住宅業況調査報告

『平成30年度 第3回 住宅業況調査報告』

「戸建注文は若干の回復基調」

 一般社団法人 住宅生産団体連合会(会長 阿部 俊則 積水ハウス株式会社 代表取締役会長)では、会員各社の支店・営業所・展示場等の営業責任者に対して3ケ月毎に住宅市場の業況感(対前四半期の実績及び今期の見通し)についてアンケート調査を実施しております。
平成30年度第3回の集計がまとまりましたので報告いたします。

(※調査時期は平成30年10月です。)

A 「戸建注文住宅」

1. 対前四半期比 総受注棟数・金額の動向指数

【1】実績
 平成30年7~9月の受注実績指数は、平成30年4~6月(以下、前四半期)比で、前四半期見通し(受注戸数 +19ポイント、受注金額 +9ポイント)に対し、全国平均では
受注棟数 +23ポイント、受注金額 +4ポイント
となり、棟数、金額共に前回のマイナスからプラスに転じた。(前四半期の実績は、受注棟数 △6、受注金額 △2)
 エリア別の棟数指数は、北海道のみ連続でマイナス(△19)となったが、他の全てのエリアではプラスとなった(東北は+50ポイント、近畿、中国・四国、九州がそれぞれ +29、+29、+28など。)。中部、近畿、中国・四国では、3四半期連続でプラスとなった。
 エリア別の金額では、中国・四国の「下がっている」の割合が29%→8%と改善したが、他のエリアでは、大きな変化は無かった。
上回った。

【2】見通し(予測)
 平成30年10~12月の見通し指数は、平成30年7月~9月の実績に対し、全国平均では
受注棟数 +11ポイント、受注金額 +8ポイント
となっている。
 エリア別の棟数見通し指数は、全エリアでプラスであった前四半期と比較し、今回は、中部、九州がマイナス見通しとしている。
 エリア別の金額見通しでは、中部を除く全てのエリアで『上がりそう』の回答割合が『下がりそう』を上回り、その比率も全国的に前四半期より伸びている。

2. 一棟当りの床面積の動向

【1】実績
 平成30年7~9月の一棟あたりの床面積指数は、前四半期見通し(+4ポイント)に対し、全国平均で+2ポイントであった。(前四半期の実績は±0ポイント)
 エリア別では、中国・四国と九州において、若干の床面積増加が見られたが、他のエリアでは変化は無かった。

【2】見通し(予測)
 平成30年10~12月の見通し指数は、全国平均で+3ポイントと四半期連続のプラス見通しとなっている。
 エリア別の回答割合では、前四半期と比較して大きな変化は無く、全エリアの70%~80%は『変わらず』と回答している。

総受注金額指数と1戸当り受注床面積指数

 

3. 顧客動向

(1)見学会、イベント等への来場者数
 平成30年7~9月の実績は、前四半期に比べ、全国平均では『増加』の回答割合が33%→26%に下がり、『減少』は18%→24%に上がり、来場者数の伸びは鈍化した。
 エリア別では、東北、中部、近畿、九州で『増加』の回答割合が『減少』を上回り、北海道、関東、中国・四国では下回った。

見学会、イベント等の来場者数割合

(2)引き合い件数
 平成30年7~9月の実績は、前四半期に比べ、来場者数同様、全国平均では『増加』の回答割合が28%→16%に下がり、『減少』は13%→25%に上がり、前回の回復傾向から再び減少傾向に転じた。
 エリア別では、中部のみ『減少』の回答割合が19%→16%、『増加』が19%→26%となったが、他の全てのエリアでは『減少』の回答割合が『増加』を上回った。大きな変化としては、東北の『増加』が45%→8%、九州が42%→19%。近畿の『減少』が、10%→35%など。

全体の引き合い件数割合

(3)土地情報取得件数
 平成30年7~9月の実績は、前四半期に比べ、全国平均では『増加』の回答割合が21%→15%、『減少』は19%→23%となり、大きな変化ではないものの減少傾向となった。
 エリア別では、北海道の『増加』が47%→69%、『減少』が7%→0%となって回復した他、中部でも若干の回復が見られた。反対に東北、関東、近畿、中国・四国、九州では土地情報の取得件数は減少傾向となった。

土地情報の取得件数

(4)消費者の購買意欲
 平成30年7~9月の実績は、前四半期に比べ、全国平均では『増加』の回答割合が11%→4%、『減少』は24%→36%となり、消費者の購買意欲は更に落ち込んだと見ている。
 エリア別でも、全エリアにおいて『増加』の回答割合は1割を切り、逆に『減少』の回答割合は、東北以外の全エリアで上昇した。近畿の58%、中国・四国の45%が顕著な数値であった。

消費者の購買意欲
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