調査結果の公表

  • 令和4年度 第1四半期の受注実績と令和4年度 第2四半期の受注見通し
  • 総数
  • -実績-
     令和4年度第1四半期の受注実績は、金額で5期連続プラス(戸数は±0)の見通しであったものの、受注戸数は▲41ポイント、受注金額は▲5ポイントとなった。

    コメントは「全てのセグメントにおいて、受注戸数は減少したが、高付加価値提案がお客様に支持され受注金額は前年並みとなった」、「集客が回復せず戸建住宅の受注棟数が伸び悩んだが、賃貸住宅やリフォームの受注は確保できたことで、全体としては前年超の受注金額となった」、「ZEHなど仕様を推進することで1棟当りの単価を高水準に確保した」など、戸建棟数の減少傾向を他部門の売上増や、一棟単価アップで補うものが見られた。また「長引くコロナの影響や部資材価格の高止まり、ウクライナ危機による生活全般での物価上昇等先行き不透明感から、契約に慎重な動きも見られた」という指摘もあった。
  • -見通し-
    令和4年度第2四半期の受注見通しは、受注戸数▲41ポイント、受注金額▲32ポイントとなり、令和3年1-3月期以来6期ぶりのマイナスの見通しとなった。

    コメントは、「部資材価格の高止まりの継続から依然として契約に慎重な動きが見受けられること、新型コロナの感染再拡大も懸念され、今後の受注環境は予断を許さない状況が続くものと見ている」、「資材高騰の影響での動きの鈍化や計画の長期化がますます加速すると予想」など慎重な見方がある一方、「コロナ第7波の影響は懸念されるが、1棟単価の更なる上昇を予想し前年同期並みの受注を予想」、「感染症の見通しが不透明ではあるが、ZEH推進など高付加価値提案により前年越えの受注を目指す」といった前向きなものも見られた。
  • (戸建注文住宅)
  • -実績-
    令和4年度第1四半期の受注実績は、受注戸数は▲54ポイントとなり、受注金額は▲27ポイントとなった。なお戸数は▲14ポイント、金額はプラス13ポイントを見通していたので、第1四半期の実績は戸数・金額とも見通しを約40ポイント下回ったことになる。

    コメントは、「資材高騰の影響を受け受注戸数は減少も一棟単価上昇により受注金額は微減」、「こどもみらい住宅支援事業などのプラス要因はあるものの物価高、ウッドショック等により顧客マインドの低下から住宅展示場の来場者はコロナ禍以前を下回った状態が続いており、WEBを活用した集客に注力」、「土地をお持ちでないお客様の割合が多い傾向の中、用地が品薄となり、一次取得者の受注割合が低下している」といった厳しい状況が窺えた。一方「電力不足やエネルギー価格高騰などを背景に自給自足への関心が高く、スマート系オプション搭載率が増加」、「こどもみらい住宅支援事業などの政策もあり対前年で増加」など、プラス要素もあった。また「原材料高の更なるアップ前の駆け込み傾向が見られた」といった、部資材価格の先高観による消費行動を指摘するコメントも見られた。
  • -見通し-
    令和4年度第2四半期の受注見通しは、受注戸数▲43ポイント、受注金額▲27ポイントとなり、戸数では2期連続、金額では6期ぶりのマイナスの見通しとなった。

    コメントは、「こどもみらい住宅支援事業等の支援策もあることから、前年同月よりは顧客は動いていると思われる。但し急激な円安、物価高騰等による景気の先行き不透明感は大きく、建築費の上昇とあいまって、この状況が長期化すると、現行の支援策の効果を打ち消し、住宅市場が大きく冷え込む恐れがある」、「前年から続くウッドショックに加え、ウクライナ情勢の先行きが見通せず。住宅ローン金利の上昇も予想され、検討層においては様子見の動きが見られる」、「住宅需要喚起に有効なこどもみらい住宅支援事業の期間延長を活かしたいが、資材高の影響がそれを上回りそう」、「展示場集客の回復にはまだ時間がかかると考えられる。スマート・レジリエンス・ニューノーマルへの関心高く、しっかりと訴求していく」といった厳しい状況を示すものが多く見られた。
  • (戸建分譲住宅)
  • -実績-
    令和4年度第1四半期の実績は、受注戸数▲38ポイント、受注金額▲13ポイントとなり、見通していた通り4期連続のマイナスとなった。

    コメントは、「優良土地の仕入れが芳しくなく、足元は在庫が減少したため、前年同期比マイナスとなった」、「年々土地取得環境は厳しくなっている。1棟当たり単価は上昇したが、戸数の減少による影響」、「鉄骨・木造とも資材高騰を受け受注戸数は減少、一棟単価は上昇したことにより金額は微減」など厳しい市況を反映したものが見られた。一方「ファーストバイヤーを中心に需要堅調。体感型施設などの提案方法の工夫や丁寧な営業活動が受注に寄与」、「需要が旺盛な首都圏のプロジェクトや他地域のプロジェクトが活況で、マーケットを鑑みた価格戦略が功を奏した」というものもあった。
  • -見通し-
    令和4年度第2四半期の受注見通しは、受注戸数▲6ポイント、受注金額は+13ポイントとなり、戸数が5期連続でマイナスの見通し、金額は5期ぶりにプラスの見通しとなった。

    コメントは、「引き続き需要堅調も、全国的に土地の仕入れが厳しい状況が続くと考える」、「首都圏は引き続き需要が旺盛だが、仕入れが苦戦していたため販売在庫が少ない。マーケット価格は当面、急な変動はないと考える」、「新規在庫が出てくるエリアでは回復する見込みもあるが、逆に既存在庫が厳しいエリアもあり、総じて見通しは厳しい」、「厳しい土地取得環境は続く見通し。棟当り単価は引き続き上昇傾向」などから、引き続き土地の仕入れが厳しい状況と、受注戸数減と単価上昇の傾向がうかがえた。
  • (低層賃貸住宅)
  • -実績-
    令和4年度第1四半期の受注実績は、受注戸数+36ポイント、受注金額+86ポイントとなり、戸数、金額とも見通しを上回るものとなった。

    コメントは、「ZEH対応の新商品が好調で、前年を大きく上回った」、「3階建を中心に契約金額が増加」、「高付加価値化により大型化しプラス」、「ZEH-Ⅿ標準化により受注金額アップ」というものであった。
    また「販売価格を7月に改定し、6月に駆け込みが発生」など、価格改定による要因のコメントもあった。
  • -見通し-
    令和4年度第2四半期の受注見通しは、受注戸数▲9ポイント、受注金額±0ポイントとなり、戸数は3期ぶりのマイナス予想となった。

    コメントは、「ウクライナ情勢や株価の乱高下等、投資マインドを鈍らせる事象の長期化が業績に影響してくる可能性がある」、「7月以降は価格改定の影響で反動減」、「資材高騰の影響により前年より厳しくなると想定」など厳しい見通しがある一方、「ZEH賃貸が好調で契約の後押しとなる見通し」、「スマート系搭載効果の訴求に注力」、「新商品の提案等で引き続き好調な受注を維持できると想定」、「高付加価値化しプラスの見通し」など各社でコメントが分かれた。
  • (リフォーム)
  • -実績-
    令和4年度第1四半期の実績は、受注金額+19ポイントとなり、3期連続のプラスとなった。

    コメントは、「定期点検時の保証延長工事の増加やこどもみらい住宅支援事業の利用で受注拡大が図れている」、「環境系商品(太陽光・蓄電池)によりプラス」、「提案型の大型リフォームが順調に推移し、受注増となった」などの好調要因が見られた。
  • -見通し-
    令和4年度第2四半期の受注見通しは、受注金額+35ポイントと見通しとしては6期連続のプラスとなった。

    コメントは、「環境系商品の好調を維持しつつ改装工事を拡販」、「定期診断からの商談化でニューノーマル対応ニーズを捉える」、「長期優良住宅対応リフォームの推進にも力を入れる」など新たなニーズを取り込む姿勢がうかがえた。
    また「感染症の動向を注視しつつも、商談量を確保して好調な受注の維持に努める」、「リアル見学会とオンラインによる集客の双方の利点を活かし受注伸長を目指す」など、商談量の確保に努めるコメントも見られた。
  •  
  • 令和4年度 新設住宅着工戸数の予測
  •   R4.4調査 R4.7調査 増減
    持  家 27.8万戸 27.4万戸 -0.4万戸
    分譲住宅 24.4万戸 24.4万戸 ±0
    賃貸住宅 31.4万戸 32.3万戸 +0.9万戸
    給与住宅 0.5万戸 0.5万戸 ±0
    合  計 84.3万戸 84.6万戸 +0.3万戸
  • (参考)令和4年度の新設住宅着工総戸数の予測アンケート結果
―回答数―15社―
【単位:万戸】
  総戸数 持 家 分譲住宅 賃貸住宅 給与住宅
令和2年度実績 81.2 26.3 23.9 30.3 0.7
令和3年度実績 86.5 28.1 24.8 33.0 0.5
令和4年度予測 84.6 27.4 24.4 32.3 0.5
令和4年度予測
A社 85.8 27.5 24.3 33.5 0.5
B社 85.5 29 24 32 0.5
C社 85.5 28 24 33 0.5
D社 85.8 28 23.8 33.5 0.5
E社 85.2 27.4 24.6 32.7 0.6
F社 85 28 24 32 1.0
G社 - - - - -
H社 83 27 24.5 31 0.5
L社 82.6 26 25 31 0.6
M社 85.7 27.8 24.7 32.6 0.6
N社 81.5 25.5 24 31.5 0.5
O社 82.2 26.7 - - -
Q社 85.8 26.1 25.3 34 0.4
R社 83.5 28 24 31 0.5
S社 87 28.5 25.5 32.5 0.5
平 均 84.6 27.4 24.4 32.3 0.5

※ 平均は、各セグメントの最大値、最小値各1つずつを外して算出。
※ - は非回答。

 

  • 住宅市場について
  • 住宅メーカーの経営指標となる下記の市場項目について、向こう6ヶ月間の動向予測のアンケートを行った。その結果は次の通りである。
  上がる 変わらず 下がる
所得の伸び 3( 2 ) 12 ( 11 ) 0( 2 )
家賃の動向 3( 0 ) 12 ( 15 ) 0 ( 0 )
金利の動向 7( 0 ) 8 ( 15 ) 0 ( 0 )
資材価格 14( 14 ) 1 ( 1 ) 0 ( 0 )
建築の手間賃 5( 5 ) 10 ( 10 ) 0 ( 0 )
       
  上がる 安定化 下がる
地価の動向 5 ( 3 ) 10 ( 12 ) 0 ( 0 )
       
  増える 変わらず 減る
展示場来場者数 0 ( 1 ) 7 ( 6 ) 8 ( 7 )
       
  過剰 充足 不足
技能職人(大工) 0 ( 0 ) 9 ( 5 ) 6 ( 10 )

(  )内は、令和4年1月度調査数値である。

  • イ)「所得の伸び」では、「上がる」の回答が増えたものの、変わらずの回答が依然として多い。
  • ロ)「家賃の動向」では、3社が「上がる」と回答した。3社以上が上がると回答したのはH27.7月調査以来である。
  • ハ)「金利の動向」では、「上がる」の回答が7社となった。
  • ニ)「資材価格」では、前回同様15社中14社が「上がる」と回答した。
  • ホ)「建築の手間賃」では、変化が見られなかった。
  • ヘ)「地価の動向」では、「上がる」が前回の3社から5社となった。
  • ト)「展示場来場者数」でも、「減る」の回答が8社と増えた。
  • チ)「技能職人数(大工)」では、「充足」が5社から9社に増えた。
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