住宅業況調査報告

『平成30年度 第4回 住宅業況調査報告』

B 「低層賃貸住宅」

1. 対前四半期比 総受注戸数・金額の動向指数

【1】実績
 平成30年10~12月の受注実績指数は、平成30年7~9月(以下、前四半期)比で、前四半期見通し(受注戸数 △7ポイント、受注金額 △4ポイント)に対し、全国平均では
受注戸数 △21ポイント、受注金額は △14ポイント
と、どちらも9四半期連続でマイナスとなった。前四半期までマイナス幅が縮小し、プラスに浮上する流れであったが、再び大きくマイナスとなった。(前四半期の実績は、受注戸数 △2、受注金額 △1)
 エリア別の戸数指数は、中国・四国だけがプラス(+3)に転じたが、東北の△51を筆頭に、北海道が△49、中部が△32、九州が△19、関東が△16、近畿が△11など、他の全てのエリアでマイナスとなった。
 エリア別の金額では、全エリアで『上がっている』の回答割合が減少し、『下がっている』の回答割合は増加した。指数の変化が大きかったのは、近畿の『上がっている』が34%→14%に減少、中国・四国も26%→7%となった。

【2】見通し
 平成31年1~3月の見通し指数は、平成30年10~12月の実績に対し、全国平均では
受注戸数 +15ポイント、受注金額 +9ポイント
と、再度プラスに転じた。
 エリア別の戸数見通し指数は、北海道、近畿は±0であったが、他のエリアではプラスとなり、関東は+29と高い見通しとなるなど、全エリアで前四半期見通しから大きく好転している。
 エリア別の金額見通しでは、『上がりそう』の回答割合が全エリアで増加し、『下がりそう』は全エリアで減少した。

2. 一戸当り床面積(実績)の動向について

【1】実績
 平成30年10~12月の1戸あたりの床面積指数は、前四半期見通し(+3ポイント)に対し、全国平均で△3ポイントとなり、10四半期ぶりにマイナスに転じた。(前四半期実績は+4ポイント)。
 エリア別では、九州のみ『広くなっている』の回答割合が14%→16%に微増となったが、他のエリアでは全て減少した。(東北の50%→22%、中国・四国で25%→0%が大きな変化であった。)

【2】見通し(予測)
 平成30年7~10月の見通しは、全国平均で+8ポイントとなっている。
 エリア別の回答割合では、全エリアにおいて『広くなりそう』の割合が『狭くなりそう』を上回ってはいるが、中部、近畿においてその差は小さい。また、全エリアの回答中、70~90%は『変わらない』と回答している。

総受注金額指数と1戸当り受注床面積指数
3. 低層賃貸住宅経営者の供給意欲

 平成30年10~12月における、住宅供給側から見た顧客の賃貸住宅建築意欲度である。
全国平均では、『かなり強い・強い』の回答割合12%に対し、『弱い・やや弱い』は半数近い48%となっており、厳しい市況が継続している。
 エリア別では、『弱い・やや弱い』の回答割合が、東北で66%、中国・四国で60%と高く、全エリアで『強い・やや強い』の回答割合を上回った。

低層賃貸住宅経営者の供給意欲について
4.顧客動向、市場動向について

(1)見学会、イベント等への来場者数

 平成30年10~12月の実績は、前四半期に比べ、全国平均では『増加』の回答割合が6%→8%、『減少』は34%→33%と微増となったが、回答の1/3が6四半期連続で、『減少した』と回答している。
 エリア別で見ると、近畿の『増加』が6%→15%、九州の7%→15%となり、かつ『減少』の回答割合も全エリアで微減となり回復傾向ではあった。

見学会、イベント等への来場者数

(2)全体の引き合い件数

 平成30年10~12月の実績は、前四半期に比べ、全国平均では『増加』の回答割合が5%→8%に、『減少』は41%→35%となり、厳しい状況は継続しているものの、来場者数と同じく若干の回復となった。
 エリア別でも『減少』の回答割合は、九州で64%→23%となるなど、各エリアで減少したとはいうものの、北海道は100%、他のエリアでも未だ30~40%を占めている。中部では、来場組数同様、『増加』の回答が2四半期連続で0%であった。

全体の引き合い件数

(3)低層賃貸住宅市場の空室率

 平成30年10~12月の実績は、前四半期に比べ、全国平均では『減少』の回答割合が11%→5%、『増加』は10%→7%とどちらも微減し、空室率に大きな変化はなかった。
 エリア別では、近畿の『減少』だけが35%→0%と再度大きく悪化し、他のエリアでも微減となった。全エリアの中では、東北が2四半期連続で『増加』の回答割合が一番高い。逆に、中部だけは『増加』の回答が2四半期連続で0%と安定していた。

賃貸住宅市場の空室率

(4)金融機関の融資姿勢(積極性)

 平成30年10~12月の実績は、前四半期に比べて、全国平均では『増加』の回答割合が4%→3%、『減少』は55%→51%となり、融資姿勢の低さに改善は見られない。
 エリア別では、東北の『減少』が、60%→78%、中国・四国が56%→73%と大きく悪化したが、関東では59%→44%と若干の回復を示した。東北、中国・四国、九州では、『増加』(積極性があった)の回答割合が0%であった。

金融期間の融資姿勢(積極性)

以上
平成31年2月28日

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