調査結果の公表

  • 令和2年度 第3回 『景況感指数からみた実績と見通し』
  • 総計
  • -実績-
    令和2年度第2四半期の受注実績の景況感指数は、消費税率引上げにより大きく落込んだ昨年度第1四半期に引き続き反動減が継続した第2四半期との比較となるためプラスに転じることが期待されたが、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う消費マインドの冷え込みにより、受注戸数が△27ポイント、受注金額△9ポイントという厳しい結果となっている。今回で6期連続マイナスの状況になり、過去においてはリーマンショック後や消費税率費8%への引上げ後においても厳しい落込みが見られたものの、いずれも5期目にはマイナスからプラスに転じており、今回の6期連続マイナスというのは、これまでとの比較においても著しく厳しい状況と言わざるを得ない。

    コメントは「新型コロナウイルス感染症の影響による集客減・マインドダウンで受注減」(他、同様のコメント3社)、「4~6月展示場来場減が影響」と、新型コロナウイルス感染症に起因する受注減が多いが、「棟数は期待できず単価・粗利UPで実績確保に注力」「スマートハウスの比率に重き」等、状況改善に向けた各社販売戦略について工夫を凝らしたコメントも散見される。また「新型コロナウイルス感染症影響による先行き不安は残るものの住宅ローン減税の駆け込み需要により前年並みの受注となった」とコロナ対策が効果に繋がり受注を支えたコメントがあった。一方、「コロナ影響により停滞していた第1Qの反動増」、「第2Q経済が回復傾向になりお客様の動きが出てきて受注に繋がる」といったポジティブなコメントもあった。
  • -見通し-
    令和2年度第3四半期の受注見通しの景況感指数は、
    受注戸数△45ポイント、受注金額△36ポイントと、第2四半期実績と同様にマイナスでマイナス幅が増える見通しとなっている。

    コメントは「引き続き新型コロナウイルス感染症の影響でマイナス予想」(他、同様のコメント2社)、「住宅ローン減税による需要が無くなり、先行き不安が払拭できぬため受注減の予想」(他、同様のコメント3社)「新型コロナ感染症の影響を慎重に見る」と厳しいコメントがある一方で、「withコロナを見据えた需要の変化により前年並みの見込み」「経済回復傾向が継続」「新型コロナウイルス感染症の動向に注視しながらも、集客が回復の推移」といったネガティブでないコメントや「感染予防対策の徹底、WEB活用による集客強化」、「単価、利益率UPでの実績確保」といった戦略で活路を見出そうとするコメントがある。
  • (戸建注文住宅)
  • -実績-
    令和2年度第2四半期の受注実績の景況感指数は、受注戸数+18ポイント、受注金額+14ポイントとなり、H31年第4Q以来の6期ぶりのプラスとなった。然しながら前年同期は消費税率引上げによる反動減が継続した第2四半期との比較となるためプラスに転じているとはいえ厳しい状況にあることに変わりがない結果となった。

    コメントは、「住宅ローン減税の駆け込み需要による受注増」(他、同様のコメント3社)「書斎・テレワークスペース等、新生活スタイルの住宅ニーズを取り込んだ提案が奏功」(他、同様のコメント1社)「展示場集客の回復」(他、同様のコメント1社)「新型コロナ感染症の影響が若干改善」「スマートハウス等提案力向上による単価UP」等ポジテイブなコメントがある一方、従前同様、新型コロナウイルスの影響による落込みを示すコメントも以下の通り継続してみられる。「新型コロナウイルス感染症の影響による受注マイナス、マインドダウン」(他、同様のコメント1社)また「4~6月の展示場来場減の影響が大きい」というコメントもあった。
  • -見通し-
    令和2年度第3四半期の受注見通しの景況感指数は、
    受注戸数△43ポイント、受注金額△36ポイントと、第2四半期はプラスであったが継続できず一転マイナスに転ずる厳しい見通しとなった。

    コメントは、「住宅ローン減税の控除特例が無いことによる需要マインドの低下」(他、同様のコメント2社)、「新型コロナウイルス感染症による影響の継続、先行き不安」(他、同様のコメント3社)「建替え層の動きが鈍い」といったマイナスに転ずる見通しのコメントがある一方で、「前年同期が消費税増税後の反動減の時期にあたる」「書斎テレワークスペース等新生活スタイルの住宅ニーズの高まり」「展示場集客の回復基調・行動制限の緩和」(他、同様のコメント1社)といったコメントもある。
  • (戸建分譲住宅)
  • -実績-
    令和2年度第2四半期の実績の景況感指数は、受注戸数+17ポイント、受注金額+6ポイントで、戸建注文住宅同様にマイナスの値を脱し戸建分譲住宅は4期ぶりのプラスとなった。

    コメントは「一次取得者層の需要底堅さ」「集客の回復傾向」「新型コロナウイルス感染症の影響により停滞していた第1Qの反動増によりプラス」「住宅ローン減税の駆け込み需要」といったプラスに作用したコメントがある一方、やはり「新型コロナウイルス感染症による影響によるマイナス、先行き不安」(他、同様のコメント1社)といったネガテイブなコメントも目立つ。
  • -見通し-
    令和2年度第3四半期の受注見通しの景況感指数は、
    受注戸数△17ポイント、受注金額△11ポイントと、戸建注文住宅同様、第2四半期実績より転じマイナスに後退する見通しとなった。

    コメントは、「住宅ローン減税の特例による効果」「新型コロナウイルス感染症の影響による働き方の変化で郊外型分譲地の引き合い増」(他、同様のコメント1社)、「土地から探されている顧客の動きが活発化」「第2Qに続く経済の回復傾向」等プラスに作用するコメントがあるものの「新型コロナウイルス感染症による影響によるマイナス、今後への先行き不安」(他、同様のコメント3社)「勤務先の給与賞与カットによる収入減」といった懸念のコメントの勢力が勝っている。
  • (低層賃貸住宅)
  • -実績-
    令和2年度第2四半期の実績の景況感指数は、受注戸数△68ポイント、受注金額△68ポイントと、前期第1四半期実績(戸数△64ポイント、金額△55ポイント)とほぼ同様の厳しい数字で改善されず6期連続の大きなマイナスとなった。

    コメントは、「新型コロナウイルス感染症の影響で対面商談が減少」、「新型コロナウイルス感染症の影響が継続し大きく受注減」(他、同様のコメント2社)、「大型案件の受注が低下」「店舗、事務所等の併用物件の受注減」「地域差の発現が見られる」(他、同様のコメント1社)「第1四半期の集客減が影響」等の厳しいコメントが並ぶ中で、「お客様の動きが戻りつつある」(他、同様のコメント1社)といった積極的なコメントや「停滞していた第1Qの反動減もあり前年同期比増」のコメントもあった。
  • -見通し-
    令和2年度第3四半期の受注見通しの景況感指数は、
    受注戸数△55ポイント、受注金額△45ポイントと7期連続のマイナス、且つ継続して大きなマイナスという厳しい見通しとなった。

    コメントは、「新型コロナウイルス感染症による影響で低調に推移」(他、同様のコメント1社)、「大型案件、地方案件が厳しい」、「エリアごとに動向を注視しつつ対面営業を順次再開」といった直接的な新型コロナ感染症の影響によるコメントの他に、「法人建築主の本業先行き不安、金融機関の事業用ローンの厳格化等逆風環境が続くことにより受注減」等の新型コロナ感染症の影響だけでない理由のコメントがある。一方、「第2四半期の集客は回復傾向にあるので受注回復に取り組み」や「経済回復傾向の継続に合わせプラスと予測」「新商品リリースや社内販促の推進」といった受注増に向けた前向きなコメントもある。
  • (リフォーム)
  • -実績-
    令和2年度第2四半期の実績の景況感指数は、受注金額+12ポイントと4期連続マイナスから転じ5期ぶりにプラスとなった。

    コメントでは、「新型コロナウイルス感染症からの集客回復でお客様が動き出し受注が増加」(他、同様のコメント3件)、「4~6月に停滞していた打ち合わせが再開でき受注に繋がる」(他、同様のコメント2件)といったコメントの他に今回の新型コロナウイルス感染症の影響による需要として「大型RF受注の増加」「テレワーク需要」「スマート系のRF」等のコメントがあった。半面、受注件数は回復基調にあるものの単価が低下傾向にある為、前年同期比マイナスという個社のコメントもあった。
  • -見通し-
    令和2年度第3四半期の受注見通しの景況感指数は、
    型コロナ感染症の影響が残る状況が続く中ではあるが、受注金額+8ポイントと前期第2四半期実績同様のプラスではあるものの若干後退の見通しとなっている。

    コメントは、「足元での集客は回復しているので前年比プラスを予測」(他、同様のコメント2件)、「テレワーク需要等、新常態に伴う需要が続くと予想される」「経済回復傾向に合わせ受注が前年超と予測」「法人顧客は設備投資を控える傾向にあるものの個人顧客は復調」「人員増の効果の見込み」といった積極的なコメントが多い反面、「打ち合わせの機会は通常に戻りつつあるものの、先行き不安は払拭できない」(他、同様のコメント3件)「マインドダウンの影響は薄れてきているものの未だ残る」といった慎重なコメントも見られ状況は不安定といえる。


  • 新設住宅着工戸数の予測
  • ◇令和2年度の新設住宅着工戸数の予測については、前回(7月)調査時の予測と比較し 下記の通り。

    総戸数  77.7万戸(7月調査時) →  78.5万戸(今回)    8千戸プラス

    内訳
    持家   24.5万戸(  〃  ) →  25.0万戸( 〃 )    5千戸プラス
    分譲住宅 23.0万戸(  〃  ) →  23.4万戸( 〃 )    4千戸プラス
    賃貸住宅 29.6万戸(  〃  ) →  29.5万戸( 〃 )    1千戸マイナス
    給与住宅  0.6万戸(  〃  ) →   0.6万戸( 〃 )    変化なし

  • 令和2年度の新設住宅着工総戸数の予測アンケート結果
―回答数―15社―
【単位:万戸】
  総戸数 持 家 分譲住宅 賃貸住宅 給与住宅戸数
平成30年度実績 95.3 28.8 26.7 39.0 0.8
令和元年度実績 88.4 28.3 26.0 33.5 0.6
令和2年度予測 78.5 25.0 23.4 29.5 0.6
令和2年度予測
A社 75 24.5 22 28 0.5
B社 79 25.5 23 30 0.5
C社 79.6 25 24.4 29.6 0.6
D社 78.6 25 23.6 29 1.0
E社 80.1 25.3 23.8 30.4 0.6
F社 80 25.5 25 29 0.5
G社 81 25.7 24.9 29.9 0.5
H社 77 25 23 28.5 0.5
L社 81 25 25 30 1.0
M社 78.8 24.3 23.7 30.2 0.6
N社 73.5 21 21 31 0.5
O社 77.5 25 23 29 0.5
Q社 63.6 23.1 16.1 23.9 0.5
R社 80.6 26 24 30 0.6
S社 79 26 23 29.5 0.5
平 均 78.5 25.0 23.4 29.5 0.6
  •  
  • 経営指標について
  • 向こう6ケ月間の経営指標となる下記の項目について、アンケートを行った。その結果は次の通りである。
  増やす 変わらず 減らす
拠点展開(展示場含む) 0(2) 14 (10) 1(3)
生産設備(工場を含む) 0 (0) 14 (15) 0 (0)
新商品開発 5 (3) 10 (12) 0 (0)
販売用土地(分譲住宅用地含む) 3 (5) 9 (6) 2 (3)
新規採用人員 3 (1) 7 (12) 5 (1)
広告宣伝費 3 (1) 7 (8) 5 (6)

( )内は、令和2年4月度調査時の数値。

  • 指標の動向について
  • ①「拠点展開」は、「変わらず」が14社で殆ど多くの回答。
  • ②「生産設備」は、全社が「変わらず」と回答した。(1社未回答)
  • ③「新商品開発」は、「変わらず」が10社で「増やす」が5社で前回よりも多くなっている。
  • ④「販売用土地」は、「変わらず」が9社に増え「増やす」が3社、「減らす」が2社と判断が分かれた。
  • ⑤「新規採用人員」は,「変わらず」が7社で約半数になり「減らす」が5社と増えるも逆に「増やす」も3社。
  • ⑥「広告宣伝費」は、7社が「変わらず」と回答の半面、「減らす」5社、「増やす」3社と判断が分かれた。
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