住宅業況調査報告

『令和2年度 第3回 住宅業況調査報告』

B 「低層賃貸住宅」

1. 対前四半期比 総受注戸数・金額の指数動向

【1】実績
 令和2年7~9月の受注実績指数は、令和2年4~6月(以下、前四半期)比で、前四半期の実績は、受注戸数 △45、受注金額 △10だったが、今回新型コロナ感染症の影響による緊急事態宣言の解除、経済活動再開に伴い、全国平均では
受注戸数 +9ポイント、受注金額は +14ポイントポイントとなり、受注戸数ベース、受注金額ベース共に反転してプラスとなった。受注戸数ベースでは消費増税以降6四半期ぶりでプラスとなった。
 エリア別の受注戸数指数は、九州+32、近畿+25、中国・四国+21とプラスの指数が高い反面、中部エリアにおいては継続して△10で4四半期連続でのマイナスという厳しい状況となった。
 エリア別の受注金額は、今回すべてのエリアにおいて『上がった』の回答割合が『下がった』割合以上になっている。ただしエリアの中では関東、九州が共に24%と『下がった』との回答割合が多かった。

【2】見通し
 令和2年10~12月の受注見通し指数は、令和2年7~9月の実績に対し、全国平均では
受注戸数 +4ポイント、受注金額 ±0ポイントと、戸建同様、新型コロナ感染症の影響の先行き不安感により令和2年7~9月の実績に比較して後退した厳しい見通しをたてている。
 エリア別の戸数見通し指数では、中国・四国が+29、九州+12関東+8と高く、逆に中部においては△11で慎重な見通しとしている。

2. 一戸当り床面積(実績)の指数動向

【1】実績
 令和2年7~9月の1戸あたりの床面積指数は前四半期の実績は±0ポイントだったが、今回全国平均で+7ポイントと上がった回答になった。見通しは+3ポイントであったので見通しよりは若干上がったことになる。
 エリア別の回答割合では、全国的に『変わらない』回答が大勢の中、東北33%、関東30%の回答が『広くなった』としている。  

【2】見通し(予測)
 令和2年10~12月の見通し指数は、全国平均で+4ポイントとしている。
 令和2年7~9月見通しレベルで+3ポイントであったので見通しレベルで継続して若干増のプラスの指数値である。

1棟当り受注床面積指数
3. 低層賃貸住宅経営者の供給意欲

 令和2年7~9月における、住宅供給側から見た顧客の賃貸住宅建築意欲度である。
 全国平均の回答割合では、『強い・かなり強い』の回答割合は8%→21%、『弱い・やや弱い』は60%→41%と供給意欲度は改善したものの基本的には従来同様、建築意欲度は弱い状況が継続しており市況の厳しさが反映されており、新型コロナ感染症の影響も大きいと見られる。
 そのような状況下、エリア別の回答割合では、関東エリアにおいて『強い・かなり強い』の回答割合33%と『弱い・やや弱い』の回答割合32%が拮抗している。  

低層賃貸住宅経営者の供給意欲について
4.顧客動向、市場動向について

(1)見学会、イベント等への来場者数

 令和2年7~9月の実績は、前四半期と比べ、新型コロナ感染症の影響が改善されて全国平均では『減少』は81%→30%となり、逆に増加の割合が6%→30%へと来場者数は増えた。横ばいも40%ある。
 エリア別では、『増加』の回答割合が、近畿エリアにおいて45%にのぼり全エリアの中で最も高い割合となっている。また東北と関東においては増加の割合よりもまだ減少の割合が高い状況となっている。  

見学会、イベント等への来場者数

(2)引き合い件数

 令和2年7~9月の実績は、前四半期と比べ、全国平均では『減少』は72%→28%となり、『増加』が6%→31%となり、来場者数同様、引き合い件数も増加傾向となった。
  エリア別では、九州、近畿の各エリアにおいて『増加』の回答割合が40%以上となり高い。  

全体の引き合い件数

(3)低層賃貸住宅市場の空室率

 令和2年7~9月の実績は、前四半期と比べ、全国平均では『増加』の回答割合が7%→7%、『減少』も20%→20%と、空室率は前四半期に比し全国では全く同様の結果となっている。
  エリア別では九州エリアが24%『減少』していると回答している一方、『増加』している回答も18%になっている。

賃貸住宅市場の空室率

(4)金融機関の融資姿勢(積極性)

 令和2年7~9月の実績は、前四半期と比べ、全国平均では『横ばい』54%、『減少』は62%→39%と減になったものの、『増加』の回答割合が1%→6%しか増えず、前回同様、厳しい融資姿勢に変化は見られない。
  令和2年7~9月の実績は、前四半期と比べ、全国平均では『横ばい』54%、『減少』は62%→39%と減になったものの、『増加』の回答割合が1%→6%しか増えず、前回同様、厳しい融資姿勢に変化は見られない。

金融期間の融資姿勢(積極性)

以上
令和2年11月30日

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