平成27年4月度 『景況判断指数からみた傾向』
- 平成27年4月度 『景況判断指数からみた傾向』
- 総計
- -実績-
平成26年度第4四半期(平成27年1~3月)実績の景況判断指数は前年同期比で、総受注戸数プラス43ポイント・総受注金額プラス46ポイントと、受注戸数・受注金額ともに前四半期に続きプラスとなった(前1月度総受注戸数プラス47・総受注金額プラス53)。
この実績に対するコメントでは、「戸建て住宅は回復傾向、賃貸住宅は堅調を維持。前年は駆け込み後の衰退期のため、前年比ではプラスとなったが、大幅な消費マインド改善とまでは言えない」、「様子見の状態が続き、なかなか受注まで結びつかないケースが多く見られた」、「依然、慎重に検討しようとするお客様が多い。集客は前年比増を確保。建替え比率がやや増えるなどムードは悪くない」、「昨年の消費税増税後の反動減と比較して回復」、「前四半期同様に昨年は反動減が大きいため前年比プラスとなったが、消費税再増税の延期や贈与税の優遇策が決まっていないこともあり、顧客マインドに大きな変化は見られない」、「新築をリフォームがカバーする構図は変わらず」、「戸建て注文住宅を中心に反動減から回復の兆し」、「ようやく回復の兆し」など、全体的に回復基調が明確だが、まだ本格的な回復とは言えないとのコメントが多く見られた。 - -見通し-
平成27年度第1四半期(平成27年4~6月)見通しの景況判断指数は、総受注戸数プラス50ポイント・総受注金額プラス56ポイントと、戸数・金額ともに大幅にプラスが継続する見通しとなった(前1月度総受注戸数プラス53・総受注金額プラス59)。
この見通しについてのコメントでは、「前四半期に引き続き昨年は反動減が大きいため前年比良くなるが、再増税の延期もあり、市況に大きな変化は見られない見込み」、「回復するが、盛り返すには至らず」といった声もあるが、「イベント・セミナー等の引き合いが受注に繋がる。戸建・分譲は省エネ住宅ポイント等の支援策によりマインドの改善を図り、駆け込み反動減の前年からは回復する見通し」、「賃金や、株価の上昇によって消費者マインドが改善するほか、住宅取得支援策が浸透することで消費者の動きが活発になると見ている」「最近の株高等、消費マインドの改善、各種住宅取得策が徐々に浸透しつつあることなどを背景に改善の兆しがみられる」、「昨年の消費税増税後の反動減と比較して回復」、「戸建て注文住宅を中心に反動減から回復の兆し」など、緊急経済対策や、税制改正大綱などの住宅取得支援策の効果に期待する声も多く聞かれ、回復基調が継続している。 - (戸建注文住宅)
- -実績-
平成26年度第4四半期(平成27年1~3月)実績の景況判断指数は、受注戸数プラス19ポイント・受注金額プラス30ポイントと、受注戸数・金額ともに前四半期に続きプラスが継続した(前1月度受注戸数プラス41・受注金額プラス53)。
コメントでは、「前年比プラスとなったが、前年以前の水準までは回復していない」、「各種住宅取得支援策が消費者まで浸透するのに時間がかかったため、受注まで結びつかなかった」、「回復基調であるが、受注は次期以降」、「回復傾向にあるが昨年には届かず」という声や、「戸数は横ばいだが、金額ベースではプラス」、「昨年の消費税増税後の反動減と比較して回復」、「前年度の経過措置後の反動減が大きくハードルが低いため、前年比は大幅プラスしたが顧客マインドに変化はない」、「期末キャンペーン実施、反動減から回復傾向にある」、「高額物件・併用物件などの大型物件も出てきている」など、昨年の反動減との比較でプラスではあるが、まだ本格的な回復とは言えないとの声が聞かれる。 - -見通し-
平成27年度第1四半期(平成27年4~6月)見通しの景況判断指数は、受注戸数プラス56ポイント・受注金額プラス60ポイントと、戸数・金額ともに大幅にプラスが継続するとの見通しとなった(前1月度受注戸数プラス56・受注金額プラス59)。
コメントでは、「増税前には戻らず、しばらく横ばいの見込み」という声もあるが、「イベント等が成果に繋がりプラスを維持。ZEH補助金が寄与」、「住宅取得支援策が消費者に認知されることによる展示場来場者及び受注の増加を見込む」、「消費税増税の反動は依然としてあるが、政府の負担軽減施策が顧客の購買意欲を上向かせており、前年よりも増加する見込み」、「昨年の消費税増税後の反動減と比較して回復」、「前年度のハードル低いため、前年比はプラスとなる」、「来場回復をGW商戦で受注に」、「回復傾向」、「1月以降、先行指標となる敷地調査が取れていることもあり苦戦した前年よりもプラスになると考える」など、前年の反動減との対比でもあり、回答した企業のほとんどが5%以上良くなりそうと答えており、受注増大への前向きなコメントが多く聞かれる。 - (戸建分譲住宅)
- -実績-
平成26年度第4四半期(平成27年1~3月)実績の景況判断指数は、受注戸数マイナス9ポイント・受注金額マイナス5ポイントと、受注戸数・金額ともに4期連続でマイナスが継続した(前1月度受注戸数マイナス27・受注金額マイナス9)。
コメントでは、「前年、前前年並みを維持」という声もあるが、「省エネ住宅ポイントの申請が3/10であり、それまでは様子見のケースが目立った」、「戸数・金額ともにマイナス」、「昨年度は駆け込み需要により数字を伸ばす。低調に推移」など、消費増税の年度末駆け込みの影響もあり、指数としてもマイナスが継続する結果になった。 - -見通し-
平成27年度第1四半期(平成27年4~6月)見通しの景況判断指数は、受注戸数・受注金額ともにプラス18ポイントと、プラスに回復するとの見通しである(前1月度 受注戸数プラス27・受注金額プラス23)。
コメントでは、「省エネ住宅ポイントやフラット35Sなどの効果が出ると見るが、購入を急ぐ理由は見当たらず、前年並みを予測」といった、かわらずの声が多いものの、「物件の回転が始まりプラスに転じる」、「回復傾向」など、前向きな声も聞かれ、全体的な指数としてはプラスに転じるとの見通しである。 - (低層賃貸住宅)
- -実績-
平成26年度第4四半期(平成27年1~3月)実績の景況判断指数は、受注戸数プラス50ポイント・受注金額プラス58ポイントと、受注戸数・受注金額ともにプラスが継続するという結果となった(前1月度受注戸数・受注金額ともにプラス67)。
コメントでは、「相続税法改正による底堅い需要」、「前年を大きく上回る。相続対策・低金利が後押し」、「1月の相続税法改正に伴う需要が引き続き堅調に推移した」、「戸数・金額ともにプラス」、「低金利と相続税対策で好調に推移」、「前年度の経過措置後の反動減があったことに加えて相続税の改正を受けて市況は良く、前年比は大幅プラス」、「見込顧客の動き活発化」など、プラス基調のコメントが多く、受注戸数・受注金額ともに大幅なプラスという結果となった。 - -見通し-
平成27年度第1四半期(平成27年4~6月)見通しの景況判断指数は、受注戸数プラス50ポイント・受注金額プラス54ポイントと、戸数・金額ともに好調にプラスが継続するとの見通しである(前1月度受注戸数・受注金額ともにプラス67)。
コメントでは、「引き続き需要は堅調と見るが、前年受注が高水準のため、前年並みと予想」、「引き続き需要は堅調と見るが、前年受注が高水準のため、前年並みと予想」という声もあるが、「引き続き堅調。相続対策・低金利が後押し」、「低レベルの金利を背景として好調を予想」、「相続税改正を受けて市場は良く、前年度の経過措置後の反動減も大きいため、前年比は大きくプラスとなる見込み」、「堅調に推移」、「「受注さらに上向き予想」など、相続税対策、低金利などの下支え効果などもあり、堅調に推移しプラスが継続するとの見通しである。 - (リフォーム)
- -実績-
平成26年度第4四半期(平成27年1~3月)実績の景況判断指数は受注金額がプラス36ポイントと、4四半期ぶりにプラスに回復した(前1月度受注金額マイナス7)。
コメントでは、「太陽光の受注が落ち込み低迷」という声もあるが、「金額で前年並み。1件当たりの受注高UPが寄与」、「3月からは省エネ住宅ポイントが浸透し受注に繋がった」、「消費税増税後の節約マインドが依然強い。築20年以上のリフォームは堅調。太陽光発電のリフォーム底堅いが、10KW以上は電力会社の影響で保留するケースが多い」、「昨年同時期に比べ、消費税増税の影響が小さくなった」、「前年度の経過措置後の反動減が大きく、前年比はプラス」、「省エネ住宅ポイントなどの後押しを受け好調」、「販売体制に強化によって受注増加」、など、リフォーム支援策を背景に、回復基調が見られプラスに転じた。 - -見通し-
平成27年度第1四半期(平成27年4~6月)見通しの景況判断指数は受注金額がプラス64ポイントと、プラスに継続するという見通しである(前1月度受注金額プラス57)。
コメントでは、「単価アップの商材無く、しばらく厳しい」としながらも、「足元回復傾向で、プラスになる予定。省エネポイントが寄与」、「省エネ住宅ポイントが需要を牽引し、堅調に推移すると見ている」、「省エネ住宅ポイント制度によりリフォーム需要の喚起が見込まれる」、「昨年同時期に比べ増税の影響が小さくなる」、「前年度のハードルが低いため、前年比はプラスとなる」、「現状の勢いを維持」、「販売体制の強化によって受注増加」など、前向きな声が多く聞かれ、プラス継続・拡大する見通しとなっている。 - 新設住宅着工戸数の予測アンケート結果
- 平成27年度の新設住宅着工戸数の予測については、回答した16社の予測平均値が、総戸数88.9万戸(前1月度88.6万戸)という予測結果となった。
利用関係別では、持家が29.5万戸(前1月度29.1万戸)、分譲住宅23.6万戸(同23.4万戸)、賃貸住宅34.7万戸(同35.3万戸)となっている。
- 平成27年度の新設住宅着工総戸数の予測アンケート結果
―回答数―16社―
【単位:万戸】
【単位:万戸】
総戸数 | 持 家 | 分譲住宅 | 賃貸住宅 | |
平成25年度実績 | 98.7 | 35.3 | 25.9 | 37.0 |
平成26年度実績 (H26.4~H27.2) |
81.1 | 25.7 | 21.8 | 32.8 |
平成27年度予測 | ||||
A社 | 93 | 30 | 25 | 37 |
B社 | 88 | 31.5 | 23 | 33 |
C社 | 86 | 28 | 23 | 34 |
D社 | 90 | 31 | 22 | 36 |
E社 | 91.5 | 30.2 | 25.1 | 36.2 |
F社 | 91 | 33 | 24.5 | 33 |
G社 | 89 | 29 | 23.5 | 36 |
H社 | 93 | 32 | 23.5 | 37 |
I社 | 93 | 34 | 25 | 34 |
J社 | 77 | 27 | 20 | 30 |
K社 | 記載なし | 20 | 記載なし | 記載なし |
L社 | 80 | 28 | 20 | 31.5 |
M社 | 88.2 | 28 | 23.7 | 35.7 |
N社 | 92.5 | 33 | 25 | 34 |
O社 | 記載なし | 記載なし | 記載なし | 記載なし |
P社 | 88.4 | 28 | 23.8 | 35.8 |
Q社 | 85 | 24 | 25 | 35 |
R社 | 記載なし | 記載なし | 記載なし | 記載なし |
平 均 | 88.9 | 29.5 | 23.6 | 34.7 |
- 住宅メーカーの経営指標について
- 向こう6カ月間の住宅メーカーの経営指標となる下記の項目について、各社の経営者にアンケートを行なった。その結果は次の通りである。
- 詳細グラフはこちら
上がる | 変わらず | 下がる | |
拠点展開 (展示場含む) |
1 (4) | 14 (14) | 3 (0) |
生産設備 (工場を含む) |
4 (1) | 13 (16) | 1 (0) |
新商品開発 | 7 (8) | 11 (9) | 0 (0) |
販売用土地 (分譲住宅用地含む) |
7 (8) | 8 (6) | 1 (0) |
新規採用人数 (27年度下半期採用数) |
8 (3) | 8 (13) | 2 (2) |
広告宣伝費 | 0 (3) | 14 (13) | 4 (2) |
( )内は、平成26年10月度調査時の数値である。
- 指標の動向について
- 1) 「拠点展開」は、「増やす」は1社に減り、「変わらず」が14社と前回と変わらず、拠点展開は現状維持の姿勢が強い。
- 2) 「生産設備」は、「増やす」が4社と増えたが、13社が「変わらず」と回答しており、設備投資については、現状維持の姿勢。
- 3) 「新商品開発」は、「増やす」が7社と微減し、「変わらず」が11社に増えた、新商品開発の意欲は前向きの傾向がやや弱まった。
- 4) 「販売用土地」は、下期に向けて「増やす」が7社と微減、「変わらず」は8社と微増、土地取得意欲は前向きな傾向がやや弱まった。
- 5) 「新規採用人員」は、18社のうち「増やす」8社と増加、「変わらず」が8社と人員体制は、増やす傾向が見られる。
- 6) 「広告宣伝費」については、「増やす」が0社に減り、「変わらず」は14社、販売支援体制は現状維持の傾向が表れている。