住宅業況調査報告

『平成28年度 第3回 住宅業況調査報告』

B 「低層賃貸住宅」

1. 対前四半期比 総受注戸数・金額の動向指数

【1】実績
 平成28年7~9月の受注実績は、4~6月(以下、前四半期)の実績に比べて、全国で
総受注戸数は +8ポイント、総受注金額は +9ポイント
と、いずれも前回調査時のマイナスからプラスに転じた。前四半期に予測されたポイントは、総受注戸数は +11、総受注金額が +10とほぼ同数であった。
(前四半期の実績は、 総受注戸数 △7、総受注金額 △5)。
地域別の受注棟数実績では、北海道、中部、中国・四国、九州は前回調査時のマイナスから回復し、関東は3四半期連続の増加であった。東北は( △13)と4四半期連続の減少、近畿は( △23)と大きく落ち込んだ。

【2】見通し
 平成28年10~12月の見通しは、7~9月の実績に比べ、全国では
総受注戸数 +6ポイント、総受注金額 +13ポイント
となっているが、棟数見通しの数値は4四半期連続減少傾向にある。
地域別の受注戸数の見通しは、近畿が( △3)と前回同様マイナス見通しのほか、東北、関東、中部の見通しもプラスながら、前回7月調査時の見通しに比べ数字を大きく下げている。中国・四国、九州の見通しは前回調査時を上回っている。受注金額の見通しに関しては、( +13)と変わらずの大型化、高級化を示しているが、この傾向は関東に関して特に色濃い。

2. 一戸当り床面積(実績)の動向について

 平成28年7~9月の実績は、前四半期に予測した +6を上回り +8ポイントとなり、再度プラスに転じた。(前四半期実績は △5)。
地域別では、『広くなっている・やや広くなっている』の割合が、東北において(9%→33%)、中部において(8%→39%)の変化が顕著であり、中国以外のエリアで拡大した。

総受注金額指数と1戸当り受注床面積指数
3. 低層賃貸住宅経営者の供給意欲

 平成28年7~9月における、住宅会社側からみた賃貸住宅経営者の供給意欲度である。
全国では、『かなり強い・強い』が(16%→17%)と同等、『普通』は(58%→58%)と増加、『やや弱い・弱い』が(25%→25%)と同数など、賃貸住宅経営者の意欲度は、ほぼ変わらないと見る現場の責任者が多かった。
地域別では、東北の『やや弱い・弱い』が(27%→58%)、近畿の(14%→42%)が顕著な変化であったが、他のエリアでは『強い・かなり強い』が微増した。

低層賃貸住宅経営者の供給意欲について
4.低層賃貸住宅市場動向

(1)見学会、イベント等への来場者数

 平成28年7~9月の実績は、前四半期に比べて全国では、『増加』が(12%→14%)、『減少』が(22%→18%)と大きな変化は見られなかったが、地域別では、東北、関東、中国・四国で減少、逆に中部、九州では来場者数は大きく増加した。

見学会、イベント等への来場者数

(2)全体の引き合い件数

 平成28年7~9月の実績は、前四半期に比べて全国では、『増加』が(14%→13%)、『減少』は(27%→26%)と変化は見られなかったが、地域別では、関東の減少が目立ち、中部、九州では増加傾向が見られた。

全体の引き合い件数

(3)低層賃貸住宅市場の空室率

 平成28年7~9月の実績は、前四半期に比べて全国では、『増加』が(15%→13%)、『減少』は(12%→10%)と大きな変化はなかったが、熊本地震の影響も一定の落ち着きをみせたか、九州においては若干の増加であった。

賃貸住宅市場の空室率

(4)金融機関の融資姿勢(積極性)

 平成28年7~9月の実績は、前四半期に比べて全国では、『増加』が(41%→37%)、『減少』は(8%→3%)であった。中国・四国以外の全エリアで『増加』が減少したが、『減少』も全エリアで減少する結果となった。

金融期間の融資姿勢(積極性)

以上
平成28年11月7日

PAGE TOP