住宅業況調査報告

『平成22年度 第3回 住宅業況調査報告』

B 「低層賃貸住宅」

1. 対前四半期比 総受注戸数・金額の動向指数

【1】実績
 平成22年7~9月の受注実績は、4~6月の実績に比べ、総受注戸数マイナス1・総受注金額マイナス2と、総受注戸数・金額ともに3期ぶりにマイナスに転落した(前7月度総受注戸数プラス8・総受注金額プラス7)。
総受注戸数の地域別で見ると、関東(プラス16)、近畿(プラスマイナス0)、九州(プラス25)以外の地域は、北海道(マイナス36)、東北(マイナス26)、中部(マイナス23)、中国・四国(マイナス27)と二桁のマイナスで、全体としても、戸数・金額ともにマイナスに転落する結果となった。

【2】見通し
 平成22年10~12月の見通しは、総受注戸数プラス3・金額プラス2である(前7月度総受注戸数プラス15・金額プラス14)。
地域別の総受注戸数は、北海道(マイナス12)、東北(マイナス26)、関東(プラス9)、中部(プラス10)、近畿(マイナス25)、中国・四国(プラス16)、九州(プラス19)と。地域によるばらつきが見られるが、全体としては、受注戸数・金額ともに若干のプラスに回復するとの見通しである。

2. 一戸当り床面積(実績)の動向について

 平成22年7~9月の実績はプラス16で、4期続けてプラスとなった(前7月度プラス10)。
全国では、「やや広くなっている・広くなっている」(前34%から27%に)、「狭くなっている・やや狭くなっている」(前13%から6%に)の割合が共に減少し、「変わらない」(前53%から67%に)が増加しているが、指数としてはプラス基調が継続している。
地域別でも、「狭くなっている・やや狭くなっている」の割合は、東北(前22%から25%に)、中部(前19%から20%に)は若干増加しているが、北海道(前17%から0%に)、関東(前15%から3%に)、近畿(前8%から0%に)の3地域は大きく減少し、中国・四国(前0%から0%に)、九州(前0%から0%に)は横ばいと、全体的な傾向を表している。

総受注金額指数と1戸当り受注床面積指数
3. 低層賃貸住宅経営者の供給意欲

 平成22年10月調査時点における、住宅会社側からみた経営者の供給意欲度である。
全国では、「かなり強い・強い」(前11%から14%に)、「普通」(前41%から42%に)が増加、「やや弱い・弱い」(前48%から44%に)は減少と、経営者のマインドは若干前向きといった傾向が見られる。
地域別では、「かなり強い・強い」は、東北、関東、中部、近畿の4地域が増加し、北海道、九州の2地域は0%になっている。地域的なばらつきが見られるが、地方圏より都市圏のほうがオーナーのマインドが強気になっているという見方もできる。

低層賃貸住宅経営者の供給意欲について
4.低層賃貸住宅市場動向

(1)見学会、イベント等への来場者数

7~9月は4~6月に比べて全国では、「減少」(前期22%から26%)、「増加」(前期10%から16%)ともに増加したが、顧客の動きは弱含みである。
地域別でも、九州地域は「増加」が0%、中国・四国以外の地域は、「減少」が「増加」を上回っており、全体的な傾向を表している。

見学会、イベント等への来場者数

(2)全体の引き合い件数

7~9月は4~6月に比べて全国では、「減少」が(前期30%から28%)と減り、「横ばい」が(前期54%から54%)と変わらず、減少傾向に歯止めがかかるも、横ばい傾向。
地域別でも、すべての地域で「減少」の割合が「増加」を上回るか同率であり、特に、中国・四国地域は「増加」0%と、いまだ厳しい状況である。

全体の引き合い件数

(3)低層賃貸住宅市場の空室率

7~9月は4~6月に比べて全国では、「横ばい」が(前期61%から77%)と増え、「増加」(前期24%から17%)、「減少」(前期15%から6%)の割合が減少しており、現状維持の傾向が強まっている。
地域別では、東北地域が「増加」が50%と厳しい状況だが、中部、近畿、中国・四国の3地域は、「横ばい」が約90%以上を占め、全体的な傾向が見られる。

賃貸住宅市場の空室率

(4)金融機関の融資姿勢(積極性)

7~9月は4~6月に比べて全国では、「減少」が(前期30%から23%)が減り、「横ばい」が(前期61%から65%)、「増加」が(前期9%から11%)増え、前期より融資姿勢に改善傾向が表れている。
地域別では、「増加」は、関東地域が唯一「減少」を上回っているが、北海道、東北、中部、九州の4地域が0%と厳しい状況で、今後の融資姿勢が懸念される。

金融期間の融資姿勢(積極性)

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