住宅業況調査
『平成30年度 第4回 住宅業況調査報告』
「注文住宅、賃貸住宅ともに購買意欲が振るわず」
一般社団法人 住宅生産団体連合会(会長 阿部 俊則 積水ハウス株式会社 代表取締役会長)では、会員各社の支店・営業所・展示場等の営業責任者に対して3ケ月毎に住宅市場の業況感(対前四半期の実績及び今期の見通し)についてアンケート調査を実施しております。
平成30年度第4回の集計がまとまりましたので報告いたします。
(※調査時期は平成31年1月です。)
今回のアンケート数(サンプル数)は、「戸建注文住宅」が370、「低層賃貸住宅」が199である。
=各エリアのサンプル数= | ||||
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「戸建注文住宅」 | 「低層賃貸住宅」 | |||
北海道 | 13件 | 北海道 | 2件 | |
東北 | 31件 | 東北 | 14件 | |
関東 | 142件 | 関東 | 79件 | |
中部 | 73件 | 中部 | 44件 | |
近畿 | 47件 | 近畿 | 23件 | |
中国・四国 | 33件 | 中国・四国 | 20件 | |
九州 | 31件 | 九州 | 17件 |
A 「戸建注文住宅」
1. 対前四半期比 総受注棟数・金額の動向指数
【1】実績
平成30年10~12月の受注実績指数は、平成30年7~9月(以下、前四半期)比で、前四半期見通し(受注戸数 +11ポイント、受注金額 +8ポイント)に対し、全国平均では
受注棟数 △8ポイント、受注金額 +5ポイント
となり、棟数はマイナスに転じ、金額はプラスを継続した。(前四半期の実績は、受注棟数 +23、受注金額 +4)
エリア別の棟数指数は、東北と近畿が微増(+5)し、プラスを継続したが、他のエリアは全てマイナスに転ずるなど、駆け込み受注が発生していないことが伺える。中国・四国が△23、九州が△16、中部が△10、近畿、関東が△5となり、北海道では3四半期連続のマイナス、かつ△54という大きな落ち込みとなった。
エリア別の金額では、北海道で「上がっている」の割合が15%→40%、「下がっている」の割合は38%→13%と金額面では大きく回復しており、近畿も回復した。逆に関東、中国・四国、九州では「下がっている」の回答割合が増加した。
【2】見通し(予測)
平成31年1~3月の見通し指数は、平成30年10月~12月の実績に対し、全国平均では
受注棟数 +36ポイント、受注金額 +18ポイント
となり、5四半期連続でプラスとなっている。
エリア別の棟数見通し指数は、北海道が+50、東北が+47、関東が+39、中部が+40、近畿が+38、中国・四国が+22、九州が+14で、概ね西から東に行くにしたがって高い見通しとなっている。
エリア別の金額見通しでは、全てのエリアで『上がりそう』の回答割合が60~80%あり、金額アップの期待も大きい。
2. 一棟当りの床面積の動向
【1】実績
平成30年10~12月の一棟あたりの床面積指数は、前四半期見通し(+3ポイント)に対し、全国平均で+3ポイントと微増を継続した。(前四半期の実績は+2ポイント)
エリア別では、中部と近畿で若干の床面積増加が見られたが、中国・四国、九州では減少傾向となった。北海道では『広い・狭い』の回答がどちらも大幅に増加し、東北、関東では、どちらも減少となるなど、エリアによって違いがあった。
【2】見通し(予測)
平成31年1~3月の見通し指数は、全国平均で+7ポイントと4半期連続のプラスとなっている。
エリア別の回答割合では、北海道、東北、関東、中部、中国・四国の各エリアにおいて『広くなりそう』の割合が微増したが、全エリアの60%~80%は『変わらず』との回答である。

3. 顧客動向
(1)見学会、イベント等への来場者数
平成30年10~12月の実績は、前四半期に比べ、全国平均では『増加』の回答割合が26%→31%に上がり、『減少』は24%→21%に下がり、来場者数は若干の回復を示した。
エリア別では、北海道、東北、中国・四国、九州で、『増加』の回答割合が『減少』を大きく上回ったが、中部だけは下回った。

(2)引き合い件数
平成30年10~12月の実績は、前四半期に比べ、来場者数同様、全国平均では『増加』の回答割合が16%→21%に上がり、『減少』は25%→21%に下がり、前回の減少傾向から若干の回復傾向に転じた。
エリア別では、北海道の『増加』の回答割合が15%→40%、『減少』が31%→20%、九州は、それぞれ19%→29%、19%→9%となり引き合い件数は増加したが、関東、中部、近畿の大都市圏では、微量ながらも『減少』の回答割合が『増加』を上回り、来場者数と連動しないエリアがあった。東北と中国・四国は減少・増加の回答割合が拮抗しているが、前四半期との比較でみれば回復した。

(3)土地情報取得件数
平成30年10~12月の実績は、前四半期に比べ、全国平均では『増加』の回答割合が15%→15%、『減少』は23%→19%となり、大きな変化はなかった。
エリア別では、北海道の『減少』が0%→13%に増加したが、東北、中部、近畿の取得件数は微増した。

(4)消費者の購買意欲
平成30年10~12月の実績は、前四半期に比べ、全国平均では『増加』の回答割合が4%→9%、『減少』は36%→30%と、若干の回復傾向となったが、依然、消費者の購買意欲は低いと見ている。
エリア別では、中部、近畿、中国・四国、九州の西日本でそろって『減少』の回答割合が10~20%下がり、『増加』のそれは微量ながら上がり、回復の兆しが見えている。東北と関東は、増加・減少共に回答割合が増えるなど、受け止め方に違いがあった。北海道では『減少』が増加した。
