住宅業況調査報告

『平成29年度 第3回 住宅業況調査報告』

B 「低層賃貸住宅」

1. 対前四半期比 総受注戸数・金額の動向指数

【1】実績
 平成29年7~9月の受注実績指数は、平成29年4月~6月(以下、前四半期)比で、前四半期予測の(総受注戸数+6ポイント、総受注金額+7ポイント)に対し、全国平均では
総受注戸数は △9ポイント、総受注金額は △8ポイント
と、いずれも4四半期連続でマイナスとなった。(前四半期の実績は、総受注戸数△21、総受注金額△14。)
 エリア別の受注戸数は、九州が(△18)、東北と近畿が(△14)、中国・四国が(△12)、関東が(△9)と続く。中部のみ(+3)となった。
 エリア別の受注金額は、北海道、関東、中部では増加し、近畿、中国・四国は減少、東北では、『5~10%以上上がっている』、『5~10%以上下がっている』の割合がそれぞれ増加し、二極化した。九州では逆に、『変わらない』の割合が(23%→55%)と増加し、エリアによって状況は違っていた。

【2】見通し
 平成29年10~12月の見通し指数は、平成29年7~9月の実績に対し、全国平均では
総受注戸数△9ポイント、総受注金額△7ポイント
となっている。
 戸数のマイナス予測は、平成26年4月調査時以来3年半ぶり、金額のマイナス予測は、平成25年10月調査時以来4年ぶり。 エリア別の戸数見通しも、中国・四国の(△26)、を筆頭に、九州が(△14)、東北が(△11)、関東が(△9)、中部が(△8)など、全エリアでマイナス予測となっている。

2. 一戸当り床面積(実績)の動向について

 平成29年7~9月の床面積指数は、前四半期に予測した(+6ポイント)と同数の、全国平均で+6ポイントとなり、5四半期連続で増加した。(前四半期実績は +2ポイント。)
 エリア別では、北海道、関東が増加となり、他のエリアは全て『やや広くなっている・広くなっている』と『やや狭くなっている・狭くなっている』の割合がそれぞれ減少し、『変わらない』が増加した。

総受注金額指数と1戸当り受注床面積指数
3. 低層賃貸住宅経営者の供給意欲

 平成29年7~9月における、住宅会社側からみた賃貸住宅経営者の供給意欲度である。  全国平均では、『かなり強い・強い』の割合が(7%→0%)となり、『やや弱い・弱い』が(35%→58%)と増大し、全国的に賃貸住宅経営者の意欲度は、前回調査時に続き、更に大きく減退したと感じる現場の責任者が多かった。
 エリア別では、『かなり強い・強い』の割合が微増しているエリアもあったが、一方そうしたエリアも含めた全エリアで、『やや弱い・弱い』の割合が20~35%増加した。

低層賃貸住宅経営者の供給意欲について
4.低層賃貸住宅市場動向

(1)見学会、イベント等への来場者数

 平成29年7~9月の実績は、前四半期に比べて、全国平均では、『増加』の割合が(3%→4%)と微増したが、『減少』も(27%→33%)となり、差し引き前回に引き続き来場者数は減少したとする回答が増えた。
 エリア別では、東北と中国・四国の来場者数が大幅に減少、関東が微減、中部と九州は微増 となった。

見学会、イベント等への来場者数

(2)全体の引き合い件数

 平成29年7~9月の実績は、前四半期に比べて、全国平均では、『増加』の割合が(8%→4%)に微減、『減少』は(38%→46%)と増加し、引き合い件数も減少した。
  エリア別では、東北の『減少』が(29%→67%)、中国・四国が(28%→59%)、中部が(39%→61%)、他、関東、近畿、九州も微減となった。

全体の引き合い件数

(3)低層賃貸住宅市場の空室率

 平成29年7~9月の実績は、前四半期に比べて、全国平均では、『減少』の割合が(9%→11%)となり、前回に引き続き若干の悪化がみられた。
 エリア別では、関東は変化がなかったが、中部、近畿、中国・四国、九州で悪化し、東北のみ改善が見られた。

賃貸住宅市場の空室率

(4)金融機関の融資姿勢(積極性)

 平成29年7~9月の実績は、前四半期に比べて、全国平均では、『増加』の割合が(8%→4%)に減少し、『減少』の割合は(38%→51%)となり、悪化が続いている。
 エリア別でも、全エリアで『増加』の割合が3~13%減少し、『減少』の割合は6~28%増加した。金融機関の消極性は4四半期連続となった。

金融期間の融資姿勢(積極性)

以上
平成29年11月8日

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