住宅業況調査報告

『平成28年度 第4回 住宅業況調査報告』

戸建は引き合い数が回復、賃貸実績はマイナスに転じる

 一般社団法人 住宅生産団体連合会(会長 和田 勇 積水ハウス株式会社 代表取締役会長兼CEO)では、会員各社の支店・営業所・展示場等の営業責任者に対して3ケ月毎に住宅市場の業況感(対前四半期の実績及び今期の見通し)についてアンケート調査を実施しております。
平成28年度第4回の集計がまとまりましたので報告いたします。

(※調査時期は平成29年1月です。)

A 「戸建注文住宅」

1. 対前四半期比 総受注棟数・金額の動向指数

【1】実績
 平成28年10~12月の受注実績は、同7~9月(以下、前四半期)比で、前四半期予測の(総受注戸数 +3ポイント、総受注金額 +2ポイント)に対し、全国平均で
総受注棟数 △25ポイント、総受注金額 +4ポイント
と、棟数は1年ぶりにマイナスに転じた。総受注金額は、予測ポイントを上回り4四半期連続のプラスとなった。(前四半期の実績は、総受注棟数 +9、総受注金額 +10。)
エリア別の受注棟数では、近畿の( △38)に続き、東北が( △31)、中部が( △30)、中国・四国が( △25)、関東が( △20)と、全国すべてのエリアでマイナスとなった。受注金額では、中国・四国と九州で『5~10%上がっている』が増加した。

【2】見通し(予測)
 平成29年1~3月の見通しは、平成28年10~12月の実績に対し、全国平均では
総受注棟数 +27ポイント、総受注金額 +10ポイント
と高い成長予測となっている。
エリア別の受注棟数の見通しでは、中部の( +35)を筆頭に、関東の( +29)、中国・四国の( +24)、近畿の( +23)等、全国すべてのエリアでプラスとなっている。
棟数・金額共に、予測ポイントはこの1年減少し続けていたが、第4四半期は前四半期を大きく上回るとの予測である。

2. 一棟当りの床面積の動向

【1】実績
 平成28年10~12月の一棟あたりの床面積の実績は、前四半期に予測した(±0ポイント)を上回り、全国平均で +1ポイントとなった。(前四半期の実績は、+8。)
アンケートの回答集計では、全国的には大きな変化は少なかったが、『やや広くなっている・広くなっている』が、中部で(前四半期比23%→27%)、九州で(31%→33%)と微増した。唯一、近畿の『やや狭くなっている・狭くなっている』が(11%→36%)と増加したのが顕著な変化であった。

【2】見通し(予測)
 平成29年1~3月の見通しは、全国平均で +3ポイントとなっている。
アンケートの回答集計では、全国平均で『やや広くなりそう・広くなりそう』が(13%→20%)に増加、エリア別でも、北海道、東北、関東、中部、九州が広くなると予想し、近畿は『やや狭くなりそう・狭くなりそう』が(11%→15%)に増加した。

総受注金額指数と1戸当り受注床面積指数

 

3. 建替率(実績)の動向

 各社の支店・営業所・展示場における、平成28年10~12月の戸建総受注棟数に占める、建替物件の割合である。
アンケート回答集計では、全国平均で『50%以上』が(13%→16%)に微増、『40%未満』も(65%→68%)と微増し、建て替え率に大きな変化はなかった。
エリア別では、『40%未満』が東北、近畿、中国・四国で10%以上増加し、逆に九州では『50%以上』が(0%→18%)と増加した。

建替え率の動向について

 

4. 顧客動向

(1)見学会、イベント等への来場者数
 平成28年10~12月の実績は、前四半期に比べて、全国平均では『増加』が(14%→47%)と大幅に増加した。エリア別でも、全エリアで『増加』の割合は20~50%上昇した。8,9月から一転、天候も安定し、イベント時期という事もあったと思われる。『減少』が増加したエリアはなかったが、近畿の『減少』は(20%→19%)とほぼ同数の回答があった。

見学会、イベント等の来場者数割合

(2)全体の引き合い件数
 平成28年10~12月の実績は、前四半期に比べて、全国平均では『増加』が(11%→41%)と大幅に増加した。『減少』は(31%→10%)となり、上記(1)来場者数の増加が効果を生んだとみられる。エリア別でも、全エリアで『増加』が20~50%上昇し、今後の受注に弾みがつくと思われる。

全体の引き合い件数割合

(3)土地情報取得件数
 平成28年10~12月の実績は、前四半期に比べて、全国平均では『増加』が(14%→27%)と増加した。エリア別でも『増加』が、北海道の(0→41%)、東北の(9%→43%)、九州の(8%→36%)となるなど、この項目においても全エリアで増加したが、近畿は、『減少』も(6%→9%)に微増した。

土地情報の取得件数

(4)消費者の購買意欲
 平成28年10~12月の実績は、前四半期に比べて、全国平均では『増加』が(11%→24%)と増加し、『減少』も(17%→9%)となり、前四半期と比べ回復した。エリア別でも、東北の『増加』が(6%→33%)、近畿が(9%→34%)を筆頭に全エリアで『増加』となった。『減少』も、東北の(40%→8%)、北海道の(23%→6%)など、ほぼ全エリアで購買意欲の増加がみられるという明るい材料であった。

消費者の購買意欲
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