住宅業況調査報告

『平成28年度 第4回 住宅業況調査報告』

B 「低層賃貸住宅」

1. 対前四半期比 総受注戸数・金額の動向指数

【1】実績
 平成28年10~12月の受注実績は、同7~9月(以下、前四半期)比で、前四半期予測の(総受注戸数 +6ポイント、総受注金額 +13ポイント)に対し、全国平均では
総受注戸数は △15ポイント、総受注金額は △11ポイント
と、いずれも前回調査時のプラスから再度マイナスに転じた。(前四半期の実績は、 総受注戸数 +8、総受注金額 +9。)
エリア別の受注棟数では、中部と近畿が( △20)、北海道の( △17)、九州の( △15)、関東の( △14)と、全国すべてのエリアでマイナスとなった。受注金額は、
東北の『5%程度~10%以上上がっている』が(8%→33%)、近畿が(16%→20%)と増加したが、他のエリアでは受注金額も減少した。

【2】見通し
 平成29年1~3月の見通しは、平成28年10~12月の実績に対し、全国平均では
総受注戸数 +16ポイント、総受注金額 +11ポイント
となり、棟数に関しては高い回復成長予測をしている。
エリア別の受注戸数の予測は、関東が( +25)、近畿が( +20)、中部も( +18)など、全エリアでプラス予測をしている。受注金額の全国平均予測に関しては、ここ3四半期ほど大きな変化はない。

2. 一戸当り床面積(実績)の動向について

 平成28年10~12月の実績は、前四半期に予測した( +6ポイント)には届かなかったものの、全国平均で +3ポイントとなり、プラスを継続した。(前四半期実績は +8。)
 エリア別では、前四半期と比較し、『やや広くなっている・広くなっている』の割合が増えたところはなかったが、『やや狭くなっている・狭くなっている』の割合が、九州で(27%→0%)、中国・四国が(16%→6%)、中部が(24%→12%)と減った事で全国平均がプラスとなった。

総受注金額指数と1戸当り受注床面積指数
3. 低層賃貸住宅経営者の供給意欲

 平成28年10~12月における、住宅会社側からみた賃貸住宅経営者の供給意欲度である。
全国平均では、『かなり強い・強い』が(17%→17%)と同数、『やや弱い・弱い』も(25%→27%)と同等となり、全国的には、賃貸住宅経営者の意欲度は、ほぼ変わらないと見る現場の責任者が多かった。
エリア別では、近畿の『やや弱い・弱い』が(42%→13%)、『かなり強い・強い』が(11%→20%)と改善したが、中国・四国と九州エリアの供給意欲は逆に減衰した。

低層賃貸住宅経営者の供給意欲について
4.低層賃貸住宅市場動向

(1)見学会、イベント等への来場者数

 平成28年10~12月の実績は、前四半期に比べて全国平均では、『増加』が(14%→12%)、減少が(18%→23%)なり、来場者数は若干減少した。
エリア別では、九州の『増加』が、(27%→0%)、『減少』が、東北で(25%→40%)、中部で(3%→20%)、近畿で(16%→27%)と、関東をのぞき、他の全てのエリアで減少傾向となり、戸建注文住宅とは対照的な結果となった。

見学会、イベント等への来場者数

(2)全体の引き合い件数

 平成28年10~12月の実績は、前四半期に比べて全国平均では、『増加』が(13%→10%)に微減した。
エリア別では、『増加』が、九州で(27%→0%)、中国・四国も(8%→0%)となったが、『減少』も、九州で(27%→8%)、中国・四国で(32%→18%)等が大きな変化であった。

全体の引き合い件数

(3)低層賃貸住宅市場の空室率

 平成28年10~12月の実績は、前四半期に比べて全国平均では、『減少』が(10%→4%)に減少したが、『増加』も(13%→19%)に増加した。
エリア別では、東北、関東、中部、近畿、中国・四国 で空室率が増加し、堅調な業績が続く低層賃貸住宅市場に、不安材料が生じている。

賃貸住宅市場の空室率

(4)金融機関の融資姿勢(積極性)

 平成28年10~12月の実績は、前四半期に比べて全国平均では、『増加』が(37%→20%)、『減少』が(3%→14%)と悪化した。
エリア別でも、ほぼ全てのエリアで『減少』が大幅に増加し、現場は金融機関の消極性を感じている。

金融期間の融資姿勢(積極性)

以上
平成29年2月9日

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