住宅業況調査報告

『平成22年度 第2回 住宅業況調査報告』

B 「低層賃貸住宅」

1. 対前四半期比 総受注戸数・金額の動向指数

【1】実績
 平成22年4~6月の受注実績は、1~3月の実績に比べ、総受注戸数プラス8・総受注金額プラス7と、総受注戸数・金額ともに前期に引き続きプラスを堅持した(前4月度総受注戸数プラス2・総受注金額プラス1)。
総受注戸数の地域別で見ると、中部(マイナス24)、近畿(マイナス12)以外の地域は、北海道(プラスマイナス0)、東北(プラスマイナス0)、関東(プラス16)、中国・四国(プラス35)、九州(プラス41)と、横ばいもしくはプラスを維持し全体としても、戸数・金額ともにプラスを堅持する結果となった。

【2】見通し
 平成22年7~9月の見通しは、総受注戸数プラス15・金額プラス14である(前4月度総受注戸数プラス3・金額プラス8)。
地域別の総受注戸数は、北海道(プラス42)、東北(プラス16)、関東(プラス16)、中部(プラス5)、近畿(プラス19)、中国・四国(プラス7)、九州(プラス14)のすべての地域がプラスとの判断で、全体としても受注戸数・金額ともにプラスが継続・拡大するとの見通しである。

2. 一戸当り床面積(実績)の動向について

 平成22年4~6月の実績はプラス10で、4期続けてプラスとなった(前4月度プラス2)。
全国では、「やや広くなっている・広くなっている」(前21%から34%に)の割合が増加し、「変わらない」(前66%から53%に)が減少、「狭くなっている・やや狭くなっている」(前13%から13%に)が横ばいと、増床傾向が強く表れている。
地域別でも、「やや広くなっている・広くなっている」は、北海道(前33%から33%に)、以外は、東北(前16%から22%に)、関東(前26%から40%に)、中部(前7%から33%に)、近畿(前18%から23%に)、中国・四国(前20%から36%に)、九州(前25%から27%に)の6地域が増加しており、全体的な傾向を表している。

総受注金額指数と1戸当り受注床面積指数
3. 低層賃貸住宅経営者の供給意欲

 平成22年7月調査時点における、住宅会社側からみた経営者の供給意欲度である。
全国では、「かなり強い・強い」(前14%から11%に)が減少し、「普通」(前38%から41%に)は増加、「やや弱い・弱い」(前48%から48%に)は横ばいと、経営者のマインドは現状維持といった傾向が見られる。
地域別では、「かなり強い・強い」は、東北、関東、中部、近畿の4地域で減少しており、北海道、中国・四国の2地域は前0%から大幅増といった地域的なばらつきが見られる。住宅エコポイントなどの政策支援の効果もやや一服感といったところではないか。

低層賃貸住宅経営者の供給意欲について
4.低層賃貸住宅市場動向

(1)見学会、イベント等への来場者数

4~6月は1~3月に比べて全国では、「減少」(前期28%から22%)、「増加」(前期14%から10%)ともに減少、顧客の動きはやや足踏み状況。
地域別では、中国・四国、九州の2地域は「増加」が0%と横ばい状況が顕著である。

見学会、イベント等への来場者数

(2)全体の引き合い件数

4~6月は1~3月に比べて全国では、「減少」が(前期34%から30%)と減少し、「横ばい」が(前期33%から54%)と増加、減少傾向に歯止めがかかるも、横ばい傾向。
地域別では、「増加」の割合が北海道(50%)以外の地域では「減少」を下回っており、中国・四国、九州の2地域は0%と、いまだ厳しい状況である。

全体の引き合い件数

(3)低層賃貸住宅市場の空室率

4~6月は1~3月に比べて全国では、「横ばい」が(前期55%から61%)と過半数を占めているが、「増加」(前期37%から24%)が減少し、改善傾向がみられる。
地域別では、東北、関東、中部、中国・四国の4地域で「増加」が「減少」を上回っており、地域別でのバラツキが見られる。

賃貸住宅市場の空室率

(4)金融機関の融資姿勢(積極性)

4~6月は1~3月に比べて全国では、「減少」が(前期28%から30%)、「横ばい」が(前期52%から61%)、「増加」が(前期20%から9%)と、前期での融資姿勢の改善傾向に歯止めがかかったように思われる。
地域別では、「増加」が近畿地域は31%と、唯一「減少」を上回っているが、北海道、中国・四国、九州の3地域が0%と厳しい状況で、今後の融資引き締めが懸念される。

金融期間の融資姿勢(積極性)

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