住宅業況調査報告

『平成27年 第2回 住宅業況調査報告』

戸建注文住宅は棟数マイナス、金額プラス、低層賃貸住宅は、ともにプラスが継続

 一般社団法人 住宅生産団体連合会(会長 和田勇 積水ハウス株式会社 代表取締役会長)では、会員会社の支店・営業所・展示場等の営業責任者に対して、3ケ月毎に住宅市場の業況感(対前四半期の実績及び見通し)についてアンケート調査を実施しております。
 平成27年度第2回の集計がまとまりましたので報告いたします。調査時期は平成27年7月、プラス・マイナスはいずれも指数です。

 

A 「戸建注文住宅」

1. 対前四半期比 総受注棟数・金額の動向指数

1) 実績
 平成27年4~6月の受注実績は、平成27年1~3月の実績に比べて総受注棟数マイナス3ポイント・総受注金額プラス5ポイントの結果となった。
 総受注棟数は前期の大幅プラスの反動もありマイナスに転落、総受注金額はプラスが継続という結果となった(前4月度総受注戸数プラス24・総受注金額プラス14)。
 地域別の総受注棟数は、中部(プラス1)、近畿(プラス21)、中国・四国(プラス9)の4地域でプラス、北海道(マイナス4)、東北(マイナス20)、関東(マイナス11)、九州(マイナス14)の4地域でマイナスとばらついているが全体的な指数はマイナスとなった。

2) 見通し
 平成27年7~9月の見通しでは、4~6月の実績に比べ総受注棟数プラス22・総受注金額プラス9との見通しである(前4月度総受注棟数プラス20・総受注金額プラス11)。
 総受注棟数では、北海道(プラス50)、東北(プラス2)、関東(プラス28)、中部(プラス23)、近畿(プラス16)、中国・四国(プラス14)、九州(プラス14)のすべての地域がプラスとなっており、全体の指数もプラスに回復する見通しである。

2. 一棟当り床面積の動向について

1) 実績
 平成27年4~6月の床面積実績はプラス2となった(前4月度プラス9)。
 全国では、「やや広くなっている・広くなっている」(前4月度33%から25%に)が減少し、「狭くなっている・やや狭くなっている」(前18%から23%に)、「変わらず」(前49%から52%)がともに増加と、減床傾向が表れている。
 地域別では、「やや広くなっている・広くなっている」の割合は、北海道以外の6地域で減少、逆に「狭くなっている・やや狭くなっている」の割合は、北海道、中部以外の5地域で増加しており全体的にも減床傾向であるが、指数としてはプラスが継続している。

2) 見通し
 平成27年7~9月の見通しは、プラス5である(前4月度プラス3)。
 全国では、「やや広くなりそう・広くなりそう」(前18%から18%に)が横ばい、「狭くなりそう・やや狭くなりそう」(前11%から10%に)が微減、「変わらない」(前71%から72%に)は微増と、現状維持の傾向が強く見られるが、全体の指数としてはプラス継続する見通しである。
 地域別でも、「変わらない」は5地域で増加しており、全国的な傾向を表している。

総受注金額指数と1戸当り受注床面積指数

 

3. 建替率(実績)の動向について

 各社の支店・営業所・展示場における、平成27年4~6月の総受注棟数に占める、建替物件の(実績)割合である。
 全国では、「50%以上」(前23%から24%に)が微増、「40%未満」(前55%から55%に)は横ばい、全体的には増加傾向が続いている。
 地域別で見ても、「50%以上」は東北以外の5地域で増加し、北海道は変わらずとなっており、全体と同じ傾向を表している。

建替え率の動向について

 

4. 顧客動向について

1) 見学会、イベント等への来場者数
4~6月は1~3月に比べて全国では、「増加」(前期31%から16%)が減少し、「減少」(前期21%から33%)が増加、顧客の動きが停滞気味である。
地域別でも、すべての地域で、「減少」の割合が「増加」を上回っている。

見学会、イベント等の来場者数割合

2) 全体の引き合い件数
4~6月は1~3月に比べて全国では、「増加」(前期32%から16%)が減少、「減少」(前期18%から29%)は増加と、来場者数と同様に動きが鈍っている。
地域別でも、中・四国以外の地域で、「減少」の割合が「増加」を上回っている。

全体の引き合い件数割合

3) 土地情報取得件数について
4~6月は1~3月に比べて全国では、「増加」(前期26%から19%)が減少し、「減少」(前期14%から19%)が増えた、土地情報量は減少傾向が表れてきた。
地域別では、すべての地域で「横ばい」が最大値を占めている。

土地情報の取得件数

4) 消費者の購買意欲について
4~6月は1~3月に比べて全国では、「増加」(前期30%から21%)が減少し、「減少」(前期7%から17%)が増加、消費者マインドは冷え込んできた。
地域別では、北海道、東北以外の地域で、「増加」の割合が「減少」を上回っているが、すべての地域で「横ばい」が過半数以上の最大値を占めており、マインドは停滞気味である。

消費者の購買意欲
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