住宅業況調査報告

『平成28年度 第2回 住宅業況調査報告』

戸建は微増、低層賃貸は微減、顧客のマインドは停滞感が伺える

 一般社団法人 住宅生産団体連合会(会長 和田 勇 積水ハウス株式会社 代表取締役会長兼CEO)では、会員各社の支店・営業所・展示場等の営業責任者に対して3ケ月毎に住宅市場の業況感(対前四半期の実績及び今期の見通し)についてアンケート調査を実施しております。
 平成28年度第2回の集計がまとまりましたので報告いたします。

(※調査時期は平成28年7月です。)

A 「戸建注文住宅」

1. 対前四半期比 総受注棟数・金額の動向指数

(1)実績
 平成28年4~6月の受注実績は、1~3月(以下、前四半期)の実績に対して、全国では総受注棟数 +4ポイント、総受注金額 +3ポイント
と微増ながらプラス受注を継続した。しかし、前四半期に予測した総受注棟数 +19ポイント、総受注金額 +10ポイントに及ばなかった。
(前四半期の実績は、総受注棟数+28、総受注金額+13。)
地域別の受注棟数の実績は、(九州が +33)と大きな伸びを継続し、他は、(北海道 +17)、(関東 +4)、(近畿 +2)、(中部 +4)、(中国・四国 +3)と微増であった。唯一、(東北のみが △25)と減少した。

(2)見通し
 平成28年7~9月の見通しは、4~6月度の実績に対して、全国では総受注棟数 +18、総受注金額 +8となっている。
地域別の総受注棟数の見通しは、(中部 +21)、(九州 +20)、(関東 +19)、(近畿 +18)、(中国・四国 +17)、(北海道 +8)、(東北 +4)と、すべての地域でプラス予想となっている。
金融緩和に伴う低金利を追い風に、消費税増税延期後の停滞感を払拭し受注を伸ばそうとする期待感を感じさせる。

2. 一棟当りの床面積の動向

(1)実績
 平成28年4~6月の一棟あたりの床面積の実績は、前四半期に予測した+5に至らず、±0となった。
(前四半期実績は +5)。
全国では、『やや広くなっている・広くなっている』が(26%→25%)と横ばい、『やや狭くなっている・狭くなっている』が(20%→27%)に増加した。
地域別では、『やや広くなっている・広くなっている』の割合は、北海道、中国・四国、九州の3地域で増加し、『やや狭くなっている・狭くなっている』の割合は、東北、関東、中部、近畿の主に首都圏4地域で増加した。

(2)見通し
 平成28年7~9月の見通しでは、+5となっている。
全国では、『やや広くなりそう・広くなりそう』が(25%→18%に)に微減、『やや狭くなりそう・狭くなりそう』も(11%から10%)に微減、『変わらない』は(68%→72%)に微増となり、エリアによって若干の差はあるものの、前回同様大きな変化は予想していない。

総受注金額指数と1戸当り受注床面積指数

 

3. 建替率(実績)の動向

 各社の支店・営業所・展示場における、平成28年4~6月の総受注棟数に占める、建替物件の(実績)割合である。
全国では、『50%以上』が(15%→19%)に増加、『40%未満』は(63%→62%)と微減し、全国データでは建て替え率が若干増加した。
地域別では、中部、近畿、中国・四国、九州の西日本4地域で微増となったが、北海道、東北、関東では微減となった。

建替え率の動向について

 

4. 顧客動向

(1)見学会、イベント等への来場者数
 平成28年4~6月の実績は、前四半期に比べて全国では、『増加』が(26%→23%)に微減、『減少』は(23%→29%)となった。
地域別では、東北と中部において『増加』回答が微増したが、他のエリアは『横ばい』または『減少』回答が増加した。

見学会、イベント等の来場者数割合

(2)全体の引き合い件数
 平成28年4~6月の実績は、前四半期に比べて全国では、『増加』が(25%→19%)と減少し、『減少』は(15%→24%)に大幅増となった。
地域別でも、九州で若干の引き合い件数増加はあったものの、北海道では『減少が』(14%→50%)、東北が(35%→60%)と、この2エリアが全国データの平均を大きく下げる要因となった他、関東、中部、近畿、中国・四国でも引き合い件数が減少し、来場者数とほぼ比例する結果となった。

全体の引き合い件数割合

(3)土地情報取得件数
 平成28年4~6月の実績は、前四半期に比べて全国では、『増加』が(26%→19%)に微減し、『減少』も(24%から22%)となり、その分『横ばい』が(50%→59%)となった。
エリアのよって多少のばらつきはあるものの、総じて大きな変化はなかった。

土地情報の取得件数

(4)消費者の購買意欲
 平成28年4~6月の実績は、前四半期に比べて全国では、『増加』が(30%→18%)、『減少』は(9%→22%)となり、大変厳しい結果であった。
地域別でも、『増加』のパーセンテージは全エリアで半減し、『減少』は全エリアで2~3倍のパーセンテージとなった。受注棟数、金額が微増となったにもかかわらず、現場は消費者の購買意欲の減少を感じ取っている。

消費者の購買意欲
PAGE TOP