調査結果の公表

  • 令和元年度 第2回 『景況感指数からみた実績と見通し』
  • 総計
  • -実績-
    令和元年度第1四半期(令和元年4~6月)の景況感指数は、対前年同期比で前4月度予測(総受注戸数 △8ポイント、総受注金額 △4ポイント)に対し、
    総受注戸数は △86ポイント、総受注金額は △75ポイント となり、大きくマイナスに転じた。
    (前1~3月度実績 総受注戸数 +54、総受注金額 +63)

    コメントでは、
    「戸建の集客減、賃貸住宅の駆け込み需要の反動減が棟数・金額ともに影響した。」
    他、同様のコメント2件。
    「分譲住宅とリフォームが伸びているものの、戸建・賃貸が3月以降共に対前年比マイナス。」
    他、同様のコメント3件。
    「集客数・歩留まりの低下などを受けてマイナスとなった。」
    「営業、商品、体験型ショールームの強化による受注掘り起しで対前年同等。」
    分譲住宅、賃貸住宅、リフォームにおいては、対前年比プラスとなった企業もそれぞれ3社程度あったが、大半の企業にとってコア事業である注文住宅の落込みにより、総受注については全回答11社中9社が「10%程度・以上悪くなった」と回答した。
  • -見通し-
    令和元年度第2四半期(令和元年7~9月)見通しの景況感指数は、
    総受注戸数は △36ポイント、総受注金額 △35ポイント

    コメントでは、
    「戸建注文・分譲・賃貸が苦戦し、対前年比減少となる。」
    「展示場集客はやや回復基調にあるが、まだ棟数や金額には増税による影響があると見ている。」
    「引き続き反動減の影響はあるものの、一次取得者層は徐々に回復となり、マイナス幅は縮小する見通し。」
    「1棟単価上昇と戸建・賃貸の受注量維持により、対前年比ではほぼ横ばいが予想される。」
    「市況変化に機動的に対応しながら営業、商品、体験型ショールームの強化により受注掘り起しを継続。」
    「戸建て・賃貸共に提案力、商品力を強化することでプラスを予想。」

    対前年比マイナスが継続するとした企業が約半数(他半数は「変わらず」、プラスは1社)。受注実績が前回予測を大きく下回った事により、第2四半期は厳しめの予測となっているが、コメントでは大半がマイナス幅は縮小するとの見通しである。
  • (戸建注文住宅)
  • -実績-
    令和元年度第1四半期(令和元年4~6月)の景況感指数は、対前年同期比で前4月度予測(受注戸数 △3ポイント、受注金額 ±0ポイント)に対し、
    受注戸数 △93ポイント、受注金額 △69ポイント となり、大きくマイナスに転じた。
    (前1~3月度実績 受注戸数 +40、受注金額 +50)

    コメントでは、
    「棟数・金額ともにマイナス。」
    「消費税増税の反動減の影響もあり、前年比マイナスとなった。」
     他、同様のコメント1件。
    「契約を急がないお客様が増加。検討期間の長期化も一部で見受けられる。」
     他、同様のコメント1件。
    「米中貿易摩擦などによる景気不安により来場者が減少し、受注減につながったと思われる。消費税10%以降にメリットの出る方々の動きはこれからと考えている。」
    「単価は上昇したものの展示場集客大幅減等で棟数が落ち込んだ。」
    「前回増税時ほどの極端ではなかったが、若干の反動減がみられた。一方で一棟単価の高まりで受注金額は微減にとどまった。」
    「エリアによって大きな差が発生している。」
    「増税落ち込みも予想されたが、結果的にはそれほどでもないと感じている。」
    「木質系が好調を持続、蓄電システムが好調。」

    前回(4月)調査時からの落差は大きいが、8%増税時(H25年10月)のような極端な駆け込み受注景気からの落込みでないため、各社の受け止め方も比較的冷静である。
  • -見通し-
    令和元年度第2四半期(令和元年7~9月)見通しの景況感指数は、
    受注戸数 △32ポイント、受注金額 △27ポイント

    コメントでは、
    「消費税増税の影響は不明瞭だが、展示場の集客減は少なからず影響すると見ている。」
    「景気の先行き不透明感も増していることから、状況は厳しいと予測。」
    「契約を急がないお客様が増加。昨年のハードルが高く対前年比減。」
    「高額層を中心に反動減が続くが、一次取得者層は徐々に回復となり、マイナス幅は縮小する見通し。」
    「ローン減税等支援策やGW時のイベント強化でマインドを高めており、棟数・金額ともに横ばいが予想される。」
    「新規集客、管理客誘導は上がってきているため、9月までの追い込みで受注を確保する。」
    「提案力・商品力強化によりプラスを予測。」

    総数同様、戸建注文住宅においても、実績が前回の見通しを大きく下回った分、ポイントは低いが、コメントそのものは悲観的な見通しではない。
  • (戸建分譲住宅)
  • -実績-
    令和元年度第1四半期(令和元年4~6月)の景況感指数は、対前年同期比で前4月度予測(受注戸数 +13ポイント、受注金額 +13ポイント)に対し、
    受注戸数 △6ポイント、受注金額は △13ポイント とマイナスに転じた。
    (前1~3月度実績 受注戸数 +6、受注金額 +19 )

    コメントでは、
    棟数・金額ともにマイナス。」
    「戸建て同様に集客が落ち込んでおり、棟数が減少した。」
    「契約を急がないお客様が急増。」
    「戸建分譲顧客が非常に動きが悪く、10月以降の方がメリットが大きい方々にとっては急ぐ必要もないので動きが鈍化していると考える。」
    「棟数・金額ともに前年比で大きく伸ばしている。」
    「土地・販売在庫が確保できている。」

    ポイントそのものは今回マイナス振れたが、戸数・金額共に「10%以上良い」から「10%以上悪い」まで回答は分かれ、今回も各社の受注環境に違いが見られた。
  • -見通し-
    令和元年度第2四半期(令和元年7~9月)見通しの景況感指数は、
    受注戸数 +6ポイント、受注金額 ±0ポイント となっている。

    コメントでは、
    「戸建て分譲の増税影響はこれからであり、若干の駆け込みが想定される。」
    「土地・販売在庫が引き続き確保できる。」
    「新規集客、管理客誘導は上がってきているため、9月までの追い込みで受注を確保する。」
    「注文と同様に、集客減は少なからず影響すると見ている。」
    「契約を急がないお客様が増加。」

    大きな駆け込み予測ではないが、やはり10月に向けて「5%程度良くなる」との回答数が全回答8社中最多の4社あり、注文住宅との差が出ている。
  • (低層賃貸住宅)
  • -実績-
    令和元年度第1四半期(令和元年4~6月)の景況感指数は、対前年同期比で前4月度予測(受注戸数 △45ポイント、受注金額 △40ポイント)に対し
    受注戸数 △38ポイント、 受注金額 △42ポイント となり、戸数は前回(4月)調査時の10四半期ぶりのプラスから一転、再度マイナスに転じた。
    (前1月~3月度実績 受注戸数 +90、受注金額 +90)

    コメントでは、
    「反動減による案件数の減少により、前年比で大きくマイナスとなった。」
     他、同様のコメント1件。
    「一時のマスコミ報道による逆風は終息傾向にありますが、融資の厳格化の影響により対前年比微減。」
     他、同様のコメント1件。
    「3月の駆け込み受注による反動減がみられる。3、4階建ての増加で1棟単価が大きく伸びているが受注棟数減による影響がみられた。」
    「4月まで昨年秋の新商品が受注をけん引し好調であったが、5月以降は消費増税の反動減が出ている。」
    「東京・大阪圏は堅調だが、他のエリアは失速気味。」
    「市況は悪いが、前年との兼ね合いで実績確保。」
    「付加価値型住宅を中心にプラスとなった。」

    反動減の影響を大きく受けたとする企業が多いが、前年同期比プラスも3社あった。
  • -見通し-
    令和元年度第2四半期(令和元年7~9月)見通しの景況感指数は、
    受注戸数 △29ポイント、受注金額 △29ポイント となっている。

    コメントでは、
    「消費増税の反動減の影響はまだ続くと思われる。」
     他、同様のコメント3件。
    「ネガティブ報道の影響による金融機関の引き締めによる減少も見込まれるが、エリア戦略の徹底により横ばいを維持する。」
    他、同様のコメント1件。
    「市況は悪いが前年との兼ね合いで実績は確保できる。」
    「景気の急速な回復は望めないものの、土地所有者の一定の建築ニーズは底堅く、前年並みとなる見通し。」
    「引き続き付加価値型賃貸などに注力することでプラスを予想。」
    「東京・大阪は、堅調な数値を確保できる見込み。」
    「新規顧客開拓を継続的に注力。営業人員の採用を強化。」

    マイナス幅は縮小に向かうものの、依然反動減の影響が続くと見る企業が多い。一方、市場やエリアによっては増税如何にかかわらず、堅調な受注が見込めるともしている。
  • (リフォーム)
  • -実績-
    令和元年度第1四半期(令和元年4~6月)の景況感指数は、対前年同期比で前4月度予測(受注金額 +31ポイント)に対し、
    受注金額は +13ポイント となり、今回唯一のプラス実績(9四半期連続)となった。
    (前1~3月度実績 受注金額 +96)

    コメントでは、
    「性能向上をともなったリフォームの需要が高まっていると感じる。その分単価も上がっている。」
    「非住宅系リフォームにより、全体の底上げがみられた。」
    「アフターFITの取り組みを強化した。」
    「4、5月は苦戦するも、6月で挽回した。」
    「改装系はマイナスだったものの環境系がプラスとなり、前年並みとなった。」
    「件数は若干減っているが、提案力向上により1件の単価が上昇している。」
    「受注環境に大きな変化は無く、前年同程度のため、駆け込みや反動減の動きは不明瞭。」
    「受注件数は増加したが、単価の低下等が影響して前年比マイナスとなった。」

    「悪くなった」とする回答は、全回答数12社中2社あったが、総じてリフォーム市場は   波はあるもののプラス成長を継続している。
  • -見通し-
    令和元年度第2四半期(令和元年7~9月)見通しの景況感指数は
    受注金額 +33ポイント となっている。

    コメントでは、
    「オーナーニーズを捉えた提案を継続し、引き続き単価UPで受注の伸びが見込まれる。また増税前の駆け込み受注も想定される」
    「消費増税にかかる影響は不明瞭だが、引き続き中大規模の受注獲得に努める。」
    「アフターFITの取り組みを引き続き強化。」
    「各種補助金制度を利用した提案により、住宅系リフォームの増大が見込める。」
    「消費税8%適用を目的とした需要増と好調傾向の継続で増加する。」
    「改装系・環境系共に注力し、好調だった昨年並みを予想。」
    「当社OBからの受注が増加傾向にあり、堅調に推移する見通し。」
    「自然災害の影響が心配されるが、堅調な状況を維持。」
    「必要なリフォーム工事を効率よく活用し、オーナー様の賃貸経営サポートを実現し、家賃の下落防止、及びオーナー様の収支改善を強化。」

    1~3月の受注でピークを迎えたが、リフォームに関しては、受注規模や工期の面から見て、消費増税前の第2四半期に再度駆け込みがあるとの見通しである。
  •  
  • 新設住宅着工戸数の予測
  • 令和元年度の新設住宅着工戸数の予測については、前回(4月)調査時の予測と比較し、下記の通り。

    総戸数  92.5万戸(4月調査時) →  92.0万戸(今回)  5千戸マイナス
    持家   27.9万戸(  〃  ) →  28.0万戸( 〃 )  1千戸マイナス
    分譲住宅 24.4万戸(  〃  ) →  25.2万戸( 〃 )  4千戸プラス
    賃貸住宅 39.2万戸(  〃  ) →  38.3万戸( 〃 )  9千戸マイナス
    給与住宅  0.5万戸(  〃  ) →   0.5万戸( 〃 )  変化なし
      
  • 令和元年度の新設住宅着工総戸数の予測アンケート結果
―回答数―16社―
【単位:万戸】
  総戸数 持 家 分譲住宅 賃貸住宅 給与住宅
平成29年度実績 94.6 28.2 24.8 41.0 0.5
平成30年度実績 95.3 28.8 26.7 39.0 0.8
令和元年度予測 92 28 25.2 38.3 0.5
令和元年度予測
A社 94.5 30 26 38.0 0.5
B社 92.5 28 25 39 0.5
C社 91.1 27 30.1 33 1.0
D社 92.8 28 25.2 39 0.6
E社 86.4 26.3 22.9 36.6 0.6
F社 92 28 26 37.5 0.5
G社 89 27.3 23.4 37.8 0.5
H社 94 29 25.5 39 0.5
I社 94 28 25 40.5 0.5
J社          
K社          
L社 92 28 25 38.5 0.5
M社 92 28 25.5 38 0.5
N社 93 27.6 25.3 39.5 0.6
O社 92.4 27.9 24.8 39.2 0.5
P社          
Q社       39  
R社 93 28      
S社 93 29 26 37.5 0.5
平 均 92 28 25.2 38.3 0.5

 

 

  • 住宅市場について
  • 向こう6カ月の住宅市場に関する指標について、各社の経営者にアンケートを行なった。
    その結果は次のとおりである。
  上がる 変わらず 下がる
所得の伸び 0 ( 1 ) 15 ( 14 ) 0 ( 0 )
家賃の動向 0 ( 1 ) 16 ( 15 ) 0 ( 0 )
金利の動向 0( 1 ) 14 ( 15 ) 2 ( 0 )
資材価格 6 ( 10 ) 6 ( 10 ) 1 ( 0)
建築の手間賃 9 ( 10 ) 7 ( 6 ) 0 ( 0 )
       
  上がる 安定化 下がる
地価の動向 4 ( 2 ) 10 ( 13 ) 1 ( 0 )
       
  増える 変わらず 減る
展示場来場者数 1 ( 8 ) 6 ( 4 ) 8 ( 3 )
       
  過剰 充足 不足
技能職人数 0 ( 0 ) 5 ( 5 ) 11 ( 11 )

(  )内は、平成31年4月度調査数値である。

  •  
  • 指標の動向について(平成31年4月度調査との比較)
  • 1) 「所得の伸び」に大きな変化は無く、全社が「変わらず」とした。
  • 2) 「家賃の動向」も大きな変化はなく、全社が「変わらず」とした。
  • 3) 「金利の動向」は、今回2社が「更に下がる」としている。
  • 4) 「資材価格の動き」では、「上がる」が10社→6社に減少した。
  • 5) 「建築の手間賃」に大きな変化はなく、過半数が更に「上がる」としている。
  • 6) 「地価の動向」では、「上がる」が2社→4社に増加した。
  • 7) 「展示場来場者数」は、「減る」が大きく増加し、3社→8社となった。
  • 8) 「技能職人数(大工)」では、今回も2/3が「不足」としている。
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