平成25年1月度 『景況判断指数からみた傾向』

  • 平成25年1月度 『景況判断指数からみた傾向』
  • 総計
  • -実績-
    平成24年度第3四半期(平成24年10~12月)実績の景況判断指数は前年同期比で、総受注戸数・総受注金額ともにプラス64ポイントと、受注戸数は7期連続、受注金額は12期連続してプラスという結果であった(前10月度総受注戸数プラス50・総受注金額プラス61)。全部門で前年比二桁増で、プラス幅がさらに拡大している。
    この実績に対するコメントでは、「政治・経済の不透明感から買い控え傾向」という弱気な声もあるが、「前年超えで全体的に好調」、「太陽光発電の固定買い取り制度(平成24年度制度)の申請期限が近付き、建物受注を後押し」、「良化傾向」、「消費税増税前駆け込み需要の本格化、震災復興需要等の要因があり好調」、「新商品投入や創立45周年関連の各種キャンペーン等により受注が改善」、「市場は全体的に上向き始めている。受注単価も高水準を維持」、「住宅需要層の動きが活発になりつつある」、「集客が大きく増加するような動きは見られないが、消費税増税などをにらんだ検討水準の高いお客様の割合は比較的高い」など、全体的には市場のプラス基調が継続しているとのコメントが多く見られた。
  • -見通し-
    平成24年度第4四半期(平成25年1~3月)見通しの景況判断指数は、総受注戸数プラス67ポイント・総受注金額プラス64ポイントと、受注戸数・金額ともに引き続き大幅なプラスの見通しとなった(前10月度総受注戸数プラス54・総受注金額プラス61)。
    この見通しについてのコメントは、「消費税の駆け込みが少しずつ起きると思われるが今後の政策内容により今後の見通しがつけにくい」との声もあるが、「消費税UP対策としての顧客の動きが活発化し、受注に影響」、「1~3月も同様の傾向が続くと想定している」、「住宅政策・税制の見通しがつき、消費税に絡めた営業活動が開始」、「良化傾向」、「戸数・単価共に上昇傾向となる。消費税増税についての国策確定により、戸数の増加は本格的になると見込まれる」、「上昇基調を見込む」、「新商品発売や積極的なキャンペーン展開のほか、駆け込み需要の発生も予測され受注改善を見込む」と、増加傾向が継続するとの声が多く聞かれ、全部門の見通しが大幅なプラスのため、全体としてもプラスが継続・拡大する見通しである。
  • (戸建注文住宅)
  • -実績-
    平成24年度第3四半期(平成24年10~12月)実績の景況判断指数は、受注戸数・受注金額ともにプラス66ポイントと、受注戸数は13期連続してプラスが継続している(前10月度受注戸数プラス33・受注金額プラス40)。
    コメントでは、「10月のマイナスを11、12月で取り戻しプラスマイナス0」、「11月より年末にかけて顧客の動き鈍る」との若干弱気な声もあるが、「前年比、前期比で棟数・金額ともに増加」、「対前年増を達成し好調」、「堅調に推移」、「各月とも対前年比プラス10%前後で好調に推移」、「商品のリニューアルやキャンペーン等で受注改善」、「環境機器搭載率の上昇、建築床面積の増加により受注金額が増加」、「年度前半からの好調をキープ」など、全体的にはプラス基調が継続しているとの声が多く、戸数・金額ともに大幅なプラスになった。
  • -見通し-
    平成24年度第4四半期(平成25年1~3月)見通しの景況判断指数は、受注戸数プラス69ポイント・受注金額プラス66ポイントと、戸数・金額ともにプラスが継続・拡大するとの見通しとなった(前10月度受注戸数・受注金額ともにプラス50)。
    コメントでは、「前年超を狙うが楽観できない」、「11月以降の流れで前半微増、消費増税等も考慮し、受注金額は変わらず」との今後の消費税増税の影響を懸念した不安の声もあるが、「消費税UPの駆け込み需要に向けた動向が活発化」、「株価の上昇などで景気の先行きが上向き傾向にあることが、過去同期と比べて戸数・金額ともに増えると考える」、「10~12月不動の顧客が動く」、「各種施策等により好調を持続」、「新商品発売や積極的なキャンペーン等で受注改善を予測」、「消費税増税前の駆け込みの影響が徐々に出始め受注戸数が増加、受注金額は環境意識の高まりにより引き続き増加する」、「消費税増税の情報収集でユーザーの動き活発に」といった新商品、イベントの開催等、受注の増大に向けた動きを活発化しており、全体としても当面プラス基調が継続・拡大するとの見通しを立てている。
  • (戸建分譲住宅)
  • -実績-
    平成24年度第3四半期(平成24年10~12月)実績の景況判断指数は、受注戸数プラス18・受注金額プラス32ポイントと、受注戸数・金額ともに3期プラスが継続した(前10月度受注戸数 プラス38・受注金額プラス29)。
    コメントでは、「前年比、前期比で棟数・金額ともに増加」、「昨年度下期以降の積極的な土地の仕入れにより受注増」、「スケジュールに一部遅延が生じる」という声と、「建売の在庫整理につき前年比減」などの声があり、実績的には二極化しているが、前年比10%以上良い企業が多く、全体的な指数としてはプラスが継続という結果になった。
  • -見通し-
    平成24年度第4四半期(平成25年1~3月)見通しの景況判断指数は、受注戸数・受注金額ともにプラス55ポイントと、プラスが継続・拡大する見通しである(前10月度受注戸数 プラス42・受注金額プラス38)。
    コメントでは、「株価の上昇などで景気の先行きが上向き傾向にあることが、過去同期と比べて戸数・金額ともに増えると考える」、「新規仕入れ案件の回転が始まる」、「昨年度下期以降の積極的な土地の仕入れにより、受注増」、「スケジュールに一部遅延が生じる」など、来年4月に実施される予定の消費税率の引き上げを睨んで、積極的に土地の仕入れを図るコメントの企業が多く見られ、全体としても、プラスが継続・拡大するとの見通しである。
  • (低層賃貸住宅)
  • -実績-
    平成24年度第3四半期(平成24年10~12月)実績の景況判断指数は、受注戸数・受注金額ともにプラス75ポイントと、戸数・金額ともに9期連続し、大幅なプラスという結果となった(前10月度受注戸数プラス50・受注金額プラス54)。
    コメントでは、「各月とも対前年比プラス10%前後で好調に推移」、「首都圏を中心に増加傾向」、「防犯配慮仕様が引き続き好調」、「新商品投入等の効果が寄与」、「土地所有者の資産承継を動機とした土地活用ニーズは底堅い」、「首都圏での受注が上向き戸数、金額とも堅調」、「アパートからサービス付き高齢者向き住宅へ」など、プラス基調を感じさせる声がほとんどで、受注戸数・金額ともに10%以上良い企業が回答社の半分以上という実績で、戸数・金額ともにプラスが継続・拡大する結果となった。
  • -見通し-
    平成24年度第4四半期(平成25年1~3月)見通しの景況判断指数は、受注戸数・受注金額ともにプラス71ポイントと、戸数・金額ともに大幅プラスが継続するとの見通しとなった(前10月度受注戸数・受注金額ともにプラス58)。
    コメントでは、「消費税・相続税UP対策の建築が堅調に推移」、「3月上旬に全国イベントを開催予定。新商品効果で受注が拡大すると考える」、「首都圏を中心に増加傾向」、「借り上げ賃貸事業等が本格化」、「首都圏での受注上向き傾向が継続する見通し」、「サービス付き高齢者賃貸住宅の需要ますます高まる」といった、前向きなコメントが多く聞かれ、受注拡大にむけた意欲・期待感が強く表われており、大幅増の見通しである。
  • (リフォーム)
  • -実績-
    平成24年度第3四半期(平成24年10~12月)実績の景況判断指数は受注金額がプラス64ポイントと前期比大幅増が継続している(前10月度受注金額プラス60)。
    コメントでは、「太陽光のリフォームが好調」、「太陽光発電装置の設置、低層賃貸住宅の空室利用におけるセーフティネット補助事業により、低層賃貸住宅リフォームが好調に推移」、「対前年同月比を24カ月連続更新中、好調継続」、「堅調に推移」、「太陽光発電など創エネリフォームが堅調」、「リフォーム市場の拡大により金額も上昇」、「太陽光、耐震関連の受注堅調」、「小規模リフォームは堅調、大規模は11月から年末にかけて動き鈍る」と、好調なコメントが多く見られ、特に太陽光発電関連が好調だという状況である。
  • -見通し-
    平成24年度第4四半期(平成25年1~3月)見通しの景況判断指数は受注金額がプラス64ポイントと、更に好調が継続するという見通しである(前10月度受注金額プラス67)。
    コメントでは、「太陽光リフォームが引き続き好調」、「築20年以上の住宅オーナー様へのリレーション強化により、対前年比10%以上の伸び率を確保できると考える」、「大型改装工事、太陽光発電工事を中心に増加見込み」、「グループでのシナジー効果が発揮される」、「太陽光発電など創エネリフォームが堅調」、「太陽光、耐震診断の需要さらに伸びる」、「小規模リフォームは堅調、大規模は10~12月不動の顧客が動く」、「引き続き上昇」など、太陽光発電関連の支援制度の効果やリフォーム工事の大型化を期待する声も聞かれ、大幅なプラスが継続する見通しである。
  • 新設住宅着工戸数の予測アンケート結果
  • 平成24年度の新設住宅着工戸数の予測については、回答した16社の予測平均値が、総戸数87.5万戸(前10月度86.4万戸)という予測結果となった。
    利用関係別では、持家が31.8万戸(前10月度31.7万戸)、分譲住宅24.7万戸(同24.6万戸)、賃貸住宅30.0万戸(同29.5万戸)となっている。
    平成25年度新設住宅着工戸数の見通しは総戸数91.4万戸で、持家34.3万戸、分譲住宅25.7万戸、賃貸住宅31.3万戸と、4.5%増の見通しとなっている。
  • 平成24年度の新設住宅着工総戸数の予測アンケート結果
―回答数―16社―
【単位:万戸】
  総戸数 持 家 分譲住宅 賃貸住宅
平成22年度実績 82 31 21 29
平成23年度実績 84 32 23 29
平成24年度予測
A社 90.0 31.6 25.2 32.5
B社 85.0 32.0 24.0 28.0
C社 87.0 32.0 25.0 29.9
D社 86.9 31.9 24.2 30.0
E社 84.6 30.2 24.2 29.3
F社 88.0 31.0 25.0 30.0
G社 88.0 31.0 25.0 31.0
H社 89.0 34.0 25.0 29.4
I社 86.0 31.0 25.0 30.0
J社 87.0 32.0 25.0 29.0
K社 回答なし 回答なし 回答なし 回答なし
L社 90.5 35.0 30.0 25.0
M社 89.0 32.0 25.0 31.0
N社 85.0 30.5 24.3 29.5
O社 回答なし 回答なし 回答なし 回答なし
P社 91.1 32.7 24.6 33.0
Q社 85.5 31.0 24.0 30.0
R社 88.0 32.0 24.0 31.0
平 均 87.5 31.8 24.7 30.0


  • 平成25年度の新設住宅着工総戸数の予測アンケート結果
―回答数―16社―
【単位:万戸】
  総戸数 持 家 分譲住宅 賃貸住宅
平成22年度実績 82 31 21 29
平成23年度実績 84 32 23 29
平成24年度実績 88 32 25 30
平成25年度予測
A社 102 36 27 38
B社 93 36 27 29
C社 93 35 25 33
D社 93.5 35.1 27.6 30
E社 90.8 35.7 24.9 29.2
F社 91 34 26 31
G社 90 32 25 32
H社 95 36 26.4 32
I社 90 37 23 29
J社 92 34 26 31
K社 回答なし 回答なし 回答なし 回答なし
L社 85.5 35 30 20
M社 92 33 26 32
N社 86 30.9 24.8 29.5
O社 回答なし 回答なし 回答なし 回答なし
P社 95.4 34 24.7 36.1
Q社 87.5 31 24 32
R社 91 33 25 32
平 均 91.4 34.3 25.7 31.3


  • 住宅市場について
  • 向こう6カ月の住宅市場に関する指標について、各社の経営者にアンケートを行なった。
    その結果は次のとおりである。
  上がる 変わらず 下がる
所得の伸び 1 (0) 16 (17) 0 (0)
家賃の動向 0 (1) 17 (14) 0 (2)
金利の動向(市中金利) 10 (1) 6 (14) 1 (2)
資材価格の動き 7 (4) 11 (11) 0 (2)
建築の手間賃 9 (5) 9 (12) 0 (0)

  上がる 安定化 下がる
地価の動向(住宅地) 4 (2) 14 (10) 0 (4)

  増える 変わらず 減る
展示場来場者数 14 (9) 3 (6) 0 (1)

  過剰 充足 不足
技能職人数(大工) 0 (0) 7 (9) 11 (8)

( )内は、平成24年7月度調査時の数値である。
  • 指標の動向について
  • 1)「所得の伸び」では、16社が「変わらず」と回答し、現状維持の傾向が継続している。
  • 2)「家賃の動向」では、17社すべてが「変わらず」と回答し、現状維持の傾向が継続している。
  • 3)「金利の動向」では、「上がる」が10社と増加し、「変わらず」が6社あるが、金利高の傾向が表れている。
  • 4)「資材価格の動き」では、「上がる」が7社と増え、「変わらず」は11社と前回と同じであるが、資材価格は若干上昇すると見られる。
  • 5)「建築の手間賃」は、「上がる」が9社と増加し、「変わらず」は9社と減少した。手間賃は上昇傾向が表れている。
  • 6)「地価の動向」では、「安定化」は14社と増加し、「上がる」も4社と増加した。地価はやや上昇傾向が見られる。
  • 7)「展示場来場者数」は、「増える」が14社と大きく増加しており、全国的には、増加傾向が顕著である。
  • 8)「技能者人数(大工)」では、「充足」が7社と微減、「不足」は11社と増えており、職人数が不足気味の傾向が継続している。
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