戸建注文住宅の顧客実態調査

「2023年度 戸建注文住宅の顧客実態調査」報告

 一般社団法人住宅生産団体連合会(会長 芳井敬一 大和ハウス工業株式会社 代表取締役社長)では、この程『2023年度戸建注文住宅の顧客実態調査』を報告書として取りまとめましたので公表いたします。
この調査は、戸建注文住宅の顧客ニーズの変化を把握することを目的として、2000年から開始し、今回で24回目となります。

1.本調査の特徴

  • ●2000年度から毎年1回実施する本調査は、主要都市圏における戸建注文住宅の顧客実態を体系的に調査・分析するものであり、経年変化も把握できる(今年は24回目の調査となる)。
  • ●調査票の記入は、顧客ではなく住宅メーカーの営業担当者が行う。
  • ●住宅敷地の取得状況別など、住宅属性や世帯属性を明らかにする。
  • ●古屋を解体して新築した場合における従前住宅の築年数を属性別に分析する。
  • ●住宅取得価格(建築費+土地代)と住宅取得資金(自己資金+贈与+借入金)を分析する。
  • ●住宅減税、住宅消費税、住宅性能、住環境、最新設備・建材・技術に関する顧客意識・行動を営業面から把握する。

2.戸建注文住宅の平均顧客像

  • ●2023年度の有効回答数は2,846件であり、そのうち2,747件(96.5%)が住団連企業会員、99件(3.5%)が中小業者のサンプルである。中小業者のサンプルは昨年度より31件減少した(図表2-1-3)。
  • ●世帯主年齢の平均は、今年度40.2歳と、昨年度より0.4歳上昇した(図表1)。例年どおり30歳代の割合が高い(図表3)。「親と子世帯」が53.1%を占める(図2-1-13)。
  • ●従前住宅については、「賃貸住宅」の割合が最も高く51.0%を占める(図表2-2-9)。
  • ●住宅敷地の取得状況別にみた「従前住宅の敷地」1の割合は2.6ポイント減少、「従前住宅や敷地を売却して、新たに購入した土地(買い替え)」は0.6ポイント減少した(図表5-1)。
  • ●住宅敷地の従前の土地利用状況は、「契約時又は以前に住宅が建っていた土地」が57.3%を占め、「契約時に住宅以外の建物だった土地」の6.2%と合わせると、全体の63.5%が従前から建物があった宅地となっている(図表5-2)。
  • ●建築費(4,566万円)は昨年度より上昇し、土地代を加えた住宅取得費(6,681万円)2も上昇した。
    用地取得方法別にみると「古屋解体・新築」、「買い替え」、「土地購入・新築」の全てにおいて建築費は上昇し、土地代は「土地購入・新築」のみ上昇した(図表7)。
  • ●建築費の1㎡単価は37.0万円で、昨年度から2.8万円上昇した(図表1-3)。
  • ●一次取得層の「土地購入・新築」では、住宅取得費に占める建築費の割合が57.8%である(図表2-3-10)。
  • ●住宅取得費の世帯年収倍率(6.8倍)は、昨年度と同じであった(図表9)。
  • ●長期優良住宅は全体の85.7%を占めている(図表6-1)。
  • ●住宅ローンの金利タイプは、「変動金利」、「全期間固定金利」、「固定金利期間選択型」の全ての割合が低下した(図表10)。
  • ●贈与金は昨年度より増加し平均1,286万円となったが、贈与ありの割合は20.0%で昨年度より低くなっている(図表12-1)。
  • ●贈与に係る特例制度の適用では、「住宅取得資金に係る贈与税非課税」が81.1%で突出して高く、次いで「基礎控除のみ」(13.7%)の順となっている(図表12-3)。
  • ●住宅消費税の圧迫感は、「かなり圧迫感があった」の増加傾向が続いていたが、今年度は減少に転じた(図表13)。
  • ●住宅性能表示制度を採用した割合は増加し75.1%である(図表14-1)。
  • ●住宅購入を検討する上で重視した点は、昨年と同様に「間取り」が目立って高く6割以上を占める(図表16)。
  • ●最新設備・建材・技術で、採用の有無にかかわらず顧客が特に関心の高かったものでは、設備では「太陽光発電パネル」(75.5%)、建材では「メンテナンスフリー外壁」(21.8%)、技術では「構造システム(免振・制振等)」(15.6%)の割合が最も高い(図表18-1)。
  • ●ZEHの検討の有無では、「ZEHにした」が42.4%を占める。「ZEHにした」は増加傾向が続いている(図表19-1)。

3.2023年度調査結果の要約

  • (1)戸建注文住宅の平均顧客像
  • ●世帯主年齢の平均は、今年度は平均40.2歳と、昨年度より0.4歳低下した(図表1)。
  • ●配偶者年齢の平均は38.1歳で、世帯主年齢との差は2.1歳である。
  • ●世帯年収は1,148万円で、昨年度より80万円増加した。
  • ●住宅の延床面積は123.5㎡で、昨年度より0.1㎡縮小し、2015年以降縮小傾向が続いている(図表1-2)。
  • ●建築費は4,566万円で昨年度より342万円高くなり、住宅取得費合計は6,681万円で、311万円高くなっている。
  • ●平均建築費単価は37.0万円/㎡で、昨年度より2.8万円増加し、2015年以降増加傾向が続いている(図表1-3)。
  • ●自己資金は2,047万円で132万円増加した。贈与額は1,286万円で、169万円減少した。
  • ●借入金は5,859万円で、昨年度より386万円高くなり、借入金年収倍率は5.10倍と昨年度を0.02ポイント下回った。
  • 世帯年収と贈与額が増加したものの、建築費、住宅取得費が上昇し続けていることから、延床面積を抑制するとともに、自己資金や借入金を増やすことで対処している状況が読み取れる。


報告書 (A4 版206ページは、PDFデータにて1,000円(税込)で提供いたしておりますので、住団連ホームページの「お問合せ」内の「メールでのお問い合わせ」の 内容欄に『2023年度戸建注文住宅の顧客実態調査報告書のPDFデータ希望』の旨を明記し、お申し込みください。

令和6年9月10日
■この件に関するお問い合わせ
住宅政策研究所 研究第1部長 伊賀川
Tel:03-5275-7251

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