住宅業況調査
『令和元年度 第1回 住宅業況調査報告』
(※調査時期は平成31年4月です。)
今回のアンケート数(サンプル数)は、「戸建注文住宅」が439、「低層賃貸住宅」が131です。
=各エリアのサンプル数= | ||||
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「戸建注文住宅」 | 「低層賃貸住宅」 | |||
北海道 | 14件 | 北海道 | 1件 | |
東北 | 58件 | 東北 | 7件 | |
関東 | 136件 | 関東 | 55件 | |
中部 | 82件 | 中部 | 25件 | |
近畿 | 57件 | 近畿 | 12件 | |
中国・四国 | 56件 | 中国・四国 | 15件 | |
九州 | 36件 | 九州 | 16件 |
A 「戸建注文住宅」
1. 対前四半期比 総受注棟数・金額の動向指数
【1】実績
平成31年1~3月の受注実績指数は、平成30年10~12月(以下、前四半期)比で、前四半期見通し(受注戸数 +36ポイント、受注金額 +18ポイント)に対し、全国平均では
受注棟数 +38ポイント、受注金額 +23ポイント
となり、棟数は大きくプラスに転じ、金額もプラスを継続した。(前四半期の実績は、受注棟数 △8、受注金額 +5)大幅な駆け込み受注が発生した消費税率8%導入直前(平成25年度第2四半期)の指数は、受注棟数 +53ポイント、受注金額 +31ポイントであった。
エリア別の棟数指数は、5四半期連続でプラスを継続する近畿の+46を筆頭に、関東が+44、中部が+41、以下中国・四国の+35、北海道が+29、東北が+13、九州が+12と、全エリアでプラスとなった。
エリア別の棟数の回答割合では、北海道の「上がっている」が45%増の65%、「下がっている」は52%減の28%となり大きく改善した。他、関東、中部、近畿、中国・四国も大きく受注を伸ばした。東北も「上がっている」の回答割合が「下がっている」を上回ってはいるが、前回からの伸びは少なかった。九州は、「上がっている」の回答割合が今回最少の38%で「下がっている」の29%と拮抗している。
エリア別の金額では、東北のみ「上がっている」の回答割合が前回の40%→27%に減少(他のエリアは概ね50%)、「下がっている」の回答割合は35%(他のエリアは概ね15%)と低調であった。
【2】見通し(予測)
平成31年4~6月の受注見通し指数は、平成31年1月~3月の実績に対し、全国平均では
受注棟数 △18ポイント、受注金額 △7ポイント
となり、5四半期続いたプラス見通しから一転マイナスとなっている。
エリア別の棟数見通し指数も、全エリアで前四半期比マイナスとしている。
棟数に関する回答割合は、前回調査時には大半のエリアで60%前後が「上がりそう」と回答したのに対し、今回は概ね10~20%。逆に「下がりそう」の回答割合は、関東、中部、近畿などの大都市圏では概ね45%、それ以外のエリアでも30%前後となっている。
2. 一棟当りの床面積の動向
【1】実績
平成31年1~3月の一棟あたりの床面積指数は、前四半期見通し(+7ポイント)に対し、全国平均で+16ポイントと、平成25年の消費増税前の駆け込み時以来の高いポイントとなった。(前四半期の実績は+3ポイント)
エリア別では、関東以西で「広くなった」の回答割合が高く30~40%あった。逆に「狭くなった」との回答は全国的に10%台だったが、東北のみ45%と高かった。
【2】見通し(予測)
平成31年4~6月の見通し指数は、全国平均で△8ポイントとなり、、受注棟数、金額見通し同様マイナスとしている。
エリア別の回答割合では、「狭くなりそう」が全国的に20%前後、「広くなりそう」は10%前後、他70%は「変わらない」と予測している。

3. 顧客動向
(1)見学会、イベント等への来場者数
平成31年1~3月の実績は、前四半期と比べ、全国平均では『増加』の回答割合が31%→33%、『減少』は21%→23%と来場者数に大きな変化は無く、増加は継続している。
エリア別では、特に東北と九州が好調を継続したが、反対に北海道と近畿については『減少』の回答数が『増加』を上回り、来場者数は減少傾向であった。

(2)引き合い件数
平成31年1~3月の実績は、前四半期と比べ、全国平均では『増加』の回答割合が21%→22%と変わらなかったが、『減少』は21%→30%に上がり、来場者数の増加に反し、引き合い件数は減少傾向となった。
エリア別に見ると、関東、中部、中国・四国では、来場者数の『増加』回答数が『減少』を上回っていたが、引き合い件数では『減少』が上回るという結果となった。東北と中部は、来場者数同様、引き合い件数も増加した。

(3)土地情報取得件数
平成31年1~3月の実績は、前四半期と比べ、全国平均では『増加』の回答割合が15%→18%、『減少』は19%→18%と大きな変化はなかった。
エリア別では、北海道の50%、東北の34%が『増加』とし、全国平均を大きく上回った他、中国・四国、九州の取得件数も増加傾向、関東と中部は横ばい、近畿のみ『減少』した。

(4)消費者の購買意欲
平成31年1~3月の実績は、前四半期と比べ、全国平均では『増加』の回答割合が9%→13%、『減少』は30%→31%と大きな変化は無く、消費増税適用直前の四半期でありながら、消費者の購買意欲は上がらなかったと見ている。
エリア別では、北海道と関東、中部、近畿の大都市圏で『減少』の回答割合が40%前後と大きく、かつ今回も全エリアで『減少』は『増加』を上回っている。
受注戸数・金額の高い指数は、これまでの低調な実績からの回復であり、根本的な購買意欲の改善とは見られていない。
