住宅業況調査報告

『平成29年度 第4回 住宅業況調査報告』

B 「低層賃貸住宅」

1. 対前四半期比 総受注戸数・金額の動向指数

【1】実績
 平成29年10~12月の受注実績指数は、平成29年7~9月(以下、前四半期)比で、前四半期見通し(総受注戸数 △9ポイント、総受注金額 △7ポイント)に対し、全国平均では
総受注戸数は △25ポイント、総受注金額は △19ポイント
と、どちらも5四半期連続でマイナスとなった(前四半期の実績は、 総受注戸数 △9、総受注金額 △8)。
 エリア別の受注戸数は、関東の落ち込みが最も大きく△40、中国・四国が△33、九州が△20、中部が△19と続き、全てのエリアでマイナスとなった。
 エリア別の受注金額も北海道、関東、中部、中国・四国で減少したが、東北、近畿では増加、九州では『上がっている』『下がっている』がそれぞれ15%以上増加するなど、エリアによってばらつきがあった。

【2】見通し
 平成30年1~3月の見通し指数は、平成29年10~12月の実績に対し、全国平均では
総受注戸数 ±0ポイント、総受注金額 △2ポイント
と、2四半期連続のマイナス見通しとなった。(戸数のマイナス見通しは平成26年4月調査以来、金額のマイナス見通しは平成25年10月調査以来である。)
 エリア別の戸数見通しでは、九州の△26、中国・四国の△20をはじめ、近畿、中部でもマイナス見通しとなっているが、関東と東北はプラス見通しをたてている。

2. 一戸当り床面積(実績)の動向について

 平成29年10~12月の1戸あたりの床面積指数は、前四半期見通し(+4ポイント)に対し、全国平均で +1ポイントとなり、6四半期連続で微増となった(前四半期実績は+6ポイント)。
 エリア別では、関東は『狭くなっている』の割合が0%→8%に上がったが、近畿、九州では『広くなっている』の割合が0%→4%、0%→8%にそれぞれ上がった。

総受注金額指数と1戸当り受注床面積指数
3. 低層賃貸住宅経営者の供給意欲

 平成29年10~12月における、住宅供給側から見た顧客の賃貸住宅建築意欲度である。
 全国平均では、『かなり強い・強い』の割合が7%→8%、『弱い・やや弱い』が58%→59%となり大きな変動はなかったが、『弱い・やや弱い』の割合は、平成28年7月調査時の16%以降、17%→27%→33%→35%→58%→今回の59%と増加し続けている。
 エリア別では、中部の『弱い・やや弱い』が72%→56%に下がったが、関東は上がり、他のエリアに大きな変動は無かった。

低層賃貸住宅経営者の供給意欲について
4.低層賃貸住宅市場動向

(1)見学会、イベント等への来場者数

 平成29年10~12月の実績は、前四半期に比べて、全国平均では『増加』の割合が7%→7%、『減少』は33%→32%となった。前回調査同様、約1/3が『減少』と回答し、戸建注文住宅と比較し、その状況に大きな差が出ている。
 エリア別で見ると、関東、近畿の来場者数は微減、中部、中国・四国は微増となり、北海道、東北、九州に大きな変動は見られなかった。

見学会、イベント等への来場者数

(2)全体の引き合い件数

 平成29年10~12月の実績は、前四半期に比べて、全国平均では『増加』の割合が4%→2%に下がり、『減少』は46%→52%に上がり、引き合い件数は減少傾向となった。 
 エリア別では、関東、近畿の引き合い件数は減少、九州は増加し、北海道、東北、中部、中国・四国に大きな変動は見られなかったが、全エリアで約1/2の回答者が引き合い件数は減少したと回答している。

全体の引き合い件数

(3)低層賃貸住宅市場の空室率

 平成29年10~12月の実績は、前四半期に比べて、全国平均では『増加』の割合に変動はなかったものの、『減少』の割合が11%→6%となり、3四半期連続で若干の悪化がみられた。
 エリア別では、東北の『増加』が17%→57%と大幅に上がった他、関東の空室率も増加した。中部は若干の回復をみせ、北海道、近畿、中国・四国、九州に大きな変動は見られなかった。

賃貸住宅市場の空室率

(4)金融機関の融資姿勢(積極性)

 平成29年10~12月の実績は、前四半期に比べて、全国平均では『減少』の割合が51%→44%に下がった。数値的には、平成28年10月調査時以降増加し続けた『減少』の割合は下げ止まったが、『横ばい』が54%、『増加』は3%と、依然融資の積極性は低い。
 エリア別では、東北、中国・四国の積極性が微増、九州は減少、北海道、関東、近畿に大きな変動は見られなかった。

金融期間の融資姿勢(積極性)

以上
平成30年2月20日

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