調査結果の公表

  • 令和元年度 第4回 『景況感指数からみた実績と見通し』
  • 総計
  • -実績-
    令和元年度第3四半期(令和元年10~12月)の景況感指数は、対前年同期比で前回(10月)予測(総受注戸数 △55ポイント、総受注金額 △33ポイント)に対し、
    総受注戸数は △77ポイント、総受注金額は △79ポイント となり、3四半期連続で大きくマイナスとなった。
    (前7月~9月度実績 総受注戸数 △80、総受注金額 △50)

    コメントでは、
    「戸建・リフォームを中心に消費増税の影響から前年比マイナスとなった。」(他、同様のコメント2社。)
    「賃貸住宅の受注は安定しているが、戸建、分譲、リフォームの受注減少が全体の数字を押し下げる結果となった。」
    「戸建の集客減が全体の棟数、金額の減少に影響している。」
    「市況の冷え込み、昨年のハードルの高さから前年割れ。」
    「2Q同等のマイナス傾向。」
    「自然災害の多発を受け、蓄電池などスマート系オプションの搭載比率向上が受注単価維持に寄与するもトータルマイナス。」
    「事業撤退・規模縮小に伴い前年大幅減。」

    今回は、回答した全企業が受注戸数・金額共に「悪くなった」とし、「変わらず」~「良い」の回答はゼロとなった。
  • -見通し-
    令和元年度第4四半期(令和2年1~3月)見通しの景況感指数は、
    総受注戸数は △58ポイント、総受注金額 △50ポイントとなり、次回も大きくマイナスの見通しとなっている。

    コメントでは、
    「戸建の受注減を賃貸の受注で下支えするが、全体では減少が予想される。」
    「戸建の集客減はまだ復調の兆しが見えず、引き続き棟数、金額に影響すると見ている。」
    「市況の冷え込み、昨年のハードルの高さから前年割れを予想。」(他、同様の回答2社。)
    「引き続き反動減の影響はあるものの、一部顧客層は回復傾向が見られ、マイナス幅は縮小する見通し。」
    「引き続き、蓄電池などスマート系オプションの搭載比率向上が受注単価維持に寄与する。」
    「前年並みと予想。」

    昨年の第四半期は駆け込みのピークのため指数そのものは低い。しかし、受注の下支えにつながる事業はある、とのコメントは前回から継続している。
  • (戸建注文住宅)
  • -実績-
    令和元年度第3四半期(令和元年10~12月)の景況感指数は、対前年同期比で前回(10月)予測(受注戸数 △46ポイント、受注金額 △42ポイント)に対し、
    受注戸数 △70ポイント、受注金額 △85ポイント となり、総数同様大きくマイナスとなった。
    (前7~9月度実績 受注戸数 △73、受注金額 △58)

    コメントでは、
    「昨年同期の受注が好調であった事、更に戸建購入・建築に慎重な客層と増税による反動減が重なり前年比で大幅な減少に繋がった。」(他、同様のコメント3社。)
    「展示場集客の減少と自然災害が主に影響し棟数が落ち込んだ。単価は上昇傾向。」
    「厳しい市況が続き前年割れ。」
    「受注棟数・金額共にマイナス。」
    「見込み客が大幅減少。」
    「前年ハードルが低いながらも3か月連続で前年を上回る。来場予約の増加がポイント。」
    「蓄電池搭載住宅は伸長。」

    増税にともなうマインドの低下、展示場来場数の減少などで、前年同期比で大きなマイナスが継続している。
  • -見通し-
    令和元年度第4四半期(令和2年1~3月)見通しの景況感指数は、
    受注戸数 △53ポイント、受注金額 △50ポイント

    コメントでは、
    「増税直前の昨年の高い実績と比較してマイナスを予想。」(他、同様のコメント2社)
    「オリンピック後の景気様子見で客数減少。」
    「増税の影響と、米中貿易摩擦、中東情勢の不透明感等による景気の先行き不安は、早期の解決が望めないことから、厳しい状況が続くと考える。」
    「モデルハウス来場は前年微減になり厳しい状況は続く。成約率の高い来場予約がカギ。」
    「引き続き厳しい受注状況が想定されるものの、正月イベント等の効果による受注の回復に期待。前年同期の受注が好調のため減少見通しとなる。」
    「消費税増税の影響は不明瞭だが、集客減による棟数への影響、受注単価上昇の動きは継続と見ている。」
    「反動減の影響で前年比マイナスは続くが、一時取得層を中心に回復傾向にあり、マイナス幅は縮小する見通し。」
    「蓄電池搭載住宅が伸長する。」
    「前年並みと予想。」

    景気の不透明感もあり、増税直前の昨年同期と比較し、厳しい見通し指数となっている。
  • (戸建分譲住宅)
  • -実績-
    令和元年度第3四半期(令和元年10~12月)の景況感指数は、対前年同期比で前回(10月)予測(受注戸数 △13ポイント、受注金額 △19ポイント)に対し、
    受注戸数 △25ポイント、受注金額は △39ポイント となり、再度マイナスに転じた。
    (前7~9月度実績 受注戸数 +13、受注金額 ±0 )

    コメントでは、
    「厳しい市況が続き前年割れ。」(他、同様のコメント1社。)
    「消費増税の影響はさほど出ていないが、1棟単価が減少した為に伸び悩んだ。」
    「エリアによって差はあるが、概ね前年並み。」
    「堅調に推移する分譲住宅市況を背景に、前年比プラスとなった。」
    「引き続き堅調に推移。」

    指数は今回大きくマイナスに転じたが、「5~10%程度・以上良い」とする企業も3社あり、今回も各社の受注環境には違いが見られた。
  • -見通し-
    令和元年度第4四半期(令和2年1~3月)見通しの景況感指数は、
    受注戸数 △17ポイント、受注金額 △22ポイント と、連続してマイナス見通しとなっている。

    コメントでは、
    「厳しい市況が続き前年割れ。」
    「増税の影響と、米中貿易摩擦、中東情勢の不透明感等による景気の先行き不安は、早期の解決が望めないことから、厳しい状況が続くと考える。」
    「昨年同期の受注とほぼ同数かやや減少が見込まれる。良好な土地の継続的な取得が重要になる。」
    「政府の住宅取得支援策もあり、大きな動きはないと思われる。」
    「引き続き堅調に推移する見通し。」
    「土地販売在庫仕込みも順調に推移。」

    見通しに関しても、「悪い」~「良い」まで各社回答は異なっているが、指数そのものは他のセグメント同様に増税以降低下し続けている。
  • (低層賃貸住宅)
  • -実績-
    令和元年度第3四半期(令和元年10~12月)の景況感指数は、対前年同期比で前回(10月)予測(受注戸数 △13ポイント、受注金額 △8ポイント)に対し、
    受注戸数 △42ポイント、 受注金額 △25ポイント となり、マイナスを継続した。
    (前7月~9月度実績 受注戸数 △25、受注金額 ±0)

    コメントでは、
    「前年好調の影響で大幅ダウン。」
    「エリアによって差があったがマイナス。」
    「融資厳格化の影響を受け、金融機関がアパートローンの貸し出しに慎重になっている。」
    「消費税増税の反動減は回復基調にあるが、12月には前年の受注好調の影響も受けて前年比で減少した。単価は上昇傾向。」
    「前年比では落ちているが、市況ほどの落ち込みは無く、2・3階建ては健闘。」
    「販売戦略を明確にしている事と1棟単価の上昇により棟数は若干減ったものの受注金額は前年同期比でほぼ横ばいだった。」
    「付加価値型賃貸が好調となり、好調だった昨年と同等の実績となった。」
    「多層階の拡大で前年越え。」
    「反動減により依然として案件数は減少傾向にあるものの、複数の大型案件により前年比プラスとなった。」

    商品形態、販売戦略によっては、前年実績を上回る企業もあり、各社の受注環境には差が出ている。
  • -見通し-
    令和元年度第4四半期(令和2年1~3月)見通しの景況感指数は、
    受注戸数 △63ポイント、受注金額 △54ポイント となり、昨年の増税指定日前との 比較により大きなマイナス見通しとなっている。

    コメントでは、
    「増税直前で高い実績となった昨年と比較して若干のマイナスを予想。」(他、同様のコメント1社。)
    「3Qと同等以上の対前年落ち込み模様。」
    「受注の絶対額は悪くはないと思われるが、消費税増税指定日前の駆け込み需要があった前年実績は下回ると思われる。」
    「エリアによって差はあるが、トータルはマイナス。」
    「多層階が支えるも、昨年のハードルが高く前年割れ。」
    「景気の急速な回復は望めないが、販促企画の推進等により、対前年比微減で着地する見込み。」
    「融資の影響がある中で、販促費を投入し受注回復を目指すが微減を予測。」
    「昨年同期の受注が好調であった為、対前年比では減少が見込まれるが、引き続き安定した受注は期待できる。」

    依然として反動減の影響が続くと見る企業が多い中、市場や販売戦略によっては堅調な受注が見込め、マイナス幅は縮小に向かうとのコメントもある。
  • (リフォーム)
  • -実績-
    令和元年度第3四半期(令和元年10~12月)の景況感指数は、対前年同期比で前回(10月)予測(受注金額 △18ポイント)に対し、
    受注金額は △73ポイント と、このセグメントにおける過去最低値となり、かつ2四半期連続の前年同期比マイナスは、2014(H26)年4月の消費増税(8%)以来。
    (前7~9月度実績 受注金額 △41)

    コメントでは、
    「大型リフォームの受注により1件当たりの単価は上昇しているものの、件数が大きく落ち込み受注金額も減少した。」(他、同様のコメント1社。)
    「10月の自然災害の影響、及び前年の西日本豪雨による受注増との比較で前年を下回った。」(他、同様のコメント1社。)
    「市況が厳しく、特に高額物件の受注が減少。また、昨年のハードルが高く前年割れ。」
    「消費増税の影響でマイナスとなった。」(他、同様のコメント2社。)
    「卒FIT提案(自家消費、余剰電力買取り)を強化したが若干のマイナス。」
    「今期は長期空室部屋を中心にリフォームを実施し、前年並み。」(他、同様のコメント1社。)

    消費増税の影響、好調だった前年との比較で受注件数が減少したとのコメントが多かった。
  • -見通し-
    令和元年度第4四半期(令和2年1~3月)見通しの景況感指数は、
    受注金額 △38ポイント と連続してマイナス見通しとしている。

    コメントでは、
    「消費マインドの低下がしばらく続くと思われ、前年比微減を見込んでいる。」
    「昨年同期(1~3月)の受注が好調のため横ばいかやや減少が予測される。」(他、同様のコメント3社。)
    「客付けが難しい賃貸物件に対し、効果的なリフォームを実施するなどしたが微減。」
    「受注単価は回復傾向にありマイナス幅は縮小する見通し。」
    「卒FIT提案(自家消費、余剰電力買取り)を強化し、前年同等と予測。」(他、同様のコメント2社。)

    卒FITオーナー等へのリフォーム提案強化により、前年並みを見込むコメントもあるが、大半は好調だった前年との比較で受注減と予測している。
  •  
  • 新設住宅着工戸数の予測
  • 令和元年度の新設住宅着工戸数の予測については、前回(10月)調査時の予測と比較し、下記の通り。

    総戸数  91.0万戸(10月調査時) →  90.5万戸(今回)  0.5万戸マイナス
    持家   28.0万戸(  〃  ) →  28.1万戸( 〃 )  0.1万戸プラス
    分譲住宅 25.4万戸(  〃  ) →  25.7万戸( 〃 )  0.3万戸プラス
    賃貸住宅 37.0万戸(  〃  ) →  36.1万戸( 〃 )  0.9万戸マイナス
    給与住宅  0.6万戸(  〃  ) →   0.6万戸( 〃 )  変わらず
      
  • 令和元年度の新設住宅着工総戸数の予測アンケート結果
―回答数―16社―
【単位:万戸】
  総戸数 持 家 分譲住宅 賃貸住宅 給与住宅
平成29年度実績 94.6 28.2 24.8 41.0 0.5
平成30年度実績 95.3 28.8 26.7 39.0 0.8
令和元年度予測 90.5 28.1 25.7 36.1 0.6
令和元年度予測
A社 91.5 29 27 35 0.5
B社 91 28 25 37.5 0.5
C社 91.1 27 30.1 33 1.0
D社 88.7 28 25.1 35 0.6
E社 88.2 28.4 25.7 33.5 0.6
F社 89.5 28.5 26.5 34 0.5
G社 89 28 25 35.5 0.5
H社 90 27.5 25.5 36.5 0.5
I社 93.1 28.4 26.2 38 0.5
J社          
K社          
L社 90 26.5 25 38 0.5
M社 89.1 28.4 25 34.9 0.8
N社 91 27.5 25 37.9 0.6
O社 91 28 25.4 37 0.6
P社          
Q社 90.6 29 27 34 0.6
R社 91.9 27.5 25.5 38.4 0.5
S社 92.5 28.5 25.5 38 0.5
平 均 90.5 28.1 25.7 36.1 0.6

 

 

  • 住宅市場について
  • 向こう6カ月の住宅市場に関する指標について、各社の経営者にアンケートを行なった。
    その結果は次のとおりである。
  上がる 変わらず 下がる
所得の伸び 1 ( 0 ) 12 ( 15 ) 1 ( 0 )
家賃の動向 0 ( 0 ) 16 ( 16 ) 0 ( 0 )
金利の動向 0 ( 3 ) 13 ( 14 ) 0 ( 2 )
資材価格 7 ( 6 ) 9 ( 9 ) 0 ( 0 )
建築の手間賃 8 ( 9 ) 8 ( 7 ) 0 ( 0 )
       
  上がる 安定化 下がる
地価の動向 3 ( 4 ) 9 ( 10 ) 3 ( 1 )
       
  増える 変わらず 減る
展示場来場者数 0 ( 1 ) 8 ( 6 ) 7 ( 8 )
       
  過剰 充足 不足
技能職人数 0 ( 0 ) 8 ( 5 ) 8 ( 11 )

(  )内は、令和元年7月度調査数値である。

  •  
  • 指標の動向について(令和元年10月度調査との比較)
  • 1) 「所得の伸び」は、今回もほとんどの企業が「変わらず」とした。
  • 2) 「家賃の動向」に変化は無く、全社が「変わらず」とした。
  • 3) 「金利の動向」では、3社が「上がる」と回答した。
  • 4) 「資材価格の動き」では、今回も半数近くが「上がる」と回答した。
  • 5) 「建築の手間賃」も、半数が「上がる」と回答した。
  • 6) 「地価の動向」では、「下がる」が1社→3社に増加した。
  • 7) 「展示場来場者数」は、今回も半数が「減る」と回答している。
  • 8) 「技能職人数(大工)」では、「不足」が減少した。
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