調査結果の公表

  • 令和3年度第2四半期の受注実績と令和3年度第3四半期の受注見通し
  • 総計
  • -実績-
    令和3年度第2四半期の受注実績は、戸数・金額ともに2 期連続プラス見通しであったものの、受注戸数▲9ポイント、受注金額が+36ポイントとなった。
    過去2年の同時期の実績がマイナス(昨年戸数実績▲27、一昨年戸数実績▲80)であったことを考慮すると、本年はコロナ感染拡大の第5波が深刻化する中、難しい市況であったことが窺える結果となった。。

    コメントは「全国的な感染拡大の影響により、7月以降展示場来場や商談機会の減少・長期化などの要因が重なった」、「昨年同期は緊急事態宣言開けの反動増により受注が好調であったこともあり、前年同期比では減少となった」などのマイナス要因を指摘する一方で、「コロナの影響により前年同期の受注が低調であったことや、新たな受注戦略の浸透・住宅ローン減税の駆け込み需要により増加となった」、「受注は落ち込んだままであるが、新築の単価向上、リフォームの商談量を確保、税制の後押しもあり、前年受注に対し全体でプラスになった」など、プラス要因もあり、各社でコメントが分かれた。
  • -見通し-
    令和3年度第3四半期の受注見通しは、受注戸数+5ポイント、受注金額+10ポイントとなり3期連続プラスの見通しになったものの、小幅なものとなった。緊急事態宣言が全面解除され、経済活動が正常化に向かう動きがあるにもかかわらず、住宅ローン減税における控除期間13年の特例措置の契約期限(注文住宅9月末、建売住宅11月末)などのマイナス要因が加味された結果となった。

    コメントは、「緊急事態宣言の全面解除はプラス材料であるものの、当面厳しい状況が続くと予想。新たな支援策の早期実現を求めたい」、「ローン減税・グリーン住宅ポイントの期限による反動減が懸念されるが、緊急事態宣言解除によるお客様マインドの向上に期待」、「緊急事態宣言の解除等により来展は回復傾向にあるが、購買意欲の高い層は、ローン減税を意識してすでに動いていたと考えられ、実質的な集客が戻るかは未知数」、「住宅ローン減税の期限などの影響により、一昨年度より大幅に落ち込んだ昨年並みと予測」、など不透明な状況を反映したコメントが見られた。
  • (戸建注文住宅)
  • -実績-
    令和3年度第2半期の受注実績は、受注戸数0ポイント、受注金額+31ポイントとなった。小幅ながらも2期連続プラスを見込んでいたものの、棟数はプラスマイナス0となり、金額のみ見通しどおり2期連続のプラスとなった。
    なお、住宅ローン減税における控除期間13年の特例措置が9月末で契約期限(注文住宅)を迎えている。

    コメントは、「住宅ローン減税13年特例措置の9月末契約期限も、商談中のお客様には一定の後押しとなったものの、駆け込み的な動きは限定的であった」、「集客は落ち込んだままである」、「昨年7月から回復傾向にあったが本年7月からは伸びが鈍化」など期待された追い風があまり見られなかった状況が窺えた。一方で、「グリーン住宅ポイントが功奏した」、「エネルギー自給自足型の商品が受注をけん引」、「4~6月期の名簿情報が対前年で増えたため受注増となった」など、新しい住まい方・働き方を背景とした需要等に応えていくものも見られた。
  • -見通し-
    令和3年度第3四半期の受注見通しは、受注戸数+7ポイント、受注金額+19ポイントとなり、増加幅は縮小しつつも3期連続でプラスの見通しとなった。
    ただし、昨年同時期は、消費税対策として実施されていた住宅ローン減税特例(控除期間13年間)の適用要件が9月末契約かつ12月末入居とされていたため、10月以降の受注を押しさげる一因となっていたことを考慮する必要がある。

    コメントは、「想定より駆け込みがあまり強くなかったこと、コロナ禍が落ち着き集客の回復が見込まれる」というプラス材料がある一方、「ウッドショック、ローン控除の期限切れ後の取り扱い未定の影響が出るか、先行きが不透明」、「ローン減税が契約期限切れで空白期間になるため、顧客の様子見姿勢が強まる可能性がある」「ローン減税・グリーン住宅ポイントの期限切れが及ぼす顧客マインドの冷え込み」といったマイナス材料を懸念するものが見られた。
    またプラスを予測する中にも「昨年同時期はローン減税が9月末で一旦終了した反動で大幅に落ち込んだため」など前年同期のハードルが低いことにより相対的にプラスになる旨のコメント(4社)が多く見られた。
  • (戸建分譲住宅)
  • -実績-
    令和3年度第2四半期の実績は、受注戸数▲56ポイント、受注金額▲50ポイントとなり、予測していた通りマイナスとなった。マイナスは昨年4-6月期以来6期ぶりとなる。

    コメントは、「コロナ禍で来場が減少した影響」や「昨年の7~9月期が大きく落ち込んだ4~6月期の反動で活況だったため」などで、回答があった8社中6社が「10%程度以上減」としており、厳しい状況が窺えた。その一方で「住み替え需要の高まりに不動産供給がマッチした」、「ファーストバイヤーを中心に堅調」というコメントもあった。
  • -見通し-
    令和3年度第3四半期の受注見通しは、受注戸数・受注金額ともに▲19ポイントと、2期連続でマイナスの見通しとなった。戸建注文住宅の見通しがわずかにプラスであるのに対し、戸建分譲住宅の見通しは厳しいものとなった。

    コメントは、「ローン減税活用もあるが、注文住宅の期限到来による集客減の影響を受けることが想定される」、「昨年10-12月が活況だった」、「在庫減少の影響」などマイナス要因が見られた。他方「土地探しのお客様の動きは依然活発であり、分譲は11月末までローン控除適用期限の駆け込みが予測される」、「第5波が沈静化し顧客の動きは活性化すると思われる」、「引き続き需要堅調」などプラスを期待するものも見られた。
  • (低層賃貸住宅)
  • -実績-
    令和3年度第2半期の受注実績は、受注戸数▲9ポイント、受注金額+9ポイントとなった。
    受注戸数は9期ぶりのプラスから一転しマイナスとなり、金額では2期連続のプラスを維持した。

    コメントは、「ZEH推進などの施策がお客様に支持された」、「エリアにより差があるが大型物件の受注がけん引」、「一定規模以上の土地オーナーは建替えや相続対策需要を背景に動いており、法人紹介強化によりこれらの層からの受注増となった」、「コロナ禍の影響は、戸建てと比較すると限定的」といったプラス要因が見られた。
    しかしながら「コロナ第5波の影響を受け、営業活動量・商談数ともに減少」、「コロナの影響により需要減、戸建より回復が遅い」とするコメントも見られ、各社で状況の違いが見られた。
  • -見通し-
    令和3年度第3四半期の受注見通しは、受注戸数▲9ポイント、受注金額▲5ポイントとなり、2期連続でプラスの見通しから一転、マイナスとなった。「±0かわらず」を見通す回答が受注戸数で7社、受注金額で6社(いずれも11社中)と、最も多かった。

    コメントは、「一定規模以上の土地オーナー層の受注伸長の一方で、注文住宅顧客から派生する土地活用案件は様子見が継続している」、「受注低調もニューノーマル仕様の訴求に傾注」、「ZEH推進等新たな受注戦略の浸透を図る」など、新たなニーズを捉える様子が窺えるものが見られた他、「第5波の収束とともに受注は回復傾向、金融機関の融資姿勢も良化しつつある」、「営業活動に対するコロナの影響はほぼ解消、探客活動が回復基調」といった明るい兆しも見えた。
  • (リフォーム)
  • -実績-
    令和3年度第2四半期の実績は、受注金額▲8ポイントとなり、昨年4~6月期以来5期ぶりにマイナスとなり、厳しい結果となった。

    コメントは、「緊急事態宣言により検討見合わせ」、「コロナの影響が長期化し、診断・商談の遅延が散見された」(他同様のコメント5社)など、緊急事態宣言やまん延防止等重点措置の影響を指摘するものが多く、苦戦したことが窺えた。その他、「前年はコロナの影響がありハードルが低い」、「緊急事態宣言が出ていたが、商談量を確保できた」等があった。
  • -見通し-
    令和3年度第3四半期の受注見通しは、受注金額+23ポイントと3期連続増の見通しとなっている。

    コメントは、「緊急事態宣言の解除によるマインドの向上」(他、同様のコメント5件)と経済正常化への期待感が多く見られた。その一方で「グリーン住宅ポイントの終了」、「昨年は11月ごろから再びコロナ感染者が増加した」という懸念材料も指摘されている。


  • 新設住宅着工戸数の予測
  •   R3.7調査 R3.10調査 増減
    持  家 27.0万戸 27.2万戸 +0.2万戸
    分譲住宅 24.5万戸 24.7万戸 +0.2万戸
    賃貸住宅 29.8万戸 30.3万戸 +0.5万戸
    給与住宅 0.6万戸 0.6万戸 ±0
    合  計 82.0万戸 82.8万戸 +0.8万戸
  • 令和3年度の新設住宅着工総戸数の予測アンケート結果
―回答数―15社―
【単位:万戸】
  総戸数 持 家 分譲住宅 賃貸住宅 給与住宅戸数
令和元年度実績 88.4 28.3 26.0 33.5 0.8
令和2年度実績 81.2 26.3 23.9 30.3 0.7
令和3年度予測 82.8 27.2 24.7 30.3 0.6
令和3年度予測
A社 84.7 27 25 32 0.7
B社 85.5 27.5 25 32.3 0.7
C社 81 26.5 25 29 0.7
D社 81.1 27 22.5 31 0.6
E社 81.9 27.4 24 29.8 0.7
F社 83 27 24.5 31 0.5
G社 82.7 26.7 24.5 31 0.5
H社 83.5 27.5 24.3 31 0.7
L社 85.8 28 26 31 0.8
M社 81.9 27.4 24.1 29.8 0.6
N社 82 27 25 29.3 0.7
O社 82 27 24.5 29.8 0.6
Q社 27
R社 83.5 28 26 29 0.5
S社 82 26.8 24 30.5 0.7
平 均 82.8 27.2 24.7 30.3 0.6

※平均は、各セグメントの最大値、最小値各1つずつを外して算出。
※「-」 は非回答。

  •  
  • 経営指標について
  • 住宅メーカーの経営指標となる下記の項目について、向こう6ヶ月間の動向予測のアンケートを行った。
    その結果は次の通りである。
  増やす 変わらず 減らす
拠点展開(展示場含む) 1(2) 14 (12) 0(1)
生産設備(工場を含む) 0 (1) 14 (14) 0 (0)
新商品開発 3 (5) 12 (10) 0 (0)
販売用土地(分譲住宅用地含む) 4 (6) 8 (8) 1 (0)
新規採用人員 3 (1) 12 (11) 0 (3)
広告宣伝費 2 (3) 12 (12) 1 (0)

( )内は、令和3年4月度調査時の数値。

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