住宅業況調査報告
『平成29年度 第3回 住宅業況調査報告』
低層賃貸住宅は今期も減少
一般社団法人 住宅生産団体連合会(会長 和田 勇 積水ハウス株式会社 代表取締役会長兼CEO)では、会員各社の支店・営業所・展示場等の営業責任者に対して3ケ月毎に住宅市場の業況感(対前四半期の実績及び今期の見通し)についてアンケート調査を実施しております。
平成29年度第2回の集計がまとまりましたので報告いたします。
(※調査時期は平成29年10月です。)
A 「戸建注文住宅」
1. 対前四半期比 総受注棟数・金額の動向指数
【1】実績
平成29年7~9月の受注実績指数は、平成29年4~6月(以下、前四半期)比で、前四半期予測の(総受注戸数 +15ポイント、総受注金額 +4ポイント)に対し、全国平均では
総受注棟数 +10ポイント、総受注金額 +4ポイント
となり、前四半期のマイナスから再度プラスに転じた(前四半期の実績は、総受注棟数 △13、総受注金額 △1)。棟数に関しては、この1年プラスマイナスを交互に繰り返す結果となっている。金額は概ね微増のプラスを続けている。
エリア別の受注棟数は、前四半期に全エリアでマイナスであったが、今回は全エリアでプラスに転じた。
ここ半年ほど、北海道、近畿、中国・四国での指数の変化は少なく、九州は毎期ごとに大きく増減を繰り返している。今回の調査では、中部(+20)と九州(+19)の回復が大きかった。
エリア別の受注金額では、『5~10%以上上がっている』の割合が、北海道で(25%→62%)となり、他のエリアでも増加したが、中国・四国のみ(26%→ 19%)、『5~10%以上下がっている』の割合も(20%→41%)と増加し、受注金額が下がった。
【2】見通し(予測)
平成29年10~12月の見通し指数は、同7~9月の実績に対し、全国平均では
総受注棟数 △3ポイント、総受注金額 △3ポイント
となった。
棟数見通しがマイナスとなるのは、平成26年の第1四半期(消費増税時)以来3年半ぶり。
エリア別の棟数見通しは、関東が(△6)とし、中部のみ(+1)としたが、他のエリアでも±ゼロ~マイナスと予測している。
2. 一棟当りの床面積の動向
【1】実績
平成29年7~9月の一棟あたりの床面積指数は、前四半期に予測した(±0ポイント)に対し、全国平均で△2ポイントとなった。(前四半期の実績は、△4ポイント。)マイナスが2期連続となるのは、26年第2四半期以来3年ぶり。
今回は、中国・四国エリアの『やや狭くなっている・狭くなっている』の回答が(12%→37%)に増加したことが全国平均をマイナスにしたが、他のエリアでは、むしろ若干減少した。一方、『やや広くなっている・広くなっている』の割合は、北海道で増加したが、他のエリアは、ほぼ横ばいであった。
【2】見通し(予測)
平成29年10~12月の見通しは、全国平均で△5ポイントととなっている。
見通しがマイナスとなるのは、平成26年の第1四半期(消費増税時)以来3年半ぶり。
エリア別では、回答数(サンプル数)の多い関東をはじめ、北海道、近畿、九州が、床面積の減少予測をしたことで全国平均がマイナスとなっている。

3. 建替率(実績)の動向
各社の支店・営業所・展示場における、平成29年7~9月の戸建総受注棟数に占める、建替え率の割合である。
前四半期と比較し、全国平均では『50%以上』の割合が(13%→15%)と微増、『40%未満』の割合は(67%)と変わらなかった。
エリア別でも大きな変動は無かったが、関東と中国・四国の建替え率が微増し、中部と九州が微減した。

4. 顧客動向
(1)見学会、イベント等への来場者数
平成29年7~9月の実績は、前四半期と比べて、全国平均では『増加』の割合が(39%→32%)に減少した。(比較対象の第1四半期は、5月の展示場来場が毎月平均の約1.5倍となるため、第2四半期の実績は毎年減少する傾向にある。)
ただしエリア別では、関東、中部、近畿の大都市圏では、ほぼ横ばいの状況を維持した。

(2)全体の引き合い件数
平成29年7~9月の実績は、前四半期に比べて全国平均では『増加』の割合が(37%→25%)となった。
エリア別でも、北海道の『増加』が(83%→31%)となったのを筆頭に、九州が(44%→18%)となるなど、全エリアで引き合い件数が減少したが、この減少分のほとんどは『横ばい』に移行しており、『減少』は少なかった。

(3)土地情報取得件数
平成29年7~9月の実績は、前四半期に比べて、全国平均では大きな増減は無かった。
エリア別では、北海道の『増加』が(25%→46%)となった他、関東も微増となった。
東北、中部、近畿、中国・四国は横ばいで、九州は微減した。

(4)消費者の購買意欲
平成29年7~9月の実績は、前四半期に比べて、全国平均では大きな増減は無かった。
エリア別では、北海道の『増加』が(25%→46%)となった他、関東も微増となった。
東北、中部、近畿、中国・四国は横ばいで、九州は微減した。
