住宅業況調査報告

『平成22年度 第1回 住宅業況調査報告』

B 「低層賃貸住宅」

1. 対前四半期比 総受注戸数・金額の動向指数

【1】実績
 平成22年1~3月の受注実績は、10~12月の実績に比べ、総受注戸数プラス2・総受注金額プラス1と、総受注戸数・金額ともに6期ぶりにプラス回復した(前1月度総受注戸数マイナス23・金額マイナス21)。
総受注戸数の地域別で見ると、東北(マイナス24)、中部(マイナス29)以外の地域は、北海道(プラス17)、関東(プラス13)、近畿(プラス13)、中国・四国(プラス10)、九州(プラス6)とプラス回復しており、全体としても、戸数・金額ともにプラスに回復するという結果になった。

【2】見通し
 平成22年7~9月の見通しは、総受注戸数プラス15・金額プラス14である(前4月度総受注戸数プラス3・金額プラス8)。
平成22年4~6月の見通しは、総受注戸数プラス3・金額プラス8である(前1月度総受注戸数マイナス3・金額マイナス8)。
地域別の総受注戸数は、関東(プラス5)、中部(プラス18)、近畿(プラス9)、中国・四国(プラス15)の4地域がプラス、北海道(マイナス50)、東北(マイナス16)、九州(マイナス6)の3地域がマイナスとの判断で、地域毎のバラつきがあるが、全体としては、プラスが継続するとの見通しである。

2. 一戸当り床面積(実績)の動向について

 平成22年1~3月の実績はプラス2で、3期続けてプラスとなった(前1月度プラス2)。
全国では、「変わらない」(前57%から66%に)の割合が増加し、「やや広くなっている・広くなっている」(前24%から21%に)と、「狭くなっている・やや狭くなっている」(前19%から13%に)が共に減少という状況だが、指数としてはプラスとなった。
地域別でも、「やや広くなっている・広くなっている」は、北海道(前0%から33%に)、東北(前0%から16%に)、近畿(前8%から18%に)、九州(前13%から25%に)の4地域が増加、関東(前30%から26%に)、中部(前42%から7%に)、中国・四国(前31%から20%に)が減少と、地域的なバラツキがみられる。

総受注金額指数と1戸当り受注床面積指数
3. 低層賃貸住宅経営者の供給意欲

 平成22年4月調査時点における、住宅会社側からみた経営者の供給意欲度である。
全国では、「かなり強い・強い」(前7%から14%に)が倍増し、「普通」(前23%から38%に)も増加、「やや弱い・弱い」(前70%から48%に)は大きく減少し、経営者のマインドは積極的になっている。
地域別では、「かなり強い・強い」は、東北、関東、中部、近畿の4地域では増加しており、北海道、九州の2地域は0%といった地域的なばらつきが見られるが、住宅エコポイントなどの政策支援の効果として、全体的にオーナーのマインドを後押ししていると思われる。

低層賃貸住宅経営者の供給意欲について
4.低層賃貸住宅市場動向

(1)見学会、イベント等への来場者数

1~3月は10~12月に比べて全国では、「減少」(前期49%から28%)が減り、「増加」(前期6%から14%)が倍増し、顧客の動きに増加傾向が表れてきている。
地域別では、北海道、東北、九州の3地域は「増加」が0%と厳しい状況が継続している。

見学会、イベント等への来場者数

(2)全体の引き合い件数

1~3月は10~12月に比べて全国では、「減少」が(前期64%から34%)と減少し、「横ばい」が(前期33%から54%)と増加、減少傾向に歯止めがかかってきている。
地域別では、「減少」の割合は北海道(67%)、東北(67%)の2地域が大きく、九州を含めた3地域が「増加」は0%と、厳しい状況である。

全体の引き合い件数

(3)低層賃貸住宅市場の空室率

1~3月は10~12月に比べて全国では、「横ばい」が(前期54%から55%)と過半数を占めているが、「減少」(前期8%から21%)が増加し、改善傾向がみられる。
地域別では、北海道、九州の2地域では「減少」が0%となっており、空室率の増加傾向が継続している。

賃貸住宅市場の空室率

(4)金融機関の融資姿勢(積極性)

1~3月は10~12月に比べて全国では、「減少」が(前期45%から28%)、「横ばい」が(前期48%から52%)、「増加」が(前期7%から20%)と、融資について若干改善され、前向きになっているように思われる。
地域別では、北海道が「増加」0%だが、九州は38%と、積極的な融資姿勢の地域もあり、全体的には改善傾向にあるという状況である。

金融期間の融資姿勢(積極性)

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