年大幅ダウン。」
    など。
     見通し指数との乖離は今回も大きく、相続税対策ブーム後は依然水面下にある。
  • -見通し-
    平成30年度第1四半期(平成30年4~6月)見通しの景況判断指数は、
    受注戸数 +17ポイント、受注金額 +13ポイント となっており、3四半期続いたマイナス見通しからプラスへ転じた。

    コメントでは、
    「相続税増税に伴うブーム的な動きは一服したが、資産家の土地活用ニーズや建替え需要は底堅く、順調に推移する見通し。」
    「ZEH補助金、賃貸省CO2補助金による受注に期待。都心部を中心に相続税対策などの底堅い需要は継続するものの前年のハードルは高い。」
    「低調だった昨年と比較しプラスを予想。」
    「都市部は好調さを維持できる見込み。」
    「相続税法改正により受注は一巡。」
    「社会情勢や市況に特段の変化がないため、一定水準の受注で推移すると見込む。」
    「供給過剰の報道もあり、市場環境は厳しいと認識している。」
    など。
     資産活用、建替え、都市部の相続税対策など底堅いニーズへの期待感が伺える。
  • (リフォーム)
  • -実績-
    平成29年度第4四半期(平成30年1~3月)実績の景況判断指数は、対前年同期比で、前1月度予測(受注金額 +27ポイント)に対し、
    受注金額 +23ポイント となり4四半期連続のプラスとなった。
    (前10~12月度実績 受注金額 +20)

    コメントでは、
    「大型リノベーションが寄与し、前年を上回る。」
    「大型案件を安定して受注できている。」
    「3月度の既存住宅再販事業の拡販が奏功しプラスとなった。」
    「2月まで低迷したが、3月は補助金絡みで対前年大幅UP。」
    「17年度は回復傾向。」
    「キッチンを中心とした改装系が伸長し、プラスとなった。」
    「営繕工事程度が多い。」
    「集客は比較的堅調だったが、日本海側を中心に悪天候が続いた影響もあり厳しかった。」
    など。
     大型受注のコメントが増え、見通し指数との乖離も少なく、ここ1年は着実な受注で推移している。
  • -見通し-
    平成30年度第1四半期(平成30年4月~6月)見通しの景況判断指数は、


    受注金額 +23ポイント となっている。

    コメントでは、
    「大型リノベーションが牽引。引き続き順調に推移。」
    「大幅な市場改善は見込みにくいが、健康関連リフォームにより受注促進を図る。」
    「長期優良リフォームの補助金制度を利用した提案で、前年同様の実績が見込まれる。」
    「回復傾向だが、第1四半期は前年並みと推測。」
    「昨年が改装系を中心に伸長した為、同等を予想。」
    「社会情勢や市況に特段の変化がないため、一定水準の受注で推移すると見込む。」
    「大規模リフォームが減少すると予測。」
    「補助金要素がないと受注金額UPは期待できない。」
    など。
     「悪くなる」との予測は無いが、「変わらず」の回答が2/3の10社を占めており、前年同等とみる企業が多い。
  •  
  • 新設住宅着工戸数の予測
  • 平成30年度の新設住宅着工戸数の予測については、回答した17社の予測平均値が、
    総戸数94.9万戸(前1月度94.6万戸)という予測である。

    利用関係別では、
    持家が 28.8万戸(前1月度28.3万戸)
    分譲住宅25.4万戸(    同24.9万戸)
    賃貸住宅40.1万戸(    同40.9万戸)
    給与住宅0.6万戸(    同0.5万戸)
    持家は0.5万戸、分譲は0.5万戸、給与住宅は0.1万戸 それぞれ増加予測となったが、賃貸のみ0.8万戸の減少予測となった。
  • 平成29年度の新設住宅着工総戸数の予測アンケート結果
―回答数―17社―
【単位:万戸】
  総戸数 持 家 分譲住宅 賃貸住宅 給与住宅
平成27年度実績 97.4 29.2 249 38.4 0.6
参考(平成29年暦年) 96.4 28.4 25.5 41.9 0.6
平成30年度予測
A社 92 28 25 38 1
B社 96 30 25.5 40 0.5
C社 94 30 26 37 0.6
D社 97.1 30 24.5 42 0.6
E社 95.8 28.5 24.9 41.9 0.5
F社 95 29 25 40.4 0.6
G社 94 28.5 25.5 39.5 0.5
H社 94 28 27 38.5 0.5
I社 94.5 28 26 40 0.5
J社 95.9 28.7 25.5 41.1 0.6
K社 90 25.4 24 40 0.6
L社 98.5 30 26 42 0.5
M社 96.3 30 25.5 40.2 0.6
N社 93.5 28.5 25.4 39 0.6
O社 96.5 29.9 25.5 40.5 0.6
P社 95.3 28.3 24.9 41.5 0.6
Q社 39 -
R社 -
平 均 94.9 28.8 25.4 40.1 0.6
  •  
  • 住宅メーカーの経営指標について
  • 向こう6ケ月間の住宅メーカーの経営指標となる下記の項目について、各社の経営者にアンケートを行った。その結果は次の通りである。
  増やす 変わらず 減らす
拠点展開
(展示場含む)
6 (1) 10 (14) 2 (1)
生産設備
(工場を含む)
0 (0) 17 (15) 0 (1)
新商品開発 7 (3) 11 (13) 0 (1)
販売用土地
(分譲住宅用地含む)
8 (5) 8 (9) 0 (0)
新規採用人員 10 (7) 5 (8) 3 (2)
広告宣伝費 3 (2) 13 (15) 2 (0)

( )内は、平成29年10月度調査時の数値。

  • 指標の動向について
  • 1) 「拠点展開」は、「増やす」の回答が1社→6社に増加した。
  • 2) 「生産設備」は、全社が「変わらず」と回答し、大きな変化はなかった。
  • 3) 「新商品開発」は、「増やす」の回答が3社→7社に増加した。
  • 4) 「販売用土地」は、「増やす」の回答が5社→8社に増加した。
  • 5) 「新規採用人員」は、「増やす」の回答が7社→10社に増加した。
  • 6) 「広告宣伝費」は、大半が「変わらず」と回答し、大きな変化はなかった。
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