調査結果の公表

  • 平成19年7月度 『景況判断指数からみた傾向』
  • 総計
  • -実績-
    平成19年度第1四半期 (平成19年4~6月) 実績の景況判断指数は前年同期比で、総受注戸数マイナス47ポイント、総受注金額マイナス40ポイントとなった。総受注戸数・金額ともに3四半期連続してマイナスに転落し、プラス基調回復の期待を裏切り、平成13年のデフレ不況時に匹敵するほど大きく落ち込んだ。(前4月度総受注戸数マイナス23・金額マイナス23)
    総受注戸数では、市場の牽引役であった賃貸住宅が、4四半期連続マイナスに転落し今期も浮上せず、また主力の戸建注文住宅も大幅に落ち込み、全部門が、二桁のマイナスの結果となり、全体としても大きなマイナスポイントとなった。総受注金額でも、分譲住宅がプラス・マイナス0と健闘したが、その他の部門が大幅なマイナスの結果となり、3期連続してのマイナスポイントになった。
    この実績に対するコメントは、「4,5月低調も、6月が回復した」、「現状維持の状況である」との声もあるが、「やや景気回復の兆しは感じられるものの、まだ厳しい状況が続いている」、「プラス要因が少なく、先送り客が目立つ」、「前年実績比1桁台のマイナスが精一杯」、「苦戦している」と、マイナス基調の企業が多く、厳しい状況であるとの判断である。
    企業業績の好調さによる日本経済の回復基調が、実感として個人の家計所得に浸透せず、消費者物価指数も下落し、足踏み状態であることが推察される。
  • -見通し-
    平成19年度第2四半期 (平成19年7~9月) 見通しの景況判断指数は、総受注戸数プラス27・金額プラス30と、前年比大幅なプラスを見込んでいる。(前4月度総受注戸数プラス25・金額プラス29)
    この見通しについてのコメントは、「戸建の受注増で全体実績も向上」、「引き続き、営業力強化などの地道な努力を続けるしかない」、「受注回復基調に期待する」、「4~6月の不振を挽回、上期トータルで前年同期比微増を見込む」、「金利高に対する早期結論を期待」、「挽回したい」と、各社とも、受注増に向けての積極的な意欲・期待を見せている。第2四半期の頑張りが上期の成績を左右する為、各社の7~9月の受注動向が注目される。
  • (戸建注文住宅)
  • -実績-
    平成19年度第1四半期実績の景況判断指数は、前年同期比で受注戸数・受注金額共にマイナス53ポイントと、1月期からのマイナス基調から浮上せず、マイナス幅は大きく落ち込んだ。(前4月度受注戸数マイナス25・金額マイナス16)
    コメントでは、「4月より販売した新商品の売れ行きが好調」、「新商品投入の効果等により前年を上回った」、「6月受注が回復した」、「昨夏より続いていた減少傾向が6月にようやく増加傾向に好転」声もあるが、「クロージングで苦戦を強いられる」、「春先の受注が鈍い」、「営業戦力減、展示場成約率の低下」、「建替えが受注に結びついていない」、「展示場集客減、金利先高感影響なし、年金不安、団塊リタイア組雇用延長などで、厳しい環境が続く」などのマイナス基調の企業が大半を占めており、総体的に受注環境がより厳しくなっているとの判断である。また、受注戸数と受注金額のバランスから見ると、昨年度からの受注単価の上昇傾向に歯止めがかかったとも判断できる。
  • -見通し-
    平成19年度第2四半期の見通しは、受注戸数プラス25・受注金額プラス28と、受注戸数・金額とも、プラス回復を目指す。(前4月度受注戸数プラス27・金額プラス27)
    戸建注文住宅の見通しでは、「新商品投入で、持ち直しを見込む」、「各種イベントの実施等により、前年を上回る受注を確保したい」、「7月のキャンペーン及び、8月の新商品発売により集客力と販売強化を図る」、といった新商品、キャンペーン等、受注の増大に向けた積極的な販売戦術と、「金利先高感で若干良くなるか」、「建替え需要掘り起こしの効果が少しずつ表れるのではないか」、「夏からの受注は前年並みを確保したい」、「営業力増強・強化、事業コンセプトの訴求効果に期待」との、強い意欲・期待が感じられる。
  • (戸建分譲住宅)
  • -実績-
    平成19年度第1四半期実績の景況判断指数は、受注戸数マイナス18・受注金額プラス・マイナス0であった。受注戸数は、平成17年の第3四半期以来の二桁のマイナス、受注金額は前4月期に続いてのマイナスは回避したが、戸数の落ち込みの影響もあり、プラスには回復せず。(前4月度受注戸数プラス・マイナス0・受注金額マイナス7)
    コメントでは、「堅調に推移している」、「相変わらず好調」との声もあるが、「前年同期比は受注戸数・金額共に減少」、「在庫物件の売却が中心」や、「戸数の絶対数が少ない」、「積極的に展開していない」と、企業により取り組みにばらつきもあり、全体として前回の二極化傾向は継続されているが、やや足踏み感が表れている。
  • -見通し-
    平成19年度第2四半期の見通しは、受注戸数プラス14・金額プラス18と、プラス基調での回復を見込んでいる。(前4月度受注戸数プラス・マイナス0・金額プラス3)
    コメントでは、「堅調なままで推移する」、「8月に全国一斉のキャンペーン実施し、集客と販売促進を図る」、「期待している」との意欲・期待を見せているが、全体的には「変わらず」と見通しの企業が多く、一服感が表れていると判断できる。
  • (低層賃貸住宅)
  • -実績-
    平成19年度第1四半期実績の景況判断指数は、受注戸数マイナス17・受注金額マイナス25となった。受注戸数は18年10月期のマイナス転落からプラスに浮上せず、受注金額も前4月期からマイナスに転落と、ともに平成17年度第1四半期を底に、大きく受注を伸ばし住宅の牽引役を担ってきたが、マイナス基調が強まっているという結果となった。(前4月度受注戸数マイナス15、金額マイナス19)
    この実績に対するコメントは、「堅調に推移している」、「単身者向け商品が好調」、との声もあるが、「なかなか良くならない」、「特に大きな変化は無し」など、ほぼ現状持続の企業と、落ち込み幅の大きい企業が多く、全体の判断指数はマイナスが拡大しており、二極化の様相を呈してきている。
  • -見通し-
    平成19年度第2四半期の見通しの景況判断指数は受注戸数・金額ともにプラス29と、回復基調での大幅プラスを見込む。(前1月度受注戸数・金額ともにプラス23)
    コメントでは、「堅調なまま推移する」、「概ね順調に推移すると思われる」、「従来どおりの状況が続くよう期待する」、「中長期見込み客の結論化への期待」と、全体的にプラス基調に回復するという期待感が強く表れている。
  • 新設住宅着工戸数の予測アンケート結果
  • 平成19年度の新設住宅着工戸数の見通しについては、回答14社の予測平均値が、総戸数 126.3万戸となった。
    利用関係別では、持家が35.3万戸 (前4月度35.1万戸)、分譲住宅36.7万戸 (同35.8万戸)、賃貸住宅53.5万戸 (同52.3万戸)としている。
  •  
  • 住宅市場について
  • 向こう6ケ月間の住宅メーカーの経営指標となる下記の項目について、各社の経営者にアンケートを行った。その結果は次の通りである。
  上がる 変わらず 下がる
所得の伸び 3 ( 4) 13(11) 0 ( 1)
家賃の動向 4 ( 5) 12(11) 0 ( 0)

金利の動向

(市中金利)

16(10) 0 ( 6) 0 ( 0)
資材価格の動き 13(11) 2 ( 5) 1 ( 0)
建築の手間賃 1 ( 4) 15(12) 0 ( 0)
  上がる 安定化 下がる

地価の動向

(住宅地)

7 ( 6) 9 ( 8) 1 ( 2)
  増える 変わらず 減る
展示場来場者数 0 ( 4) 11( 9) 5 ( 3)
  過剰 充足 不足

技能職人数

(大工)

0 ( 0) 12(12) 4 ( 4)

( )内は、平成19年1月度調査時の数値。

  • 指標の動向について(平成28年7月度調査との比較)
  • 1)「所得の伸び」では、「上がる」が3社に減り、13社が「変わらず」との判断で、ほぼ横ばいの傾向が表れている。
  • 2)「家賃の動向」は、回答16社のうち12社が「変わらず」4社が「上がる」と回答、家賃は引き続き穏やかな上昇傾向が続いている。
  • 3)「金利の動向」では、回答16社の全てが「上がる」と判断しており、金利上げは必至との見方である。
  • 4)「資材価格の動き」では、回答16社中13社が「上がる」と前回よりも増え、強含みと予測している。
  • 5)「建築の手間賃」は、「変わらず」が15社と大勢を占め、「上がる」との判断は1社に減り、ほぼ横ばい傾向が表れている。
  • 6)「地価の動向」では、「上がる」の回答が7社と前回調査から微増、「安定化」は9社と同じく微増、上昇傾向が継続している。
  • 7)「展示場来場者数」は、「増える」が0社になり、「変わらず」が11社と増え、「減る」が5社に増えており、全国的には、やや足踏み状態である。
  • 8)「技能者人数(大工)」では、多くの企業は「充足」(12社) であり、「不足」の回答は4社と前回と変わっていない。
  •  
  • ※景況判断指数:良い」との回答割合から「悪い」との回答割合を差し引いた数値
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