調査結果の公表
- 平成30年7月度 『景況判断指数からみた傾向』
- 総計
- -実績-
平成30年度第1四半期(平成30年4~6月)実績の景況判断指数は、対前年同期比で、前4月度予測(総受注戸数 +25ポイント、総受注金額 +15ポイント)に対し、
総受注戸数は △8ポイント、総受注金額は +13ポイント となった。戸数に関しては、見通しと反比例する下降傾向となったが、金額に関しては、3四半期連続でプラスとなった。
(前1~3月度実績 総受注戸数 ±0、総受注金額 +27)
コメントでは、
「受注件数、受注金額ともに上昇傾向。」他、同様のコメント1件。
「戸建分譲が好調に推移、戸建注文、賃貸も回復傾向。」
「前年マイナスだが、1棟(戸)単価の向上により、金額の落込みは微減に留まる。」
「市況全体に盛り上げ要素がなく、停滞気味で推移。」他、同様のコメント1件
「環境に大きな変化は無い。消費増税を意識した顕著な動きは見られない。」 など。
前回調査時の今期見通しでは、個人消費の持ち直しの動き、低調であった昨年との比較等から回復傾向との期待が高かったが、戸数に関しては再度マイナスに転じる結果となった。
- -見通し-
平成30年度第2四半期(平成30年7~9月)見通しの景況判断指数は
総受注戸数は +41ポイント、総受注金額 +45ポイント と高い予測となっている。
コメントでは、
「消費増税を意識した顧客の動きはまだ見られないものの、具体的な商談に入る比率は改善。消費増税の動向により個人消費のマインドが変化しやすいため注視が必要。」
「消費増税や金利上昇見込み等により、受注件数、受注金額ともに多少の上昇が見込まれる。」
「引き続き、賃貸住宅がけん引役として見込まれる。」
「全体が増加と予測。」他、同様のコメント2件。
「第2四半期における消費増税を意識した動きは限定的と見ており、受注環境の大きな変化は予想していない。」
「特段の動きはないと予測。」 など。
前回調査で「±0%変わらず」の回答数が最多(戸数で8/14、金額で7/13)を占めたが、今回は、増税による受注喚起は限定的としながらも、「5%程度回復する」の回答が最多(戸数で9/11、金額で8/11)となっている。
- (戸建注文住宅)
- -実績-
平成30年度第1四半期(平成30年4~6月)実績の景況判断指数は、対前年同期比で
前4月度予測(受注戸数 +24ポイント、受注金額 +22ポイント)に対し、
受注戸数 +9ポイント、受注金額 ±0ポイント となり、戸数はプラスを継続した。
(前1~3月度実績 受注戸数 +18、受注金額 +13)
コメントでは、
「展示場来場数は前年を上回り、改善の兆し。戸数・金額ともに前年並みを維持。」
「検討中のお客様が増加、様子見姿勢改善の兆し。」
「受注環境に大きな変化はないが、受注単価は上昇。」
「受注件数、受注金額ともに上昇傾向にあった。」
「17年度下期より回復傾向。」
「徐々に引合いが減少してきた。」
「棟数はマイナス、金額はほぼ横ばい。」
「G.W後の受注が伸びず、前年を若干下回る。」 など。
戸数に関しては「10%良い~10%悪い」まで回答は混在し、コメントが示す通り会社ごとに受注環境の違いが出た。しかし、ここ1年程多かった「商談の長期化」コメントは無くなり、市場に動きの兆しを感じるコメントが多い。
- -見通し-
平成30年度第2四半期(平成30年7~9月)見通しの景況判断指数は、
受注戸数 +27ポイント、受注金額 +21ポイント となっている。
コメントでは、
「引き続き回復傾向。ZEH補助金が寄与する。」
「受注件数について一次取得者層が増加傾向にあり、また受注単価についても環境機器の搭載率アップ等の要因から上昇する見通し。」
「消費増税による駆け込みが徐々に発生してくる時期であり、顧客の動きも活発化してくると思われる。」 他、同様のコメント2件。
「回復傾向が継続と予測。」
「受注減が継続する見通し。」
「楽観視できない、減少傾向と予測。」
「戸数UPは期待できず、ZEH、二世帯などの単価UPに期待。」 など。
消費増税による駆け込みについては、慎重なコメントもあるが、戸数においては全回答15社
中、10社が「5%程度良くなる」との回答であった。
- (戸建分譲住宅)
- -実績-
平成30年度第1四半期(平成30年4~6月)実績の景況判断指数は、対前年同期比で、前4月度予測(受注戸数 +5ポイント、受注金額 ±0ポイント)に対し、
受注戸数 △17ポイント、受注金額は △28ポイント と大きく落ち込んだ。
(前1~3月度実績 受注戸数 +10、受注金額 +10 )
コメントでは、
「多くの拠点で堅調。」
「17年度に引き続き好調に推移。」
「棟数・金額とも前年を下回った。」 他、同様のコメント1件。
「前年同様に好調だった反動でマイナス。」 など。
各社の販売在庫の保有状況が影響するため、今回の回答もばらつきがあった。
- -見通し-
平成30年度第2四半期(平成30年7月~9月)見通しの景況判断指数は、
受注戸数 +13ポイント、受注金額 +13ポイント となっている。
コメントでは、
「前年並みを維持。積極的な土地の仕入れにより、一次取得者層からの受注に繋げる。」
「消費増税による駆け込みが徐々に発生してくる時期であり、顧客の動きも活発化してくると思われる。」 他、同様の回答2件。
「分譲在庫をあまり抱えない計画のため、大幅な受注増は見込んでいない。」 など。
- (低層賃貸住宅)
- -実績-
平成30年度第1四半期(平成30年4~6月)実績の景況判断指数は、対前年同期比で、前4月度予測(受注戸数 +17ポイント、受注金額 +13ポイント)に対し
受注戸数 △17ポイント、 受注金額 △8ポイント となり、どちらも7四半期連続で対前年同期比マイナスとなった。
(前1月~3月度度実績 受注戸数 △29ポイント、受注金額 △8)。br />
コメントでは、
「堅調に推移している。」
「付加価値型商品を中心にプラスとなった。」
「受注件数、受注金額ともに上昇傾向にあった。」
「東京エリアでの動きが好調さを維持。」
「前年の高いハードルは超えられず。」
「17年度よりも増加したが、市場は縮小傾向という認識。」
「首都圏を中心に伸び悩んだ。」
「新規顧客開拓を継続的に注力するも減少。」 など。
相続税対策ブーム以後は依然水面下にあるが、指数は少しずつ上向き傾向となっている。金額
に関しては「10%良い~10%悪い」まで回答は混在し、各社の受注環境の違いが出ている。
- -見通し-
平成30年度第2四半期(平成30年7~9月)見通しの景況判断指数は、
受注戸数 +18ポイント、受注金額 +14ポイント となっており、前回調査からプラス見通しとなっている。
コメントでは、
「消費税UPの動きの敏感な土地オーナーの需要が堅調さを維持すると予測。」
「具体的な検討を始める顧客数が増加傾向にあり、上昇の見通し。」
「市場は縮小傾向だが、昨年よりも増加と予測。」
「ネガティブ報道が一服。空き家や修繕費、耐震性等への懸念から、築30年以上の建替えが進むと見込まれる。」
「引き続き付加価値型への注力等でプラスを予測。」
「3大都市圏、地方中核都市では、3、4階建ての商品を中心に受注は堅調だが、前年のハードルは高い。」
「ボリュームゾーンである首都圏の受注回復がカギになるが、供給過剰報道もあり、大幅な市況改善は見込んでいない。」 など。
資産活用、建替え、都市部の相続税対策など底堅いニーズからの受注を見込んでいる。
- (リフォーム)
- -実績-
平成30年度第1四半期(平成30年4~6月)実績の景況判断指数は、対前年同期比で、前4月度予測(受注金額 +23ポイント)に対し、
受注金額 +7ポイント となり5四半期連続のプラスとなった。
(前1~3月度実績 受注金額 +23)
コメントでは、
「大型リノベーションが寄与し、前年を上回る。」
「正月やGWの集客の伸びが受注に結び付いた。比較的単価の高い受注も増えている。」
「1~3月期より若干の改善。」
「受注件数、受注金額ともに上昇傾向。」他、同様のコメント1件
「中規模リフォーム工事の受注増。」
「LDK改装工事の好調などを受けてプラスとなった。」
「ほぼ横ばい。」
「17年度は回復傾向だったが、この第1四半期は前年割れ。」 など。
指数は減少傾向にあるが、コメント内容から見ても堅調な状況が伺える。
- -見通し-
平成30年度第1四半期(平成30年4月~6月)見通しの景況判断指数は、
受注金額 +32ポイント となっている。
コメントでは、
「大型リノベーションが引き続き順調に推移。」他、同様のコメント1件。
「集客は好調、前年越えと予想。」他、同様のコメント2件。
「平成30年度長期優良リフォームの補助金制度を利用した提案で、前年同様の実績が見込まれる。」他、同様のコメント1件。
「引き続き外装、設備等の改装工事増に、太陽光の挽回を含めプラスを予想。」他、同様のコメント1件。 など。
前回調査時の回答では「変わらず」が10社、「5~10%良くなる」が4社であったが、今回の回答では、それぞれ、5社、8社と逆転し、期待値の大きさが伺える。
-
- 新設住宅着工戸数の予測
- 平成30年度の新設住宅着工戸数の予測については、回答した15社の予測平均値が、
総戸数94.5万戸(前4月度94.9万戸)という予測である。
利用関係別では、
持家が 28.8万戸(前4月度28.8万戸)
分譲住宅25.1万戸( 同25.4万戸)
賃貸住宅40.0万戸( 同40.1万戸)
給与住宅 0.6万戸( 同 0.6万戸)
持家と給与住宅の予測に変化は無かったが、分譲住宅、賃貸住宅がそれぞれ3千戸、
1千戸減少した。賃貸住宅の予測は、前々回の40.9万戸から連続で減少した。
- 平成30年度の新設住宅着工戸数の予測については、回答した15社の予測平均値が、
総戸数94.7万戸という予測である。
利用関係別では、
持家が 28.8万戸
分譲住宅25.1万戸
賃貸住宅40.2万戸
給与住宅0.5万戸
- 平成30年度の新設住宅着工総戸数の予測アンケート結果
―回答数―15社―
【単位:万戸】
|
総戸数 |
持 家 |
分譲住宅 |
賃貸住宅 |
給与住宅 |
平成28年度実績 |
97.4 |
29.2 |
24.9 |
42.7 |
0.6 |
平成29年度実績
|
94.6 |
28.2 |
24.8 |
41.0 |
0.5 |
平成30年度予測 |
A社 |
92 |
28 |
25 |
38.0 |
1.0 |
B社 |
95 |
29 |
25 |
40.5 |
0.5 |
C社 |
93.6 |
30 |
26 |
37 |
0.6 |
D社 |
94.1 |
30 |
23.5 |
40 |
0.6 |
E社 |
97.1 |
28.8 |
24.9 |
42.9 |
0.5 |
F社 |
96 |
30 |
25 |
40.5 |
0.5 |
G社 |
94 |
28.5 |
25.5 |
39.5 |
0.5 |
H社 |
94 |
28 |
27 |
38.5 |
0.5 |
I社 |
93.5 |
28 |
24 |
41 |
0.5 |
J社 |
96.5 |
29.3 |
25.5 |
41.1 |
0.6 |
K社 |
87.5 |
25 |
22 |
40 |
0.5 |
L社 |
95.5 |
28 |
25 |
42 |
0.5 |
M社 |
96 |
29 |
26 |
40.5 |
0.5 |
N社 |
93.5 |
28.5 |
25.4 |
39 |
0.6 |
O社 |
未記入 |
未記入 |
未記入 |
未記入 |
未記入 |
P社 |
|
|
|
|
|
Q社 |
未記入 |
未記入 |
未記入 |
39 |
未記入 |
R社 |
未記入 |
未記入 |
未記入 |
未記入 |
未記入 |
平 均 |
94.5 |
28.8 |
25.1 |
40.0 |
0.6 |
-
- 住宅メーカーの経営指標について
- 向こう6ケ月間の住宅メーカーの経営指標となる下記の項目について、各社の経営者にアンケートを行った。その結果は次の通りである。
- 詳細グラフはこちら
|
上がる |
変わらず |
下がる |
所得の伸び |
2 ( 7 ) |
14 ( 9 ) |
0 ( 0 ) |
家賃の動向 |
0 ( 1 ) |
17 ( 16 ) |
0 ( 0 ) |
金利の動向(市中金利) |
0( 1 ) |
17 ( 16 ) |
0 ( 0 ) |
資材価格の動き |
10 ( 12 ) |
7 ( 5 ) |
0 ( 0) |
建築の手間賃 |
10 ( 14 ) |
7 ( 3 ) |
0 ( 0 ) |
|
上がる |
安定化 |
下がる |
地価の動向(住宅地) |
7 ( 4 ) |
9 ( 12 ) |
0 ( 0 ) |
|
増える |
変わらず |
減る |
展示場来場者数 |
8 ( 5 ) |
6 ( 11 ) |
2 ( 0 ) |
|
過剰 |
充足 |
不足 |
技能職人数(大工) |
0 ( 0 ) |
7 ( 2 ) |
10 ( 15 ) |
( )内は、平成30年1月度調査時の数値。
- 指標の動向について(平成29年7月度調査との比較)
- 1) 「所得の伸び」では、「上がる」が7社→2社となり、「変わらず」に移行した。(前回調査時は0社→7社。)
- 2) 「家賃の動向」は、今回も大きな変化は無く、全社が「変わらず」とした。
- 3) 「金利の動向」は、全社が「変わらず」とし、低金利が続くと見ている。
- 4) 「資材価格の動き」は、大きな変化は無いが、依然17社中10社が上がると回答している。
- 5) 「建築の手間賃」も、依然17社中10社が「上がる」と回答している。
- 6) 「地価の動向」では、「上がる」が3社増加した。
- 7) 「展示場来場者数」も、「増える」が3社増加した。
- 8) 「技能職人数(大工)」では、今回「充足」が5社増加した。